2019年7月19日 (金)

「たちあがる女」:アイスランディック・ソウル 不屈の闘い

監督:ベネディクト・エルリングソン出演:ハルドラ・ゲイルハルズドッティル アイスランド・フランス・ウクライナ2018年 「変な映画」は数あれど、それにプラスして面白いというのはあまりない。しかし、このれがまさにそうであった。こんな映画を生み出したアイスランド恐るべし。 表の顔は中年女性、アマチュア合唱団の指導者。しかしてその実体は--環境を守るため破壊工作に日夜はげむコードネーム「山女」であったのだ!疾きこと風の如し、矢を放っては送電線をぶっ壊し、大地や風の動きで追っ手を素早...

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2019年7月15日 (月)

「クリスチャン・ボルタンスキー lifetime」:墓無き者に

会場:国立新美術館2019年6月12日~9月2日 ボルタンスキー50年間にわたる活動の大回顧展来たる! 元々、単品では日本でも紹介されることの多かったアーティストだが、その性質上まとまっては見ることが出来なかった。過去に東京都庭園美術館で中規模の展覧会は行われている。(その感想はこちら)外は暑くてムシムシしている日だったが、中は冷房が効いていてかなり涼しい。上着持ってくればよかったというぐらい。最初に観覧者を迎えるのは初期作品の映像だが、まともに見て(聞いてると)ゲゲエとな...

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2019年7月12日 (金)

「G.Ph.テレマン ターフェルムジーク 食事を楽しむ音楽」:食べる前に吹け!

シリーズ「フルートの肖像」15 演奏:前田りり子ほか会場:近江楽堂2019年7月6日 前田りり子が主催するシリーズ、過去に皆勤とは言えないが半分は行ってるかな。一日二回公演でこの日は夜の方を聞いた。今回はタイトル通りにテレマンの「ターフェルムジーク」からフルートの入っている曲を演奏する。この曲集は有名だが、よくよく考えるとまとめて演奏会で聞くことは滅多にない。りり子氏解説によると元々「食卓の音楽」というのは、王侯貴族の来客をおもてなしするための音楽のジャンルであって、食堂の隣...

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2019年7月 7日 (日)

音楽三昧2019「ゴルトベルク変奏曲」:バッハ30変化

演奏:アンサンブル『音楽三昧』会場:近江楽堂2019年6月2日・5日 このグループは5人の器楽アンサンブル。過去にバッハの鍵盤曲を器楽用に編曲して演奏したCDを2枚出しているが、この度「ゴルトベルク」も出したので発売記念公演をやった。過去にはこちらを聞いたことがある。 私は2日の方に行った。折しも裏番組ならぬ裏公演としてお隣のオペラシティコンサートホールではBCJをやっていた。しかしほぼ満員だった。 構成は前半で短く「イタリア協奏曲」をやった後、休憩後に「ゴルトベルク」イッ...

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2019年7月 5日 (金)

音楽と身体その4「トッド・ラングレン THE INDIVIDUALIST TOUR」:失われた情熱を求めて

会場:すみだトリフォニーホール2019年5月22日 トッドのコンサートはかなり前に3回(多分)行ったことがある。ただし、そのうち1回は中止になってしまった。当日知らずに(まだネットがない時代)仕事早退きして渋谷まで行ったら「中止」の張り紙があったとゆう……(=_=)近年も彼は何回か来日しているが、今回のツアーは過去のヒット曲満載 らしいということで、久し振りに行ったのだった。 会場はクラシックやアコースティック系専用のホールだと思っていたのだが、最近はロ...

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2019年7月 3日 (水)

音楽と身体その3「我らの人生のただ中にあって/バッハ無伴奏チェロ組曲」:動かざること……

出演:ローザス、ジャン=ギアス・ケレス会場:東京芸術劇場プレイハウス2019年5月18・19日 そもそもこれを見に行こうと思ったのはチェロのジャン=ギアス・ケラスが生演奏をするというのを知ったからである。ベルギーのダンスカンパニーであるローザス--名前は聞いたことがあるぐらいだったが、この公演の広告をたまたま見たらチケット七千円じゃありませんか(!o!) ケラスの単独公演でも下手するとこの値段ぐらい取られそうなのに、さらに最先端のダンスとの合わせ技というのなら超お買い得であ...

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2019年7月 1日 (月)

音楽と身体その2「アレッサンドロ・スカルラッティのレスポンソリウム」:光と声の空間

演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団会場:神田キリスト教会2019年5月18日 福嶋康晴率いるエクス・ノーヴォ室内合唱団、今回の定期演奏会は父スカルラッティの宗教曲である。当時は人気オペラ作曲家であり、他には器楽曲などがよく知られるが、宗教曲となると録音でも耳にしたことは少ない。さらにコノレスポンソリウムは対位法重視の古い様式で書かれていて、日本ではほとんど演奏されたことがないそうだ。 レスポンソリウムは聖書のテキストによる典礼のための厳密な音楽で、三日間に渡って聖書朗読と共に...

