2026年10月 1日 (木)

「大統領のケーキ」:渡る世間は怪しい大人ばかり

監督:ハサン・ハーディ出演:バニーン・アハマド・ナーイフイラク・米国・カタール2025年 広告やチラシを見ると「実話から生まれた感動作」とか「思いがけない大冒険」などとある。隣国イランではかつて子どもを主人公にした感動作が幾つかヒットした。それにあやかろうと思ったのではないかというウワサだ。だが、実際見てみるとそのような「ほのぼの」イメージとは縁遠いものだった。嘘とまでは言わないが、全然違~う まあ宣伝する側としてだましてでも客を入れたいというのは分かる...

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聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2026年10月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。 *3日(土)ラウテージによるアシジの聖フランシスコ 帰天800年記念コンサート(杉本ゆりほか):聖グレゴリオの家*3日(土)・4日(日)バッハ マタイ受難曲(アントネッロ):川口総合文化センター・リリア音楽ホール*8日(木)Muffat et Biber 平和と協調を紡ぐ音楽(アンサンブル・...

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2026年9月24日 (木)

「ジェイムズ・ブッカー 愛すべきピアノ・ジャンキー」:○○○の貸し借りは友情の証し

監督:リリー・キーバー出演:ジェイムズ・ブッカー米国2013年 片目で黒人でゲイでヤク中アル中統合失調症--という天才ミュージシャンの生涯をたどるドキュメンタリーである。しかしそもそもなぜ彼がなぜ片眼を失ったのかというところから、うさん臭い諸説が飛び交う。 半ば伝説化している人物だが、怪しい伝聞よりも確かなのは残された演奏映像を見れば誰もがその天才ぶりに納得するだろう。まあでも、天才の常とはいえこんな人物が身近にいたら大変だ。彼はクラシックからジャズ、ブルースなどあらゆるジ...

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2026年9月21日 (月)

「トイ・ストーリー5」(字幕版):たとえ「∞」になろうとも

監督:アンドリュー・スタントン声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン米国2026年 遂に5作目に突入……だが「蛇足」とまでは言わないけれど「スピンオフ」とか「番外編」という言葉が頭をよぎるではないか。いわばお茶っ葉を出して出し尽くした後にまだ「もう一杯いけるかなー」と急須にお湯を注いでみる印象である。出がらし感ありまくり。 今回の主役はジェシー。今いる家の少女ボニーの部屋に新たに子ども向けタブレットが導入される。オールドなおもちゃたちは見向きもされなくなってしまう。この新た...

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2026年9月12日 (土)

「シンプル・アクシデント/偶然」:愛国者は誰か

監督:ジャファル・パナヒ出演:ワヒド・モバシェリフランス・イラン・ルクセンブルク2025年 去年のカンヌでパルムドールを獲得。メデタイ!とはいうものの、このパナヒ監督の新作はこれまで常にあった苦くて脱力系のユーモアが中盤には出てきはするが、全体的に見れば影を潜めていると言えるだろう。 かつて不当に投獄された男が収容者たちを虐待した看守を偶然に発見する--といっても目隠しされていたからそいつの顔は分からない。だが、主人公は衝動的に捕まえて監禁してしまう。でも本当にその看守本人...

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2026年8月31日 (月)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2026年9月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。 *4日(金)パレストリーナへの道 16世紀ポリフォニーの変容、祈りに変わるマドリガーレ(マドリガーリ・アルモニオージ):カトリック築地教会聖堂*  〃  知られざる名曲を求めて6 スペイン・ルネサンスの鍵盤詩人 カベソンとその時代(アントニオ・カルダーラ記念アンサンブル):品川区立五反田文化...

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2026年8月30日 (日)

「オールド・オーク」:炭鉱旗の下に

監督:ケン・ローチ出演:デイヴ・ターナーイギリス・フランス・ベルギー2023年 高齢のケン・ローチが最終作宣言して作った本作、彼らしい誠実さに溢れた映画だといえるだろう。舞台は2016年のイングランドの古い炭鉱町。不景気もあって、長年に渡る鬱憤が吹き淀んでいる。政府の政策で空き家に難民が送り込まれていきつつある。バスに乗ってやってくる難民に地元住民たちが不審も露わに差別的言辞を投げつける。これは今や日本でも似たような事が起こっている。 周囲の住人の憩いの場所(というか酒を飲...

