2025年11月 7日 (金)

マドリガルコメディ「パルナソスの山巡り」:イタリア方言事情

作:オラツィオ・ヴエッキ演奏:ラ・フォンテヴェルデ会場:ハクジュホール2025年10月31日 最近、コンサートというと雨に降られているような気がする。この日も大雨であった。そういえば、前回ハクジュホールに来た時も雨だった。 前半20分は松本直美による詳しい解説で開始、後半の1時間が実演というものだった。そもマドリガルコメディとは何かというと、伝統的な即興喜劇コメディア・デラルテを題材に作曲し声楽アンサンブルで構成したものということでいいのかな。歌手による台詞もあり。 ストー...

» 続きを読む

| |

2025年11月 1日 (土)

「聴かずに死ねるか! 古楽コンサート」今月は休止

諸般の事情により、2025年11月分の「聞かずに死ねるか! 古楽コンサート」は休止とさせていただきます。来月分から復活しますので、その時は何卒よろしくお願いいたします_(._.)_...

» 続きを読む

| |

2025年10月11日 (土)

今月中は休止状態

ただでさえ更新が遅れまくっている当ブログですが、諸般の事情により10月中は休止状態になります。よろしくお願いしますm(__)m...

» 続きを読む

| |

2025年10月 9日 (木)

「磔の地」

著者:ジェイムズ・リー・バーク(吉野弘人 訳)新潮文庫2025年 お懐かしや刑事ロビショー・シリーズが復活した!彼が暮らすルイジアナ、かつて組合運動家が惨殺されるという事件が起こり二人の遺児は児童施設へ送られた。しかもその現場を父親と共に発見したのは少年時代のロビショー自身である。歳月が経ち、遺児たちが戻ってきた。姉は気鋭の社会派フォトジャーナリスト、弟は映画監督として--。これで何も起こらないわけがない。 主人公の危惧の通り、事態は徐々に転がり始めて留まることはない。何か...

» 続きを読む

| |

2025年10月 1日 (水)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2025年10月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。 *3日(金)楽器が語る信仰のことば(マドリガーリ・アルモニオージ):カトリック築地教会*4日(土)ラメント 哀しみの音の肖像(宮崎賀乃子&曽根田駿):スペース415*7日(火)名無しのリュート音楽(坂本龍右):ムジカーザ*12日(日)もっと知りたい!もっと聴きたい!テレマン6 1700年代ラ...

» 続きを読む

| |

「シンシン/SING SING」「カーテンコールの灯」:幕が下りてから幕が上がるまでの間

「シンシン/SING SING」監督:グレッグ・クウェダー出演:コールマン・ドミンゴ 米国2023年 アカデミー賞主演男優賞候補シリーズ5作目(過去記事で数え間違いしていました(^^ゞ)。悪名高きシンシン刑務所で演劇による更生プログラムに取り組む男たちを描く映画である。出演者のほとんどが自らを演じる受刑者という虚実合わせた配役--撮影に参加しているということは正確には「元受刑者」ということだろう。(ただし主役のコールマン・ドミンゴを除く)生まれついての悪...

» 続きを読む

| |

2025年9月23日 (火)

「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」:混迷と友情

監督:バーセル・アドラー、ユヴァル・アブラハーム、ハムダーン・バラール、ラヘル・ショールノルウェー・パレスチナ2024年 場所はバレスチナのヨルダン川西岸地区。ここでの4年間(2019年~2023年10月)を当事者の立場から描くドキュメンタリー。「入植」という理由を付けて、イスラエル側の暴力はとどまることがない。家を破壊、井戸をコンクリで埋める。皆で建てた学校をぶち壊す--などなど。活字メディアの記事などで読んだことはあるが、見ると読むでは迫力違いである。やはり文字よりも映...

» 続きを読む

| |

2025年9月19日 (金)

特集・放課後生活その3「ウィキッド ふたりの魔女」

監督:ジョン・M・チュウ出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ米国2024年 原作本や舞台版について全く知らずに見に行った。魔法の国の学園に入学した二人の対照的な少女あり(でもルームメイトになる)。エルファバへの無視やいじめの状況は先日見た「Playground/校庭」と重なってウツになる。その後は怒涛の展開で押しまくり音楽もガンガンと響いて、面白いけど見てて少しくたびれた。情報量が多過ぎて歌をじっくり解釈する余裕もない。 意外だったのはグリンダのキャラクターだ。家柄...

