2019年1月23日 (水)

「贖罪の街」上・下巻

著者:マイクル・コナリー 講談社文庫2018年 刑事ボッシュ・シリーズの18作目である。 前作の事件で定年前にロス市警から停職処分を受けて、ただ今係争中のボッシュ。異母兄弟の弁護士ハラーから冤罪とおぼしき案件を調査を頼まれる。しかし弁護士側の調査員になるのは、元警官としては最も軽蔑されることとされていた。 悠々自適の毎日を送ろうと決心したはずが、目の前に事件をぶら下げられて揺らぐ主人公である。 「向こう側」へ渡るか渡るまいか最後まで悩むが、事件が俺を呼んでいる、いや自分が事件...

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2019年1月22日 (火)

「諸国の人々」:ワンオペ受付出現

演奏:石橋輝樹ほか 会場:近江楽堂 2019年1月6日 今年最初のコンサートはこれだった。 タイトルだけ見ると「今年もまだまた続くよクープランnotes」みたいな印象だったが、実際のプログラムを見ると、クープランは最後に一曲のみ(といっても長いけど)で、マラン・マレを3曲に他はリュリ、ボワモルティエなどフランスバロック名曲選といった趣だった。 演奏者は4人、フルートの石橋輝樹、野崎真野の若手組とガンバ品川聖、リュート佐野健二のベテラン組の合体アンサンブルという感じだっ...

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2019年1月17日 (木)

「バーバラと心の巨人」:ウサ耳付けても心はホラー

監督:アンダース・ウォルター 出演:マディソン・ウルフ 米国・ベルギー・イギリス・中国2017年 原作はグラフィック・ノベルとのこと。 海辺の町に住む孤独な少女が、迫りくる巨人とたった一人で戦う。ただし、その巨人は彼女にしか見えないらしいのだが……。 これってモロに『怪物はささやく』ではないですか(!o!) 映画は見てないが原作を読んだ。 『怪物』の方は主人公の少年は小学生高学年ぐらい?だったと記憶しているが、そのあたりの年齢なら巨人を信じていても納得できるが、こちらは高校生...

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2019年1月16日 (水)

「大貫妙子 Welcome to my garden 2018」

会場:キリスト品川教会グローリア・チャペル 2018年12月18・19日 二日目の19日の方に行ってきました~(^^)~  通常のアコースティック・コンサートでの常連、金子飛鳥率いる弦楽カルテットに加え、サックス四人組トルヴェール・クヮルテットもゲスト出演でクリスマスらしく豪華度アップであった。サックス四本というは初めて聞いたが、なかなかの迫力だった。 個人的には「幻惑」を久しぶりに聞けた(多分)のも嬉しかったflair 最後の曲が終わった後の拍手の中で、なんとター坊...

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2019年1月13日 (日)

モンテヴェルディ「ウリッセの帰還」:神々の長ーい時間

北とぴあ国際音楽祭2018 指揮:寺神戸亮 演出:小野寺修二 会場:北とぴあ さくらホール 2018年11月23・25日 モンテヴェルディのオペラ、『ポッペア』や『オルフェオ』は生で過去に何回か観たがこの演目は初めてである。 セミ・ステージ方式ということで、オーケストラは舞台の上に乗っている。もっともその配置はかなり変わっていて、基本、弦と管が分かれて左右奥に不均衡に並んでいる。その間を縫うように歌手が現われて前方で歌と演技をするという次第(第2幕では配置が変わる)。一番奥に...

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2019年1月11日 (金)

「ブルーバード、ブルーバード」

著者:アッティカ・ロック ハヤカワ・ミステリ2018年 黒人テキサス・レンジャー(当然、極めてまれな存在)を主人公としたサスペンス・ミステリ。 舞台となるのは二つの人種が緊密に隣り合うテキサス州の田舎町である。常に接触はしていても混ざり合うことはほとんどない。そんな軋轢の最前線と言える。 河に流れ着いた二人の男女の死体が、主人公の捜査に伴ってその内実をさらけ出す。双方の人種の、互いの愛情と憎悪がもはや表裏一体となっていることを。分かれているのに別れがたい。 その境界ギリギリの...

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2019年1月10日 (木)

バッハ「クリスマス・オラトリオ」:暮と正月同時体験

演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン 会場:彩の国さいたま芸術劇場 2018年11月24日 BCJの「クリオラ」はこれまで2回聴いた。第4部と、5部を省略して演奏した時と、さらにその以前に年末と新年に2回分けてやった時(まだ米良氏がいた頃)である。 今回はその2回分を一度にやるということで、盆と……じゃなくてクリスマスと正月が同時に来たようなプログラムである。当然、普段のカンタータ公演よりも時間が長くなって、15時開演なのが終わった時には夜となっていた。 オペラシティ公演もあっ...

