2021年5月16日 (日)

「ブラックアンドブルー」/「21ブリッジ」:白黒は決着つかず

「ブラックアンドブルー」監督:デオン・テイラー出演:ナオミ・ハリス米国2019年DVD鑑賞 言うまでもなくブラックは肌の色でありブルーは警官の制服の色を示す。故郷の街の役に立ちたいと戻ってきたアフリカ系新人女性警官は、警察と住人の対立の最前線に立たざるを得ない。そして昔の友人からは敵扱いされるのだった。双方に付くことは不可能、どちらかの立場に取らばならないと忠告されて納得いかずモヤモヤしているうちに、身内の警官の不正と犯罪を目撃してしまう。 --と言うの...

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2021年5月 8日 (土)

「一度きりの大泉の話」

著者:萩尾望都河出書房新社2021年 (以下、全て敬称略)発売前の告知だけで少女マンガ界隈が騒然となった手記である。1970年秋から若い少女マンガ家(とその卵やファン)が集ったいわゆる「大泉サロン」については、半ば「伝説」と化していた。近年、竹宮惠子がその時代を回顧した『少年の名はジルベール』(2016年)が出版された。さらにそれをふまえた上で他の資料・記録を検証し他のマンガの動向も合わせてまとめたのが中川右介『萩尾望都と竹宮惠子』(感想はこちら)である。一方、これまで萩尾...

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2021年5月 2日 (日)

古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)5月

「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」5月分を更新しました。←左のサイドバーからご覧ください。実際の開催については必ず事前に確認してください。なお配信については含まれていません。...

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祝!「ランド」手塚治虫文化賞マンガ大賞

なんと山下和美『ランド』(全11巻)が手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した。(ネタバレなし感想はこちら)候補に入っていたことは知っていたが、人気シリーズが複数候補になっているし、内容が内容だけにまず無理だろうと思っていたのでビックリである。(関連記事)ご本人も「驚いて椅子から転げ落ちそうに」なったと言っているぐらいだ。 第一次の選考結果を見ると最下位の5点である(同点が5作品あるが)。票を入れているのは中条省平一人である。それをどうやって上位の『鬼滅』『ネバーランド』と並べて...

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2021年4月29日 (木)

「イタリア~狂熱のバロック歴遊」:上野の森にナポリ弁が朗々と響くのだ

東京・春・音楽祭2021演奏:西山まりえほか会場:旧東京音楽学校奏楽堂2021年4月17日 昨年は中止の憂き目にあったが、今年はコロナ禍でもなんとか開催となったハルサイ。都知事からは都・県境またいで移動することへの自粛要請出てたけど、聞きに行っちゃいました~(^▽^;) 西山まりえが企画構成、解説、さらにチェンバロとバロック・ハープを演奏--と大活躍のプログラムである。17世紀初頭のイタリアバロックが中心でディンディア、モンテヴェルディ、A・スカルラッティの歌曲と共に同時期...

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2021年4月21日 (水)

セルゲイ・ロズニツァ〈群衆〉ドキュメンタリー3選:行列に並べば福来たる

ロズニツァはベラルーシで生まれモスクワの映画大学で学び、現在ドイツ在住の監督である。過去にドキュメンタリー21作、劇映画4作を発表とのこと。日本で彼の作品(比較的最近のもの3作)が一気に初公開された。 「国葬」オランダ、リトアニア2019年 1953年スターリンが亡くなり、赤の広場で国葬が行われた。死の直後から公式映像が撮影されたのだが、なぜかお蔵入りになっていたらしい。残された大量のフィルム37時間分と国営ラジオ局の放送音声からロズニツァが当時の状況を...

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2021年4月14日 (水)

「ウルフウォーカー」/「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」:異種族との接近遭遇

「ウルフウォーカー」(字幕版)監督:トム・ムーア、ロス・スチュワート声の出演:オナー・ニーフシーアイルランド・ルクセンブルク2020年 秀作アニメを生み出すアイルランドのカートゥーン・サルーン長編第4作目である。内容をかなり乱雑にまとめれば、アイルランド版「もののけ姫」といったところか。絵柄が超個性的だ。中世絵画風の立体感なしに描かれる町の遠景や城内。対して森はケルトの渦巻き文様に彩られた生命にあふれている。 舞台は17世紀半ばの英国統治下のアイルランド...

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2021年4月 9日 (金)

「音楽の夜会」:正体不明でも満員御礼

演奏:アンサンブル・クォドリベット会場:近江楽堂2021年3月31日 内容やメンバーについてよく分からないままとりあえず聞きに行ってみた。当日渡されたプログラム見ても詳しいことはほとんど掲載されてない。総勢9人のメンバー名もアルファベットでだけ記されているのみで経歴などもない。わざと最低限のことしか載せなかったとのことである。 テノール兼解説役の話で開始。まずはバッハ作品でチェンバロ、チェロの独奏から始まって段々と人数を増やして器楽アンサンブルへ。そして歌手が加わってヘンデ...