» 続きを読む

| |

2025年9月17日 (水)

特集・放課後生活その2「Playground/校庭」

監督:ローラ・ワンデル出演:マヤ・ヴァンデルベックベルギー2021年 ベルギーのフランス語圏(?)の小学校が舞台。きっと苦しい話だろうなと予想して見に行ったら、やはり終始一貫してつらかった。小学校に入学する女の子、行くのがイヤでメソメソして兄や父と離れられない。やがてようやく友達ができて慣れてくるが、見たくない兄の姿を目撃してしまう。 少女だけに常にカメラの焦点を合わせ、他のものはぼやけている(「サウルの息子」に影響受けたって?)。「謝罪」の場面では起こっていること自体はス...

» 続きを読む

| |

2025年9月14日 (日)

特集・放課後生活その1「クラブゼロ」

監督:ジェシカ・ハウスナー出演:ミア・ワシコウスカオーストラリア・イギリス・ドイツ・フランス・デンマーク・カタール2023年 裕福な子弟が通う私立高に来た新任の教師。彼女による栄養学のクラスが「意識的な食事」から始まり遂には「不食」へと暴走していく。若者の抱く親への不満や現状へのいらだちが、食欲という人間の基本的欲求の拒否という形になって噴出するのだった。 制服や教師の服装などファッションの配色が独特だ。ハイソが過ぎてイヤミに近い生徒の家、装飾のない直線的な学校建築、いずれも...

» 続きを読む

| |

2025年9月 8日 (月)

「影の軍隊」:地上波の罠

監督:ジャン=ピエール・メルヴィル出演:リノ・ヴァンチュラフランス・イタリア1969年 この映画を見るのは5回目ぐらいだろうか? ギャングものはどうも好きじゃないのでこれ以外のメルヴィル作品は見たことがない。若い頃、というか子どもの頃、地上波TV放送で数回見たが2時間枠だと実質70~80分間ぐらいか。当然編集しまくりになり「ボス」についてのエピソードが丸々カットされていた。 それを知ったのは後にレンタルビデオで初めて全編(140分)を見た時である。個々のエピソードが団子状に連...

» 続きを読む

| |

2025年9月 7日 (日)

「教皇選挙」:神か亀か

監督:エドワード・ベルガー出演:レイフ・ファインズ米国・イギリス2024年 アカデミー賞主演男優賞候補シリーズ4作目。主人公は創業2000年!世界各地に支店を持つ巨大企業の中間管理職。なんと社長が急死という事案が起こり、早いとこ新社長を決めねばならなくなる。自薦他薦候補者乱立し、各派閥入り乱れて足の引っ張り合い。創業者(イエスの弟子ペテロとのこと)の理念は今どこに行ってしまったのでありましょうか。 「奴は駐在員時代に……」「不正経理の証拠が出てきたとか」「あんな辺鄙な場所に...

» 続きを読む

| |

2025年8月30日 (土)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2025年9月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。 *1日(月)バッハ ヴァイオリンとチェンバロのための音楽(若松夏美&大塚直哉):ルーテル市ヶ谷ホール*6日(土)コラールカンタータ300年 7(バッハ・コレギウム・ジャパン):調布市文化会館たづくりくすのきホール*7日(日)ソナトーリ・デル・フォンテゴ演奏会 ソナタ、シンフォニア、コンツェル...

» 続きを読む

| |

2025年8月29日 (金)

「コレッリ ヴァイオリンとヴィオローネもしくはチェンバロのためのソナタ作品5全曲演奏会(前編)」:長いタイトルはSNSに書ききれない問題

演奏:鷲見明香、懸田貴嗣、平井み帆会場:今井館聖書講堂2025年8月17日 コレッリはそれまでトリオ・ソナタを四集出してきたが、作品5はヴァイオリン独奏によるソナタ集だった。しかしチェロ(チェンバロ)の役割は大きく、時としてヴァイオリンと対等に書かれているという。 このプログラムでは「前編」として奇数番号が付いている作品を演奏。即興の自前装飾音でガシガシ弾き進む鷲見明香に、懸田貴嗣のチェロが絡み、平井み帆の鍵盤が支える。重層的で汗が飛び散りそうな勢いのある、大変聞きごたえの...

» 続きを読む

| |

2025年8月25日 (月)

「ヒプノシス レコードジャケットの美学」:音楽が消えた後もデザインは残る

監督:アントン・コ-ビンイギリス2022年 アントン・コービンのモノクロ画面でヒプノシス作品を見てもしょうがないだろと一瞬思った。しかし実際はアルバム・ジャケットの部分だけカラーだった(また面倒くさいことを……)。 ヒプノシスは60年代末から活躍したデザイン・チームで、特にピンク・フロイドのジャケットで一世を風靡。バンドの周囲に集まる若者たちの中に、天才と呼ばれる男とその才能に引きつけられたカメラマン。二人の出会いから全盛期そして破綻までの経緯が描かれるのと交互に、その代表...

» 続きを読む

| |

«「ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた」:天才少年と呼ばれてはみたものの