2017年4月23日 (日)

バッハ「マタイ受難曲」:劇的と静寂のはざま

演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン 会場:彩の国さいたま芸術劇場 2017年4月15日 恒例のBCJの受難曲公演、さいたま芸術劇場でやる時はいつも、オペラシティの本公演ではなくこちらを選んでいる。中規模の会場で音響もいいのだ。 それでも、座席自体は端や後方しか取れないのが常だが、今回はなんとほぼ真ん中の座席をゲットできた。ヤッタネ(^○^) 満員御礼で追加席も出たくらい。運が良かったgood 周囲に騒音を立てる者もいず、前席に背の高いヤツもいないという、理想的な鑑賞環...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月15日 (土)

ミュージアム・コンサート「ティツィアーノとヴェネツィア派展」記念コンサート3:花より宴会、コンサート

演奏:太田光子ほか 東京都美術館講堂 2017年3月31日 恒例、桜の季節を中心に上野で一か月間に渡り行われる「東京・春・音楽祭」である。 この日はタイトルの美術展に合わせてのコンサートの一つだ。昼間開催なので、休みを取って行きましたよ。 プログラムの趣旨はティツィアーノがいた同時代のヴェネツィアで活躍した作曲家たちの作品である。合唱曲や世俗歌曲もあるが、それらをすべてリコーダー・アンサンブルで演奏する。最多数は8人、当時の大聖堂でのように4声部ずつで2組に分かれる。 個人的...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月 9日 (日)

「哭声/コクソン」:恐怖の三択

監督:ナ・ホンジン 出演:クァク・ドウォン 韓国2016年 國村隼が出演し男優賞を受賞して話題となった韓国製ホラー。あまりにも話題なので行ってみた。 ひなびた山村で一家殺戮という猟奇的な殺人事件が起こる。犯人はその家族の一員で、さらに他所で殺された別の男の死体も一緒に見つかる。毒キノコを食べたための錯乱が原因という結論になるのだが、山の奥の小屋に住みついてる謎の日本人がどうも怪しいという噂が広がるのだった。 そのうち新たな一家の殺戮事件がおこり、さらに主人公である警官の小学生...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月 2日 (日)

「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」:凡庸ならざる悪

監督:ラース・クラウメ 出演:ブルクハルト・クラウスナー ドイツ2016年 近年「アイヒマン」ブーム到来(?_?) というわけでもなかろうが、アイヒマン関連の映画がまた一つ。これはあの裁判の前日譚である。あの裁判に至るまでは実は大変な困難があったのだpunchという実話だ。 1950年代の末、フランクフルトで鬼検事長である主人公が、戦犯アイヒマンがアルゼンチンにいるというタレこみの手紙を受け取る。だが、検察や政界もナチの残党がいるので妨害され逮捕できない。 インターポ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月 1日 (土)

「MEMENTO MORI 古楽の夕べ」:死人に口なし、耳はあるか

第20回国際音楽学会記念演奏会 演奏:大塚直哉ほか 会場:東京藝術大学奏楽堂 2017年3月21日 国際音楽学会というのが開催されているというのは知らなかった。何年に一度やるのかは知らないが、この年は藝大が開催側ということなのだろう。で、学会には全く関係ないけど、チケットは一般に売られていたので、その記念コンサートに行ってまいりましたよ。 タイトルの「メメント・モリ」が示すように、死にまつわる古楽を特集したもので、演奏は古楽科、声楽科、卒業生を中心にしているとのことである。 ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 4月版

cherryblossomと言ってもさしたることなく過ぎていくようです。 *5日(水)ミュージアム・コンサート「東博でバッハ」35(大塚直哉):東京国立博物館 あの大塚先生が上野でゴルトベルクをheart02 *6日(木)「バベルの塔」展プレ・コンサート 1(ソフィオ・アルモニコ):東京都美術館講堂 *7日(金)ゼンフルとヴァルター ルター時代の教会音楽(ベアータ・ムジカ・トキエンシス):東京中央教会 *14日(金)La Belle Danse ルイ14世の...

» 続きを読む

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年3月27日 (月)

王妃マルゴとジャンヌ・ダルク

しばらく前に萩尾望都の『王妃マルゴ』第5巻(集英社)と山岸凉子の『レベレーション -啓示-』第2巻(講談社)が前後して刊行された。 扱っている時代は異なるとはいえ、同い年の二人がフランスを舞台にした歴史物(しかも宗教がらみの)を同時に描いているというのは興味深いことである。 『マルゴ』では遂にサン・バルテルミーの虐殺が勃発。プロテスタント側の死体がゴロゴロと……。 たまたま1995年のフランス映画『王妃マルゴ』をケーブルTVでやっていたので見てみたら、似ている場面がかなりあっ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月25日 (土)