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2021年4月 5日 (月)

「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」/「ラスト・ワルツ」再見:共同幻作

「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」監督:ダニエル・ロアー出演:ロビー・ロバートソンカナダ・米国2019年 ザ・バンドについては完全に門外漢だけど見に行っちゃいましたよ。ロビー・ロバートソンが過去を振り返るドキュメンタリーである。 自らの生い立ちから始まり、ロニー・ホーキンスのバンドに参加、レヴォン・ヘルムと知り合って独立してバンドを結成し、やがてボブ・ディランのツァーでバックを担当する。御存じの通り、このツァーはどこへ行ってもディランがブーイングでヤ...

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2021年3月28日 (日)

「フランスバロックの粋 美の陰影 2」:終焉の暁

演奏:高橋奈緒、福澤宏、山縣万里会場:近江楽堂2021年3月19日 久し振りのコンサートである。この「粋」シリーズ、第1回目がドイツバロックでこれが3回目らしい。私は初めて見参した。(聴参?) ヴァイオリン+ガンバ+チェンバロという王道の組み合わせで、クープランからラモーへ、後期フランス・バロックの道筋をとたどっていくものだった。フランクールという作曲家になるとバロックからロココ調への変化を感じ取れる。そのヴァイオリン・ソナタにフランス革命前の栄光の残滓を受け取れるのであっ...

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2021年3月26日 (金)

「ストレイ・ドッグ」:怒りをこめてぶち壊せ

監督:カリン・クサマ出演:ニコール・キッドマン米国2018年 ニコール・キッドマンがアル中やさぐれ中年刑事になって薄汚れたLAの街を徘徊する。そのやさぐれ度・ヨレヨレ度が中途半端ではない。「え~~っ あのニコールが。うっそーΣ( ̄□ ̄ll)ガーン」という衝撃が発生するほど、まるで別人だ。 しかし、かといって超人的な活躍をするヒーローというわけではない。ひたすら地べたを這いずり回るように捜し歩く。あまりに強引な無法刑事ぶりにはビックリだ。他者も自分も顧みるこ...

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2021年3月21日 (日)

「マーティン・エデン」:進むも後悔戻るも絶望

監督:ピエトロ・マルチェッロ出演:ルカ・マリネッリイタリア ・フランス・ ドイツ2019年 原作は作者J・ロンドンで舞台は米国、それをイタリアに移して映画化したものである。文字もろくに読めぬ無学な船乗りの若者がブルジョワ階級のお嬢様と知り合い、知識と教養を身に付けて変貌していく。作家を志して苦労の末に人気と富を得るが、結局は幸福ではなく虚無にとらわれるというストーリーだ。 港町ナポリを舞台にし全体に古めかしい印象で、見る者がネオレアリズモを想起するような画作りになっている。...

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2021年3月13日 (土)

「大塚直哉レクチャー・コンサート 5 フーガの身体性」:同じバッハなら踊らにゃソンソン

オルガンとチェンバロで聴き比べるバッハの”平均律”出演:大塚直哉、小尻健太会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール2021年2月14日 ついに5回目となったこのシリーズ、今回は平均律第2巻の7~12番である。今年度は異なるジャンルのゲストを呼ぶという趣向で、ダンサー小尻健太が共演だった。この人のことを全く知らなかったが、少し後にさい芸で公演を行うとのこと。これまでのこのシリーズよりも客席に女性や若い人が多かったのは、彼のファンが来ているからのようだった。(なお客席は市松模様で...

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2021年3月 9日 (火)

映画落ち穂拾い ケナしてスマヌ編

映画人が心血注いで作った作品でも詰まらない時がある。万人がほめたたえる映画でも「金と時間を返せ(>O<)」と言いたくなることもある。ケナしてもいいかな(^^?だって超弩級の映画史に残る傑作も、思い出したくもないZ級以下の駄作も、払うお金はみな同じ。面白くなかったら面白くないと言わせてちょーだい。ケナしてゴメンね。 「異端の鳥」監督:ヴァーツラフ・マルホウル出演:ペトル・コトラール チェコ・ウクライナ・スロヴァキア2019年 第二次大戦中、東欧...

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2021年3月 7日 (日)

「小池百合子 権力につかれた女」

ドキュメント東京都知事の1400日著者:和田泰明光文社新書2020年 著者は「週刊文春」の記者だそうである。都庁や都議会の取材を続けているとのことで、あの『女帝』とは異なる観点から描いているのではないかと思って読んだのだが…… 内容は都知事に立候補するあたりからのことだが、大部分が国会の方も巻き込んだ政治家同士の勢力争いなのには驚いた。こんなに勢力争いに力と時間を費やしているのでは、都の政策を立てて計画・実行する暇なんかないのではと思えるほどだ。誰それと...

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