2021年1月20日 (水)

今さらながら2020年を振り返る

ますます更新が遅れまくっている当ブログだが、なんとか振り返ってみる。もう「遅くって当たり前」な心持ちである。 【映画】順不同。大体見た順かも。コロナ禍のために映画もメジャーどころはほとんど公開延期となるか、直接配信になってしまうという状況でありますが、結局『テネット』は見てません(;^^) *『パラサイト 半地下の家族』:地上波TVで放映されちゃったのも怪挙。*『プリズン・サークル』:ドキュメンタリー枠。雑誌「世界」での連載を読むと撮影(と準備)は本当に大変だったもよう。だ...

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2021年1月14日 (木)

映画落ち穂拾い 2020年後半その2

「ファヒム パリが見た奇跡」監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル出演:ジェラール・ドパルデュー、アサド・アーメッドフランス2019年 反政府運動のためにバングラデシュにいられなくなりパリにやってきた父子の実話である。難民として入国するも申請が通らず、父親の働き口もない。しかし、国内でチェスのチャンピオンだった少年の才能が身を助けることになる。言葉もわからぬまま連れて行ったチェス教室にいたのは、優秀ながらガンコ者の指導者(ドパルデュー)であった。...

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2021年1月 6日 (水)

「素晴らしき世界」上・下

著者:マイクル・コナリー訳者:古沢嘉道講談社文庫2020年 おお(!o!)2020年はコナリーが3冊も翻訳出版だ~ --と喜び勇んで読む。相変わらず定年後に非常勤刑事を務めるボッシュと、『レイトショー』で初登場したLA市警深夜勤務のバラードのシリーズが合体である。交互に二人を章立てして過去の事件に迫っていくという体裁を取っており、両者の前作(ボッシュ・シリーズは『汚名』)を読んでいるのが前提条件である。 俄かにボッシュが年齢を感じさせる年寄りモードになって...

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2021年1月 4日 (月)

「美しい瞳よ」:華麗なる恨み節の世界

初期イタリア・バロック ソプラノ二重唱の愉しみ演奏:鈴木美登里&染谷熱子ほか会場:近江楽堂2020年12月11日 久し振りのコンサート。情けないことながら、もう最近はひと月に一回のペースである。この日の主役は二人のソプラノ・ミドリ&ネツコに、さらに鈴木秀美と上尾直毅が共演だった。会場は座席の間隔を開けて席数を減らして(半数?)一日2回公演にしていた。 初期バロックということで、取り上げた作曲家はモンテヴェルディ、カリッシミ、ロッシそしてノターリ(←かなりマイナー)。ほとんど...

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2020年12月29日 (火)

「幸せへのまわり道」:ホノボノのホは、ホラーのホ

監督:マリエル・ヘラー出演:トム・ハンクス米国2019年 米国に国民的子ども向け番組あったそうな。その名は「ミスター・ロジャースのお隣さん」。三十数年も続いた長寿番組だ。この映画は大人気司会者のロジャースにまつわる感動実話である……と思ったら大違いですのよ、奥さま(!o!) 主人公は「エスクァイア」誌の記者で、皮肉でシニカルな記事を得意としているらしい。しかも私生活では家族を捨てた父親を恨んでいて、姉の結婚式で殴り合いを始める始末。家でも子どもが生まれたばかりで妻とはどうもう...

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2020年12月24日 (木)

「その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い」

著者:ジョディ・カンター&ミーガン・トゥーイー新潮社2020年 数々のヒット作(と良作)を放った映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラと性暴力を報じたNYタイムズ記者によるノンフィクションである。事件そのものだけでなく、いかに取材したかがかなり詳細に描かれている。 匿名でしか話せないという被害者に連絡し、他の被害者を知っていたら紹介してもらい、実名で取材に応じられる者を探し、情報提供者に会うために飛行機に乗り--と大変な努力と周到な準備で記事が準備されたこ...

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2020年12月22日 (火)

ヴァン・ホーヴェ演出作品上映会「じゃじゃ馬ならし」:悲劇の如き君なりき

会場:東京芸術劇場2020年11月6日~8日 本来は演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェが自らの劇団と共に来日して『ローマ悲劇』を上演するはずだったそうな。だがコロナのため公演中止。代わりに過去作品の記録映像を3作上映することになった。私はその中でシェイクスピアの喜劇『じゃじゃ馬ならし』を見た。彼の演出作品は以前に『オセロー』の来日公演に行ったことがある。 思い返すと『じゃじゃ馬ならし』はどうも過去に戯曲を読んだこともなく舞台も見たことがないのに気づいて、事前にあらすじチェックし...

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2020年12月15日 (火)

「シチリアーノ 裏切りの美学」:我が追憶の犯罪

監督:マルコ・ベロッキオ出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノイタリア・フランス・ブラジル・ドイツ2019年 マフィア実話ものであるが、コッポラやスコセッシの米国製とは全く異なる感触の作品。さすが本場イタリアもんは濃い~のなあ 主人公はシチリア島のマフィアの派閥リーダーの一人。抗争のため海外で逃亡生活を送るも、故郷では身近な者が次々と殺される。ここら辺は義理も人情もヘッタクレもなしの殺戮戦(死者数のカウントが画面に出てきて冷汗である[E:#x1F4A6...

