2018年10月20日 (土)

「J.S.バッハ 音楽の捧げもの」:最大の謎は終わらない

演奏:寺神戸亮ほか 会場:ヤマハホール 2018年10月13日 土曜の昼間、人波溢れる銀座にてコンサート。プログラムは寺神戸亮を中心とした「音楽の贈りもの」である。他は前田りりこ、上村かおり、曽根麻矢子という面子。 事前には明記されてなかったが、以前、「フーガの技法」を聞いた時と同様、ほとんどレクチャーコンサートと言っていいほどだった。ステージの奥の壁に楽譜映して解説もしたしkaraoke ただし、一曲目は同じく王様に捧げられた曲ということで、クープランの「王宮のコン...

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2018年10月16日 (火)

「秋のソナタ」:マザー・アンド・ドーター 恩讐のかなた

監督:イングマール・ベルイマン 出演:イングリッド・バーグマン、リヴ・ウルマン スウェーデン1978年 「ベルイマン生誕100年映画祭」の上映作品の一つ。イングリッド・バーグマンの遺作としても有名である。 早い話が母娘激突の物語である。しかし、どうも不自然な部分が幾つか見受けられる。監督はあまり整合性とか気にしないで脚本書いたのだろうか(?_?)と思ってしまった。 田舎町に夫と共に暮らすリヴ・ウルマン扮する娘が、有名なピアニストである母親(バーグマン)を自分の家に招く。しかし...

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2018年10月14日 (日)

「文字渦」

著者:円城塔 新潮社2018年 何やら文字についての妄想を連ねたような連作小説集である。 ある時、漢字は物や人そのものであったり、遺伝情報のように組み合わせを変えて全く別のものに変化したり、漢字同士が闘ったりもする。文字の歴史を遡り、どれほど先か分からぬほどの未来の姿を見る章もある。 またある時は、本文に対しルビがレジスタンスを企てたり、文字が地層のように集積したり(字層?)、遂には横溝ミステリーのようなオドロオドロな殺人事件ならぬ殺字事件まで起こるのだ。 かと思えば、大量の...

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2018年10月10日 (水)

「ROMEO&JULIETS ロミオとジュリエットたち」:五重人格、ならぬ五倍人格

演出振付:金森穣 出演:Noism1+SPAC 会場:彩の国さいたま芸術劇場大ホール 2018年9月14日(金)~16日(日) どうもダンスの公演は苦手なのである。見ていると「ダンサーのこの動きの意味はなんなのだ?」なぞと考え始めてしまい、目の前のステージに集中できない。音楽を聞いている時はそんなことにならないのだから、多分受容しているのが右脳と左脳(どっちがどうなのか忘れた)、部位が異なるのであろう。 しかし、この公演はSPACも出ていて「劇的舞踏」と銘打たれているのだから...

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2018年10月 7日 (日)

「インクレディブル・ファミリー」:男女ヒーロー活躍機会均等法

『Mr.インクレディブル』は当時見たものの、あまり積極的に面白いと思わなかった。何でだろう(?_?) この度続編をやるというので、レンタルで見直してみた。そうしたら、前よりも面白く感じたじゃあないですか。 ということで14年ぶりの新作を見に行ったのだった。 多くの人が同様の感想を述べているように、冒頭がなんと前作の終わりからそのまま続いているのには驚いた。街中で暴れまくってヒンシュクを買い、結局「ヒーロー暮らしはつらいよ」状態で、こそこそとモーテル暮らしに。 しかし、捨てる神...

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2018年10月 5日 (金)

「謎解きバロック 1 ヘンデル」:上から目線にも負けず

主催:木の器 会場:近江楽堂 2018年9月14日 宇治川朝政と福間彩コンビの新企画はレクチャーコンサートである。講師は藤原一弘、ゲスト演奏者はヴァイオリンの廣美史帆。 昼夜2回の開催で、私は昼の方に行った。 まずは「リナルド」の序曲から開始。その後は曲の前にレクチャー、という形式で進んだ。曲はそれぞれの楽器と通底によるソナタ、チェンバロ独奏、ラストは全員でトリオソナタだった。 レクチャーは楽譜を壁に投影させて詳しく解説するという本格的なもの。曲ごとに音階や調性、和音など注目...

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2018年10月 3日 (水)

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」:男と女の間には山より高いネットがある

監督:ヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン 出演:エマ・ストーン、スティーヴ・カレル イギリス・米国2017年 テニスに縁のない私は「キング夫人」の名前に記憶はあっても、こんな「男女対決」あったとは知らず。 時は1973年、現役女子テニス・トッププレイヤーと、昔は有名でした感あふれる元男子チャンピオン(55歳)の対決。この二人のスポーツ・ネタでグイグイ攻めていくのかと思っていたら、予想に反してそうではなかった。 前段として、女子選手の報酬額が非常に低いのに抗議して、キン...