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2019年1月 5日 (土)

「2001年宇宙の旅」IMAX版鑑賞記

国立映画アーカイブでの70mm版は見事チケットを取り損ねたので、代わりにIMAX版を見に行った。大きなスクリーンで見られるのもこれで最後かもと思ったのである。以前に行ったのは多分10年ぐらい前の新宿プラザでの最終上映だった。 実はIMAX自体、見るのが初めて。確かにスクリーン巨大だし、本編前にかかった予告の映像を見ると、鮮明だし立体感もかなりのもんだ。 事前にスクリーンに対して画面の比率はどうなるのか、などという論議があったが(設定によって端が欠けてしまう)、タテヨコ比はほぼ...

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2019年1月 1日 (火)

今こそ聞くべき!古楽コンサート 1月版

また新しい年が来てしまいました。メデタクないpunch *6日(日)諸国の人々(石橋輝樹ほか):近江楽堂 *  〃  イタリアの香り(向江昭雅&平井み帆):近江楽堂 *7日(月)サンマルコ広場の音楽(リクレアツィオン・ダルカディア):近江楽堂 *10日(木)根本卓也チェンバロリサイタル フーガの技法:近江楽堂 *14日(月)ヘンデル オラトリオ「ソロモン」(ヘンデル・フェスティバル・ジャパン):浜離宮朝日ホール *24日(木)魂の響き旋律の鼓動(高橋美千子ほか):近江...

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2018年12月31日 (月)

後悔と停滞の2018年

2018年は暇(&気力)がなくて映画の3割ぐらいとコンサートの一部はブログに書けなかった。困ったもんであるよ。 ブログといえば、よく読みに行ってた他の人のブログが幾つも突然消えてしまう案件が続いて驚いた。長いこと更新なしというわけでもなく、何の前触れもなく消滅というパターンである。(最悪、死亡という可能性もあるが、そんな何件も起こらないよね) アクセス数が低下という理由だろうか。それだったらこちらのブログなんて超低空飛行過ぎて、果たして読んでる人がいるのか(?_?)というぐら...

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「ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI」:嵐を呼ぶガンバ

フォリアとカナリオ~旧世界と新世界 会場:浜離宮朝日ホール 2018年11月22日 前回はケルトものプログラムで来日したサヴァール、今回は16世紀スペインの宮廷で奏でられた舞曲を取り上げた。 前半と後半、カルロス5世時代とその息子フェリペ2世の時代と分けている。登場するはフォリア、パッサメッツォ、グラウンド、ファンダンゴ、カナリオなどなど。南米で採譜された曲もあるとのこと。 メンバーはサヴァールに加え、お馴染みアンドルー・ローレンス=キング、ヴィオローネのハビエル・ブエルタス...

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2018年12月26日 (水)

「僕の帰る場所」:ロスト・ボーイ 幻の故郷

監督:藤元明緒 出演:カウン・ミャッ・トゥ 日本・ミャンマー2017年 若い監督の第1作目。実話に基づいて日本で難民認定申請中のミャンマー人家族を描く。夫婦と息子二人の4人家族で、そのうち母親と二人の子どもは実際の家族だという。4人とも役者としては完全に素人でそのままの役柄で起用している(劇中の名前も同じ)。 夫は民主化活動が原因で日本に亡命してきたため帰国はできず、密かに不法就労で生活費を稼ぐしかない。しかし不安定な生活ゆえ、妻の方はウツウツとして毎日を過ごすのだった。 遂...

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2018年12月22日 (土)

「Vox Poetica(ヴォックス・ポエティカ)詩的な声」

会場:ハクジュホール 2018年11月15日 ヴォックス・ポエティカはソプラノ佐藤裕希恵とリュート&テオルボ瀧井レオナルドの二人組ユニット。これまで欧州で活動していたが、日本に帰国&移住(瀧井氏は日系ブラジル人3世とのこと)を記念してコンサートを行った。 前半はモンテヴェルディやストロッツィなどの歌曲とド・ヴィゼーを始めとするテオルボの独奏曲を交互に。 簡潔にして清楚な中から静かに情念が流れ出す。瀧井氏のテオルボは繊細の極みで、これ以上大きな会場だったら絶対無理ngと...

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2018年12月18日 (火)

「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」

著者:デイヴィッド・グラン 早川書房2018年 米国の先住民保留地での殺人--というと映画『ウインド・リバー』を思い浮かべるが、この本は1920年代初めが発端となる。オクラホマで起こった不可解な事件を取り上げたドキュメンタリーである。 オセージ族という部族の、ある年老いた母親とその娘たちが殺人・事故・病気などで亡くなっていく。それを発端として彼女たちだけではなく、白人の配偶者や関係者までも不可解な死や事故に至る。果たして関連はあるのか? 重要なのは、オセージ族が非常に裕福であ...

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「運命は踊る」:冥土の道にも検問あり

監督:サミュエル・マオズ 出演:リオル・アシュケナージ イスラエル・ドイツ・フランス・スイス2017年 前作「レバノン」はなかなかの衝撃作だったので、期待して行った。 三幕物みたいな構成になっている。 冒頭、兵役(イスラエル軍)に行っている息子が死亡したという通知を両親が受け取る。いきなり母親が倒れて、それ以後の場面は見てて非常に気分が悪いものだった。 通知を持ってきたのも若い軍人なのだが、ぶっ倒れてヒクヒクしている母親を勝手に寝室に引きずっていく(どうして寝室の位置が分かる...

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