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2019年6月30日 (日)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 7月版

ジメジメジメ……この湿気の後には猛暑が控えているのでしょうか(=_=; *1日(月)パーセルの一日 テオルボと歌う楽しみ(波多野睦美&瀧井レオナルド):近江楽堂*6日(土)フルートの肖像15 テレマン ターフェル・ムジーク(前田りり子ほか):近江楽堂*7日(日)大塚直哉レクチャー・コンサート2 「フーガ」の苦しみと喜び:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール*8日(月)Vanitas イタリアルネサンスの不協和的情感(アンサンブルXENOS):大森復興協会*9日(火)ナポリのサルヴ...

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2019年6月29日 (土)

ルース・ベイダー・ギンズバーグ祭り「ビリーブ 未来への大逆転」&「RBG 最強の85才」

「ビリーブ 未来への大逆転」監督:ミミ・レダー出演:フェリシティ・ジョーンズ 米国2018年 85歳にして米国の現役最高裁判事、女性では史上二人目だというルース・ベイダー・ギンズバーグ。その人生をたどる。法律家を志し名門ハーバード大学院に入学するも、なんと当時の女性の割合は0.1パーセント以下。しかし、家事が彼女より得意な夫と共に家庭を築きつつ首席で卒業。だが、どこの法律事務所も女を雇ってはくれなかったのである……。仕方なく大学の教員業に。 伝記ものの問...

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2019年6月23日 (日)

「牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って」

著者:三浦英之小学館2019年 著者は朝日新聞社の記者で2014年からアフリカ特派員だった。その時期のルポルタージュである。 象牙は「サバンナのダイヤモンド」と呼ばれるそうな。1キログラム約20万円で闇取引され中国へ密輸入される。地元の政府職員や高官も抱き込んで組織的に行われ、一部はテロリストの資金にもなっているという。主な消費地は中国に加え日本である。印鑑用だ。日本では既に国内にある物だけを使用しているはずだが、限りなく疑わしい。しかし、密猟を放置すればもはや十数年でアフ...

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2019年6月20日 (木)

音楽と身体その1「ウィーンのリュート音楽」:消えゆく人

演奏:佐藤豊彦会場:近江楽堂2019年5月17日 齢400年 のリュートのグライフ使用、今回のバロックリュートリサイタルは、発売されたばかりのCD「ウィーンのリュート音楽」の収録曲を全曲演奏するものである。CDではギンター→サン・リュク→ヴァイヒェンベルガーという収録の順番だったが、調弦の関係でサン・リュクの方が先になっていた。 ギンターは17世紀末、ウィーン宮廷合唱団のカストラート歌手にしてリュート奏者だったという珍しい経歴の持ち主である。当時カストラー...

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2019年6月17日 (月)

「キャプテン・マーベル」:あなたの掻いた左目が痛い

監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック出演:ブリー・ラーソン米国2019年 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の最後の最後に名前だけ登場して気を持たせたヒーローが満を持して登場である。                      ここにグースのシッポが →しかも巷の噂によると女性でMCUシリーズ最強のパワーだというじゃありませんか 期待大で見に行った。がしかし、これもまた情報量が多くてあっという間に二転三転と話が進む(@_@...

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2019年6月15日 (土)

「バッハ家の音楽会」:息子もよろしく

演奏:エマニュエル・ジラール&大村千秋会場:近江楽堂2019年5月11日 昼と夜の部、それぞれ別内容だったので二つ合わせて感想を書く。昼はチェロ・ピッコロ使用で、バッハの無伴奏チェロの6番。冒頭の低音がガンガンとすごい反響で驚いた。ジラール氏の解説(よく聞き取れなかった)によるとこのチェロは祖母(奥さんのか?)の家にあった桜の木で作ったらしい。トップの飾りは弁天様の顔で奥さんをモデルにしたとか。(と言っていたと思う、多分) そしてチェンバロと共に父バッハの無伴奏から50年後...

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2019年6月13日 (木)

「金子文子と朴烈(パクヨル)」:アナーキー・イン・JP

監督:イ・ジュンイク出演:イ・ジェフン、チェ・ヒソ韓国2017年 私が金子文子に興味を持ったのは、岩波書店のPR誌「図書」でブレイディみかこが連載してた「女たちのテロル」を読んでである。こんな人物がいたのかと初めて知って驚いた。で、もっと詳しく知りたいと思ってご近所の図書館に行って借りたのが、なぜか大逆事件についての本。完全に管野スガと取り違えていたのだった。無知である(+_+)トホホ 時は1920年代初め、「社会主義おでん屋」で働く文子は差別を強烈に描いた朴烈の詩を読んで...

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2019年6月10日 (月)

「バロック・オーボエの音楽 3 フランスの組曲、トリオ、コンセール」:低音の魅力

演奏:大山有里子ほか会場:近江楽堂2019年4月27日 オーボエ奏者の大山有里子を筆頭として4人でオーボエ曲を聞かせるコンサートである。シリーズとしてもう3回目までやってるとは知りませんでした(^^ゞ 他のメンバーはヴァイオリン小野萬里(この日もお衣装が素敵 )、ガンバ矢口麻衣子、チェンバロ岡田龍之介である。サブタイトル通りにフィリドル、オ(ッ)トテールなどフランスの作曲家の作品を編成を変えつつ演奏。 途中の解説で初めて知ったのだが、バロックオーボエは17...

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