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2026年8月23日 (日)

「落下音」:曖昧な母

監督:マーシャ・シリンスキ出演:ハンナ・ヘクトドイツ2025年 今期最大の恐怖、といっていい映画だった。ドイツの農村地帯に立つとある家、そこで四つの異なる時代の住人たち、少女とその家族の存在が脈絡なくスイッチして描かれる。よほど注意深く見ていないとどれがどの時代やら混乱してしまうだろう。 時代順にみると、第一次大戦下・1940年代・1980年代(東西冷戦下)・現代となる。三つ目までは同じ一族だが、「現代」は廃屋となった家に越してきた家族が住人だ。いずれの時代も少女が中心とな...

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2026年8月10日 (月)

「絞首台のある庭 私立探偵マニー・ムーン」

著者:リチャード・デミング(田口俊樹 訳)新潮文庫2026年 原著は1952年刊。義足の私立探偵のシリーズ2冊目が早くも出版された。一作目は中短編集だったのでこちらもてっきりそうだと思って読み始めたら、どうもテンポが違う。「ん?これってもしかして長編では」で、よくよく見たら帯にちゃんと「シリーズの初長編」と書いてあるじゃないですか。トホホである。 長編とはいえ密度が濃い。資産家一家の邸宅で不吉な事件が次々と起こる。狙いは莫大な額の遺産の相続人か。エラリー・クイーンかヴァン・...

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2026年8月 1日 (土)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2026年8月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。 *1日(土)かくも美しく珍妙な楽譜たち 中世の写本とルネサンスの絵画から(メネストレッロ):今井館聖書講堂*2日(日)チェロの誕生!ボローニャ&モデナ ドメニコ・ガブリエッリ(懸田貴嗣): 今井館聖書講堂*5日(水)PRISM consort of viols CD発売記念...

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2026年7月29日 (水)

「大塚直哉レクチャーコンサート第14回 《フランス組曲》は本当にフランス風!?」:踊りたい時に踊れ

会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール2026年7月5日 この日は「フランス組曲」特集。舞曲を集めた組曲ということで、ゲストは古典舞踏の市瀬陽子だった。オルガンとチェンバロで交互に演奏しながら、まず舞踏譜の歴史という基本のキから解説していく。 ただ、バッハの書いたフランス舞曲はダイレクトには踊れないよね的なところがあるということで、彼のフランス趣味の面から深ーく踏み込んで分析するものだった。折角の市瀬氏がゲストであったが、バッハが踊るためにこれを作曲したとは思えない、と考えて...

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2026年7月23日 (木)

「そして彼女たちは」:兄弟仲良く映画を作る、手本は

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ出演:バベット・ファベークベルギー・フランス2025年 あまり期待しないで見たが、ダルデンヌ兄弟は腐っても(腐ってないけど)ダルデンヌ兄弟であった。 映画の舞台は様々な問題を抱えた若い母親のための施設だ。どのくらい若いかというと未成年で、多くは家庭に問題があり母親とは仲が悪いか疎遠である。あるいは薬物依存などの問題を抱える者もいる。そもそも自らの家族や自分自身について不全感を抱いている。なにせ彼女たち自身がまだ子どもな...

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2026年7月 4日 (土)

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」:異星人と共に幾年月

監督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー出演:ライアン・ゴズリング米国2026年 原作は昨年入院中に読んだ。その時にあまりの楽観主義に頭がクラクラしたが、映画版を見るとさらに楽観的な度合いが強まっていた。まあ巨額の予算をかけて映像化するのだから悲観主義とか暗~い話は避けたいだろう。それよりも『2001』の引用があからさまなのに驚いた。(他にも引用があるのかもしれないが分からず) 圧迫上司でグイグイ迫ってきてコワいはずのストラットがいい人になってたり、逆にロッキーが手先の...

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2026年7月 1日 (水)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2026年7月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。 *3日(金)ナポリの栄華を辿って(イ・フィラトーリ・ディ・ムジカ):ホテルグランドアーク半蔵門*5日(日)大塚直哉レクチャー・コンサート フランス組曲は本当にフランス風!?(市瀬陽子):彩の国さいたま芸術劇場*  〃  渡邊順生チェンバロ音楽シリーズ バッハ 7つのトッカータ:今井館聖書講堂...

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2026年6月19日 (金)

「決断するとき」:ギュイとつかんだ手

監督:ティム・ミーランツ出演:キリアン・マーフィアイルランド2024年 アイルランドで修道院によって運営されていた女子矯正施設あり。その実態は若い女性を虐待してこき使ったりしていたという。実際、シネイド・オコーナーは母親にこういう場所に放り込まれていたらしい。(その影響は後々まで彼女を苦しめたようだ)で、この事実とタイトルからすると当然キリアン・マーフィーがそれを勇ましく告発をする話かと思ったのだが……。 映像は終始、主人公の沈鬱な表情を描く。一体何を悩んでいるのかよく分から...

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