2019年6月23日 (日)

「牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って」

著者:三浦英之小学館2019年 著者は朝日新聞社の記者で2014年からアフリカ特派員だった。その時期のルポルタージュである。 象牙は「サバンナのダイヤモンド」と呼ばれるそうな。1キログラム約20万円で闇取引され中国へ密輸入される。地元の政府職員や高官も抱き込んで組織的に行われ、一部はテロリストの資金にもなっているという。主な消費地は中国に加え日本である。印鑑用だ。日本では既に国内にある物だけを使用しているはずだが、限りなく疑わしい。しかし、密猟を放置すればもはや十数年でアフ...

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2019年6月20日 (木)

音楽と身体その1「ウィーンのリュート音楽」:消えゆく人

演奏:佐藤豊彦会場:近江楽堂2019年5月17日 齢400年 のリュートのグライフ使用、今回のバロックリュートリサイタルは、発売されたばかりのCD「ウィーンのリュート音楽」の収録曲を全曲演奏するものである。CDではギンター→サン・リュク→ヴァイヒェンベルガーという収録の順番だったが、調弦の関係でサン・リュクの方が先になっていた。 ギンターは17世紀末、ウィーン宮廷合唱団のカストラート歌手にしてリュート奏者だったという珍しい経歴の持ち主である。当時カストラー...

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2019年6月17日 (月)

「キャプテン・マーベル」:あなたの掻いた左目が痛い

監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック出演:ブリー・ラーソン米国2019年 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の最後の最後に名前だけ登場して気を持たせたヒーローが満を持して登場である。                      ここにグースのシッポが →しかも巷の噂によると女性でMCUシリーズ最強のパワーだというじゃありませんか 期待大で見に行った。がしかし、これもまた情報量が多くてあっという間に二転三転と話が進む(@_@...

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2019年6月15日 (土)

「バッハ家の音楽会」:息子もよろしく

演奏:エマニュエル・ジラール&大村千秋会場:近江楽堂2019年5月11日 昼と夜の部、それぞれ別内容だったので二つ合わせて感想を書く。昼はチェロ・ピッコロ使用で、バッハの無伴奏チェロの6番。冒頭の低音がガンガンとすごい反響で驚いた。ジラール氏の解説(よく聞き取れなかった)によるとこのチェロは祖母(奥さんのか?)の家にあった桜の木で作ったらしい。トップの飾りは弁天様の顔で奥さんをモデルにしたとか。(と言っていたと思う、多分) そしてチェンバロと共に父バッハの無伴奏から50年後...

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2019年6月13日 (木)

「金子文子と朴烈(パクヨル)」:アナーキー・イン・JP

監督:イ・ジュンイク出演:イ・ジェフン、チェ・ヒソ韓国2017年 私が金子文子に興味を持ったのは、岩波書店のPR誌「図書」でブレイディみかこが連載してた「女たちのテロル」を読んでである。こんな人物がいたのかと初めて知って驚いた。で、もっと詳しく知りたいと思ってご近所の図書館に行って借りたのが、なぜか大逆事件についての本。完全に管野スガと取り違えていたのだった。無知である(+_+)トホホ 時は1920年代初め、「社会主義おでん屋」で働く文子は差別を強烈に描いた朴烈の詩を読んで...

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2019年6月10日 (月)

「バロック・オーボエの音楽 3 フランスの組曲、トリオ、コンセール」:低音の魅力

演奏:大山有里子ほか会場:近江楽堂2019年4月27日 オーボエ奏者の大山有里子を筆頭として4人でオーボエ曲を聞かせるコンサートである。シリーズとしてもう3回目までやってるとは知りませんでした(^^ゞ 他のメンバーはヴァイオリン小野萬里(この日もお衣装が素敵 )、ガンバ矢口麻衣子、チェンバロ岡田龍之介である。サブタイトル通りにフィリドル、オ(ッ)トテールなどフランスの作曲家の作品を編成を変えつつ演奏。 途中の解説で初めて知ったのだが、バロックオーボエは17...

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2019年6月 8日 (土)

「あなたはまだ帰ってこない」:ファントム・オブ・ラブ 死者に繋がれ生きるのなら

監督:エマニュエル・フィンケル 出演:メラニー・ティエリーフランス・ベルギー・スイス2017年 予告や宣伝を見ると、戦争中の夫婦愛を謳う悲劇作っぽいものになっていたが、原作がマルグリット・デュラスとあっては絶対違うだろう(>o<)と行ってみたら、予想通りやはり違っていた。 原作は戦争中の日記や手記をそのまま載せたというだけあって、明瞭な起承転結があるような物語ではない。ナチス占領下のパリで密かに夫と共にレジスタンス活動をしていたデュラスであったが、ゲシュタポに夫...

