2019年3月22日 (金)

「ルベルとルクレール」:31年分の変遷

趣味の融合の申し子たち 演奏:天野寿彦ほか 会場:近江楽堂 2019年2月26日 タイトルになっているこの二人、フランスバロックのコンサートでは付け合せみたいな感じで登場することが多く、なかなか単独で主役を張る機会はない。かなり珍しいプログラムと言えるだろう。 編成はヴァイオリン2(もう一人は吉田爽子)、ガンバ(平尾雅子)、チェンバロ(辛川太一)である。 ルベルはクープランとほぼ同年代で、ルクレールはその31歳年下、もはやバロックのどん詰まりの世代という差がある。 二人...

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2019年3月16日 (土)

ナショナル・シアター・ライヴ鑑賞記

最近、行ってみたNTLの感想をまとめて書く。 芝居の収録というと昔のNHKの「劇場中継」みたいのを思い浮かべるが、昨今は進化していて、中には映画もどきのカメラワークのものもある。収録を前提にして演出した部分もあるんじゃないか(その上演時だけ?)と思ったりして。 実際の観劇では、役者の顔をアップで見たり、座席とは異なる位置から見ることは出来ないのだから、果たしてそれでよいのか。これも良し悪しだろう。 *「ジュリアス・シーザー」 観客参加型(?)演劇で、フロアで立ち見の客がロ...

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2019年3月10日 (日)

「ビュークルズ・アンサンブル」:ハプニングとチョコレート付き

会場:武蔵野市民文化会館小ホール 2019年2月14日 →こちらはマスタークラスのチラシです。 前日の近江楽堂に続きまたも笛2本登場する公演に行った。--というより、たまたま連チャンで行ったらここにもダブル笛が という感じだった。 主役のパトリック・ビュークルスは30年間に渡りコレギウム・ヴォカーレ・ゲントの首席フルート奏者を務めているというベテランである。 そのアンサンブルは同じくベテランのチェンバロ奏者エリザベート・ジョワイエ、ガンバのロミナ・リュ...

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2019年3月 6日 (水)

「縦と横のファンタジア」:縦横笛尽の大活躍

演奏:ジャック・アントワーヌ・ブレッシュほか 会場:近江楽堂 2019年2月13日 ハルモニア・レニスはリコーダー水内謙一、チェンバロ村上暁美の二人組ユニットで、過去に彼らが参加したコンサートは「コレッリへのオマージュ」、「シェイクスピアの春夏秋冬」を聞いたことがある。いずれもひと工夫ふた工夫した面白い内容だった。 今回はヨーロッパで活躍中のブレッシュを招いてのコンサート。彼はフルートとリコーダー両方をこなす、そう、両笛使いの演奏家だったのだ 彼...

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2019年3月 1日 (金)

「ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン」:譜面台下がるも熱気は落ちず

会場:武蔵野市民文化会館 2019年2月13日 →こちらは紀尾井ホール公演のチラシです。 今人気上昇中カウンターテナーのヴァレア・サバドゥス……といっても、実は全然知りませんでした(^^ゞ なのに、何故このコンサート行く気になったかというとコンチェルト・ケルンを聞きたかったから。以前、ギエルミ・アンサンブルの公演に出て目立っていた平崎真弓がコンミスなのである。 しかも、もう一人いるコンマスが急病(インフルエンザらしい)で来日できず、彼女一人で仕切るということに。 録音で...

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2019年2月28日 (木)

聞かなきゃ損々!古楽コンサート 3月版

またも面白そうなコンサートがバッティング多数。何とかしてくれい。 *3日(日)祈りのカンタータ(バッハ・コレギウム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール *  〃  ひまな日曜日4 リュートデュオの楽しみ(つのだたかし&瀧井レオナルド):松明堂音楽ホール *6日(水)謎解きバロック2 テレマン(宇治川朝政ほか):近江楽堂 *14日(木)レオナルド・ダ・ヴィンチと音楽(アントネッロ):豊洲シビックセンターホール ♪レクチャーあり *16日(土)涙のきらめき 17世紀ザ...

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2019年2月20日 (水)

「ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー」:成功と醜聞は表裏一体

監督:ケヴィン・マクドナルド イギリス2018年 ホイットニー・ヒューストンといっても、活躍してた当時は歌手としてはあまり関心がなく、ラジオやMTVでよくかかっていたのを漠然と聞き流していた程度だった。 個人的には音楽面より映画『ボディガード』の出演がハマリ役で印象が強い。ただ、ケビン・コスナーの方が株の上昇度は大きかったかも(人気が決定的となった)。 従って、その後のスキャンダル(夫のB・ブラウンがらみ)や2000年代に入ってからの凋落ぶり、さらには突然の死についてもあ...

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2019年2月15日 (金)

「J.S.バッハ その音楽と歓び」:フルート、叱られる

18世紀音楽祭協会ファイナルコンサート 演奏:アンネリース・ファン・グランベーレン 会場:東京文化会館小ホール 2019年2月10日 18世紀音楽祭協会は福岡で「福岡18世紀音楽祭」から始まり「おぐに古楽音楽祭」「福岡古楽音楽祭」を開催してきたという団体。この度、三十年もの活動を終了することになり、その最終公演が東京、翌日に福岡で行われた。 内容はバッハ特集。ほぼ満員だった。自由席だったので開演30分以上前から長蛇の列となり、大ホールの方の開演時刻も重なってごった返して...