アカデミー賞授賞式をようやく見終わったぞ

今年のアカデミー賞授賞式、WOWOWで当日放送された字幕版を録画してチビチビと見ていたのだが、ようやく見終わった。 いつも映画祭や音楽賞の授賞式の類を録画するのだが、どれも長時間なので最後までたどり着かず途中で見るのをやめてしまうのがほとんどである。 メリル・ストリープのスピーチが話題になったゴールデングローブ賞も録画したが、結局力尽きて消去してしまった。 しかし、アカデミー賞は最後の作品賞発表でハプニングがあって、ニュースにもなった。それを目指してなんとか見ることができたの...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

バッハ・コレギウム・ジャパン第121回定期演奏会:ルターの流れは絶えずして

教会カンタータ全曲シリーズ71 会場:東京オペラシティ コンサートホール 2017年3月11日 今回は宗教改革500周年記念と連動したルター500プロジェクトの3回目。 前半ではルターからバッハへの流れを辿る--ということで、同じコラール「平安と喜びをもって、私は逝こう」に基づいた曲が、ヴァルター→プレトリウス→シュッツと演奏され、最後はバッハの同名カンタータBWV125となった。バロック声楽曲の発展史をたどっているようでもある。 冒頭合唱からして複雑なアレンジでフルートとオ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月19日 (日)

「沈黙 -サイレンス-」:わたしが・棄てた・神

監督:マーティン・スコセッシ 出演:アンドリュー・ガーフィールド 米国・イタリア・メキシコ2016年 スコセッシが遠藤周作の『沈黙』の映画化を熱望しているという話を耳にしたのは十数年前だろうか。しかしその話は立ち消えになったり復活したり……その度に出演者として上がる名前も変わっていったように記憶している。 ロケ地がニュージーランドから台湾に変更されたのも、途中で大物プロデューサーが手を引いてしまったかららしい。大変である。 その間に彼は雇われ仕事作品の『ディパーテッド』でオス...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月12日 (日)

ヘンデル「デイダミーア」:英雄、色よりも戦いを好む

主催:日本ヘンデル協会 音楽監督・演出:原雅巳 会場:東京文化会館小ホール 2017年2月25日 毎年お馴染みの日本ヘンデル協会のオペラ・シリーズ。前回行ったのは2015年の「フラーヴィオ」であった。 今回はヘンデル先生最後のオペラと銘打たれた「デイダミーア」である。なんと客の入りが悪くて3回しか上演されず、これ以降はオラトリオへと活動を移したという因縁の作品なのであった。 これまでと同様、登場人物はヘンデル先生時代の衣装を着けてジェスチャー付きで歌う。大西律子をコンミスとし...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月 5日 (日)

「ブルーに生まれついて」「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」:吹く前に吸え!

*「ブルーに生まれついて」 監督:ロバート・バドロー 出演:イーサン・ホーク 米国・カナダ・イギリス2015年 *「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」 監督:ドン・チードル 出演:ドン・チードル 米国2015年 誰でも思わず比較してしまうこの2本、同時期に活躍した有名なジャズ・ミュージシャンを取り上げたものである。生涯を描く「伝記」形式ではなく、特定の数年間を切り取って描く手法も似ているという--。偶然としたら驚きだが、製作年が同じなのでどちらかがパ...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年3月 4日 (土)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 3月版

花粉の季節がやってまいりました~(> <) *4日(土)チェンバロの魅力5(大塚直哉):神奈川県民ホール小ホール *5日(日)室内楽の楽しみ アンネ・フライターク氏を迎えて(木の器):近江楽堂 *8日(水)フックスとその周辺(リクレアツィオン・ダルカディア):近江楽堂 *12日(日)ソプラノとオルガンによるチャリティコンサート(野々下由香里ほか):神田キリスト教会 行ってみたいが、電話かけるのが面倒な私(^^ゞ *17日(金)「ティツィアーノとヴェネツィア派展」記...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月25日 (土)

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」:安全でも楽じゃない

監督:ギャヴィン・フッド 出演:ヘレン・ミレン イギリス2015年 ケニアにいるイスラム過激派(イギリス国籍)のテロリストを捕えるために、イギリスが主導して米国、現地政府軍と共同作戦を立てる。 現地以外はすべてそれぞれ自国から指令を下し、無人戦闘機で遠隔操作の爆撃を行うというものだ。 舞台は四つに分かれる。ヘレン・ミレン扮する大佐が自宅から出勤して計画を遂行する英国の基地、それを見守るアラン・リックマンの国防相と政治家たちがいるロンドン、そしてドローンを操作するネバダの米軍基...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月18日 (土)

「愛のかけら」:バレンタインにカンタータの贈り物

演奏:アンサンブル・レ・フィギュール 会場:近江楽堂 2017年2月14日 パリ在住の若手日本人演奏家4人によるグループの公演。これで3回目である。過去の感想はこちらとこちら。 過去の2回はソプラノの高橋美千子と共演だったが、今回は本場フランスの若手のカウンターテナー、ポール=アントワーヌ・ベノス・ディアンが登場である。 声質はどちらかというと、あまりキンキンしてなくて女声のコントラルトっぽい印象を受けた。 カンタータは前半がN・ベルニエという作曲家で後半がクレランボーを取り...

» 続きを読む

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«「ヒトラーの忘れもの」:君よ知るや地雷の国