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2018年10月 2日 (火)

なぜ私は真正面からでなく、斜め上からブルース・コバーンを見るはめになったのか

ブルース・コバーンが9月末の週末に来日すると知ったのは、ピーター・バラカンのFM番組でだった。しかも、チケット発売から一か月も経ってからである。放送時にリアルタイムで聞けずに録音しといたのを後で聞いたために後れを取ってしまったのだ(^^ゞ。 彼の来日はもうないと思っていたのでビックリした。70歳過ぎという年齢もあるが、そもそも彼のアルバムは多分10年以上は国内盤が出ていない。それより前でも出たり出なかったりという状態(もちろん輸入盤では入手できた)。知名度は低いだろう。 ブル...

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2018年10月 1日 (月)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 10月版

大荒れの台風typhoonで開幕です。 *6日(土)上村かおり無伴奏リサイタル:石橋メモリアルホール *7日(日)ナイトミュージアム バロックチェロの魅力(懸田貴嗣):菊池寛実記念 智美術館 *12日(金)バッハ 音楽の捧げもの(寺神戸亮ほか):所沢市民文化センターミューズ キューブホール ♪13日にヤマハホール公演あり *14日(日)スペインバロックの舞曲と歌(マリア・クリスティーナ・キール&クリシュナソル・ヒメネス):聖グレゴリオの家 *17日(水)クピドのまなざ...

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2018年9月30日 (日)

「スパイナル・タップ」:バンドあるある

監督:ロブ・ライナー 出演:クリストファー・ゲスト 米国1984年 あの伝説のロック映画が今、初の正式公開!ということで見てきた。もっともソフトでは出ていたらしい。 今でいう「モキュメンタリー」、疑似ドキュメンタリーの走りで、英国のバンドの米国ツァーを取材するという体裁を取っている。もっともらしく、バンドの歴史やインタビューも登場。 監督のロブ・ライナーも実際に監督役で顔を出している。 元々は地元の友人同士のフォーク系(?)デュオが、時代に即して姿を変え、その後ビートルズ風→...

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2018年9月27日 (木)

「秘めたる悲しみ ド・ラ・リューの世俗音楽」:美しき非モテな歌

ピエール・ド・ラ・リュー没後500年記念コンサート 演奏:相川郁子ほか 会場:近江楽堂 2018年9月7日 今年はクープラン祭りfujiと思っていたら、なんとルネサンス期のピエール・ド・ラ・リューも没後500年ということだった。 この作曲家は2枚ぐらいCD持ってたかなー、などと思いつつ夜の回の方へ行った。 編成は歌手4人はいいとしても、ルネサンスフルート4、コルネット(ツィンク)、サックバット(トロンボーン)、ガンバ各1という珍しい……というか、今まで聞いたことのない...

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2018年9月24日 (月)

「ザ・ビッグハウス」:見えない所に真実はあり

監督:想田和弘ほか 米国・日本2018年 想田監督のドキュメンタリー、過去に見たのはこちら→(『精神』、『Peace ピース』、『選挙2』) この度のテーマは米国文化の華ともいえるフットボールである。ただ、いつもと異なるのは、大学の授業として学生たちを含めて総勢17人で撮影したということだ。フットボールの試合という取材場所は同じでも、どこに目をつけるかはそれぞれの撮影者次第なのである。(ただし編集は想田監督) ということで、単にスポーツの試合というだけでなく、多面的に対象が浮...

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2018年9月17日 (月)

「大塚直哉レクチャー・コンサート J.S.バッハ”平均律クラヴィーア”の魅力」:素人からマニアまでビックリの弾き比べ大会

ポジティフ・オルガンvsチェンバロその1 会場:彩の国さいたま芸術劇場 2018年9月2日 近年、チェンバロやオルガンの普及活動に励む大塚直哉、さいたま劇場でレクコンサートがあるというので行ってきました。 自由席なんで、開場時間に行ったら長い行列ができててビックリ(!o!) いくらチケット代2000円とはいえ、こんなに人気があるとは意外である。日曜の昼間だから? なんと配布のプログラムの数が足りなくなってしまうという事案も発生だ。 ポジティフ・オルガンは劇場所有のもので、それ...

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「名盤レコーディングから読み解くロックのウラ教科書」

著者:中村公輔 リットーミュージック2018年 以前とあるバンドのアルバムを順に聞いてて、4枚目以降がどうも気に入らなくなってしまった。しかし、メンバーも曲調もアレンジも何も変化はないし、これといった欠点も見つからない。一体何が違うのか。何度聞いても分からないのである。だが、何かが異なる。 そして、唯一の違いはプロデューサーが変わったことだった。 このよく分からない変化はサウンド(漠然とした意味の)にあるのではないか--と感じたことから、この本を録音とか機材などは全く無知なの...

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2018年9月13日 (木)

「ルイ14世の死」:実録・あの人の最期は

監督:アルベルト・セラ 出演:ジャン=ピエール・レオ フランス・ポルトガル・スペイン2016年 ルイ14世が病床に就き臨終を迎えるまでの数週間を、ジャン=ピエール・レオがひたすら演じ続けるというので話題になった作品である。 冒頭以外はずっと王の寝室と控えの間ぐらいしか登場しない。彼はほとんど寝たきりで、半分眠っているかごく少量の食事を取るぐらいしかしない。 周囲には侍従や医者たちがいて、たまにマントノン夫人や王太子などが見舞いに現れては消えるぐらいだ。 そういう点ではかなり退...

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