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2019年6月 4日 (火)

「全ロック史」

著者:西崎憲人文書院2019年 人文書院がロックの本を(?_?) しかもその分厚さたるや510ページである。表紙がソフトカバーだからまだしも、これでハードカバーだったら重くてうかつに持ち歩けない。しかし、読了した\(^^@)/ 読み飛ばしなし、である  もちろん、ちゃんと中身を理解しているかどうかは置いといて(ちょっと自信なし)。 冒頭、ブルースとカントリーの歴史から始まる。これはロック史としては当然のことだろう。その後50年代→60年代と進むが、60年代...

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2019年5月31日 (金)

聞かずば死ぬかも!古楽コンサート 6月版

*2日(日)マリアの賛歌(バッハ・コレギウム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール*  〃  ゴルトベルク変奏曲(アンサンブル音楽三昧):近江楽堂  5日にも公演あり*4日(火)上尾直毅チェンバロリサイタル 十七世紀フランス鍵盤音楽とその周辺:近江楽堂  中止です*6日(木)テオルボとの対話(ヴォクス・ポエティカ):近江楽堂*14日(金)パーセル・プロジェクト3 様々なアンセム(青木洋也ほか):日本福音ルーテル東京教会*19日(水)...

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2019年5月29日 (水)

バッハ「マタイ受難曲」:新兵器の効果を見よ

演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール2019年4月13日 今年度のBCJマタイ東京公演はオペラシティで2回も開催する大盤振る舞い(それだけ人気があるということだろうが)。そのほぼ一週間前に埼玉公演があったので、そちらの方に行った。会場が小さいので間近に聴けるのがよい。 実際、迫力は十分すぎるほどだった。合唱は当然だが、正面奥に特注 新兵器の中型パイプオルガンが設置されてデンと控えて、厚みのあるサウンドを作り出して効果を発...

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2019年5月27日 (月)

「ちいさな独裁者」:上官は思いつきでものを言う

監督:ロベルト・シュヴェンケ出演:マックス・フーバッヒャードイツ・フランス・ポーランド2017年 全員悪人--とまでは言えないが、少なくとも全員善人にあらず、という恐ろしい内容である。第二次大戦も末期、ドイツ軍はもう敗走状態。逃亡兵たちが食料を求めて農家の納屋に忍び込んで強奪。一方、農民たちも負けてはいない。泥棒を発見したら容赦なくブチ殺すのであった。 そんな若い兵士の一人が広野をさまよううちに捨てられた軍の車と将校の制服を発見。たまたま着ていたところ、別の兵士に将校と勘違...

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2019年5月20日 (月)

「17世紀ヴェネツィアの音楽」

A.グランディとその周辺演奏:メディオ・レジストロ会場:近江楽堂2019年4月3日 以前スペインもののコンサートを聞き逃していたので、今度こそと行ったら今回は久しぶりに原点に戻ってイタリアものをやるということであったよ(+_+) サブタイトルにある通り、グランディという作曲家の宗教歌曲が3曲、他にモンテヴェルディの作品も。グランディは16世紀末に生まれ、ヴェネツィアで活躍したらしい。またフォンターナやマリーニなど同時代作曲家の器楽曲が交互に演奏された。 メディオ・レジストロ...

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2019年5月18日 (土)

「ゼフィール 春の嵐」:花見ならぬ花聞きの宴

2017年度青山音楽賞バロックザール賞受賞記念演奏会演奏:アンサンブル・レ・フィギュール会場:JTアートホールアフィニス2019年3月31日 4人組グループ、以前聞いたコンサートが、バロックザール賞というのを取ったので、同じくCT歌手のポール=アントワーヌ・ベノス・ジアンをゲストに招いて記念コンサートを行った。本番は翌日の京都公演で、東京でも記念にやったようだ。(ハードスケジュールですな) 時節に合わせて、春っぽいカンタータ中心。フランスはブルジョワの「ゼフィール(春の西風...

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2019年5月16日 (木)

「女王陛下のお気に入り」:コート・オブ・ジェラシー 愛さないの愛せないの

監督:ヨルゴス・ランティモス出演:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズアイルランド・米国・イギリス2018年 アカデミー賞に9部門大量ノミネートされて話題となったこの映画、どんなもんかと見に行った。予告では正統的な歴史物かと思えたのだが……。 やっぱり変な映画でした~!(^^)! グリーナウェイの名前が挙がっていたけど、確かにそれっぽい雰囲気あり。衣装とか美術がかなりリキが入って見事なの本格的史劇っぽいが、全体にはシニカルで史実をおちょくったような感じ...

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2019年5月10日 (金)

「甘い死の弓矢」:ボールペンなしでもアンケートは書ける

演奏:福島康晴ほか会場:近江楽堂2019年4月26日 「イタリア・バロック音楽の世界vol.3」とあってもう過去に2回やっていたらしいのだが、全く知らなかった。今回も数日前に知って(チラシなど全く見かけなかったので)あわててメールで予約した次第だ。 福島氏の他はバロックギター・テオルボ高柳義生、コルネット・バロックギター・テオルボ(さらに歌も!)笠原雅仁、ガンバ・リローネ武澤秀平という顔ぶれだった。 17世紀初めに活躍したサラチーニという作曲家(初めて聞きました!)の歌曲を中...

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