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2020年12月 6日 (日)

「フランス・バロック・オペラの栄華」:幻の魔女対決

北とぴあ国際音楽祭2020オペラの楽しみ方 ヴェルサイユ編演奏:寺神戸亮&アンサンブル・レ・ボレアード会場:北とぴあ2020年11月22日 今年の北とぴあ音楽祭では例年通り海外から歌手を招いてリュリのオペラ『アルミード』をやるはずだった。しかしコロナ禍であえなく延期となってしまった。代わりに規模を縮小して、リュリの様々な作品に加えてシャルパンティエやカンプラの曲もまじえて紹介する公演が行われたのであった。オペラだといつも2日間なのだが、今回は1回だけである。 「地獄」とか「...

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2020年12月 3日 (木)

「LORO(ローロ) 欲望のイタリア」:怪人復活

監督:パオロ・ソレンティーノ出演:トニ・セルヴィッロ イタリア2018年DVD鑑賞 ソレンティーノはどうも作風が苦手だけど、以前同じく政治家もので同じくトニ・セルヴィッロ主演の『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』を見たので、今回も蛮勇を奮って鑑賞することにした。主人公は伊首相を計9年間も務めたベルルスコーニ。メディア王にして犯罪疑惑があり、派手なセックススキャンダルにも事欠かない。イタリア事情にうといとどんなヤツだっけ?とピンとこないが、オバマ大統領夫妻(当時)が訪れた時に...

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2020年12月 1日 (火)

「アメリカン・セレブリティーズ」

著者:辰巳JUNKスモール出版2020年 おおっ、私のようなゴシップ大好き人間のための一冊ではないか(*^^)vそう思って読み始めたのだが、最近の米国音楽事情にうとい人間にはちょっと無理があった。登場する名前がレディー・ガガとかマイケル・ジャクソン以外は、多くがよく知らない名前ばかりなんである。最近のR&Bアーティストやラッパーはもとより、キム・カーダシアンみたいにTV番組から有名になったような人については完全お手上げだった。誰?それ(^^?みたいな感じだ。 とはいえ個人に...

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2020年11月23日 (月)

「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」:被害者からの脱出

監督:フランソワ・オゾン出演:メルヴィル・プポーフランス2019年 フランソワ・オゾンがいつもの作風を封印  カトリック教会の聖職者による少年への性的虐待事件(実話)をシリアスに描いたものである。 とある司祭に虐待の被害を受け、数十年経過した後に告発した3人の男性をリレー形式に取り上げている。彼らは社会に広く呼び掛け、被害者団体を作って加害者の司祭だけでなく隠ぺいした教会をも告発するのだった。だが、教会からは無視、社会からの反発など様々な困難が続く。 中年...

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2020年11月21日 (土)

ヘンデル「リナルド」:戦わぬ主人公に勝利はあるか

演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン会場:東京オペラシティコンサートホール2020年11月3日 コロナ禍の中、BCJによる『リナルド』が上演された。指揮は鈴木優人である。神奈川でもやったが、私は初台の方に行った。チケットはだいぶ後に取ったので座席はかなり後ろの方。もちろんオペラグラス持参だ。そもそもは海外から歌手を招くはずだったが、コロナウイルスの影響で全員日本人のキャストとなった。 過去にこの作品を見たのは、NHK-BSで放映されたグラインドボーン音楽祭でR・カーセンが演出...

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2020年11月14日 (土)

「ランド」全11巻

著者:山下和美講談社(モーニングKC)2015~2020年 2014年に連載が始まった『ランド』が遂に終了した。 舞台は江戸時代末期か明治初期ぐらいのように見える農村、そして名主の住む町である。きわめて旧弊で不可解なしきたりや禁忌が存在し、お告げに人々はおびえ、生贄を捧げ、互いを見張っている。実際、「この世」の東西南北にはそれぞれ巨大な異形の神が存在して人々を監視しているのだ。 この世界には老人がいない。住民は50歳まで病にもならず運良く生きながらえるとそこで寿命となって亡...

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2020年11月 9日 (月)

「SKIN/スキン」:チクチク来る

監督:ガイ・ナティーヴ出演:ジェイミー・ベル米国2019年 白人至上主義者の若者の実話だそうである。今なおBLM問題密かに進行中、差別する側に焦点を合わせ密着して描いた本作はまことに時節に合っているといえよう。 冒頭に同じタイトルの短編(アカデミー賞獲得)が併映になってて、先にそれを見ただけでもう倒れそうになってしまった。内容は本編とは異なるのだがあまりにも驚異的な描写である。 その後にさらにプラスして本編2時間弱はヘヴィ過ぎだった。少年の頃に白人至上主義グループのリーダー夫...

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