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2019年2月12日 (火)

「ディザスター・アーティスト」:ノー・カット! 駄作も行き過ぎれば客が来る

監督:ジェームズ・フランコ 出演:ジェームズ・フランコ 米国2017年 DVDにて鑑賞。 米国に『ザ・ルーム』(2003年)なる映画あり。「史上最低の映画」と評されて笑いのネタとなり、映画マニアに愛されている駄作だそうだ。 この映画は『ザ・ルーム』がいかに作られたかを描いたもので、実話を元にしたコメディである。 こちらは極めて評判良く、ゴールデン・グローブ賞の作品賞にノミネート、監督兼主演のジェームズ・フランコは男優賞をゲットした。他にも放送批評家協会賞も取ったということ...

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2019年2月 8日 (金)

「メアリーの総て」:美女と怪物 天才と俗物

監督:ハイファ・アル=マンスール 出演:エル・ファニング イギリス・ルクセンブルク・米国2017年 言わずと知れた「フランケンシュタイン」の作者メアリー・シェリーが、作品を生み出すまでの物語。といっても執筆したのは18歳 (これでホラーとSFの元祖な小説を書くとは大したもん)という若さなので、その描かれている年数自体は短い。 ここでの若きメアリーはヒラヒラした長い金髪で、墓地で墓石に寄りかかって夢見るように文章をノートに綴る--と、これぞ文系女子の憧れを...

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2019年2月 4日 (月)

「音楽と美術の幸せな結婚 3」:チェンバロの裏も金次第

大塚直哉レクチャー・コンサート・シリーズ 絵の中にとらえられた響き--ブリューゲルが描いた《聴覚》:「ブリューゲル展」の名画と音楽 会場:よみうり大手町ホール 2019年1月25 このシリーズも3回目、今回はトークのゲストは山田五郎、演奏者はオーストリア出身でリコーダーのラファエラ・ダンクザークミュラー、ガンバ西谷尚己であった。 テーマのブリューゲル展は郡山の美術館で開催されているとのこと。ブリューゲル一族の特集--といっても、一番有名なピーテル1世の絵画の出品はないそ...

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2019年2月 2日 (土)

「恐怖の報酬 オリジナル完全版」:デンジャラス・ロード 爆走!トラック野郎は止められない

監督:ウィリアム・フリードキン 出演:ロイ・シャイダー 米国1977年 「短縮版」の方は××年前に、多分レンタルビデオで見た。その後、オリジナルのクルーゾーの方も借りて見て、やっぱりクルーゾー版には負けてるなと思った記憶がある。しかし、あまりに昔なのでよく覚えていない(^^ゞ それが今になって「完全版」の出現である。監督に無断で30分もカットされていたのをようやく元に戻せたのだという。その長さ121分 それぞれヤバイ案件で自国から逃げ出した4人の男が、南米...

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2019年2月 1日 (金)

聞いて損なし!古楽コンサート 2月版

聞いて損なし!古楽コンサート 2月版 矢のように1月は過ぎて行ってしまいました *3日(日)迷宮 ヴィオラダガンバとチェンバロとチューバと踊り(平尾雅子ほか):ロバハウス *6日(水)生と死の傍らに(コンティヌオ・ギルド):日本福音ルーテル教会 *10日(日)J.S.バッハ その音楽と歓び(18世紀音楽祭協会):東京文化会館小ホール *13日(水)ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン:紀尾井ホール ♪11日に武蔵野公演あり *  〃   縦と横のファン...

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2019年1月23日 (水)

「贖罪の街」上・下巻

著者:マイクル・コナリー 講談社文庫2018年 刑事ボッシュ・シリーズの18作目である。 前作の事件で定年前にロス市警から停職処分を受けて、ただ今係争中のボッシュ。異母兄弟の弁護士ハラーから冤罪とおぼしき案件を調査を頼まれる。しかし弁護士側の調査員になるのは、元警官としては最も軽蔑されることとされていた。 悠々自適の毎日を送ろうと決心したはずが、目の前に事件をぶら下げられて揺らぐ主人公である。 「向こう側」へ渡るか渡るまいか最後まで悩むが、事件が俺を呼んでいる、いや自分...

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2019年1月22日 (火)

「諸国の人々」:ワンオペ受付出現

演奏:石橋輝樹ほか 会場:近江楽堂 2019年1月6日 今年最初のコンサートはこれだった。 タイトルだけ見ると「今年もまだまた続くよクープラン 」みたいな印象だったが、実際のプログラムを見ると、クープランは最後に一曲のみ(といっても長いけど)で、マラン・マレを3曲に他はリュリ、ボワモルティエなどフランスバロック名曲選といった趣だった。 演奏者は4人、フルートの石橋輝樹、野崎真野の若手組とガンバ品川聖、リュート佐野健二のベテラン組の合体アンサンブルという感...

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«「バーバラと心の巨人」:ウサ耳付けても心はホラー