2018年7月19日 (木)

「ミサ・ムンディ 祈りの歌、祝いの歌」:歌う門には神来たる

演奏:セコンダ・プラティカ 会場:日本福音ルーテル東京教会 2018年7月11日 セコンダ・プラティカは器楽声楽合わせて多国籍の9人のグループ。メンバーの一人が日本人(ヴァイオリンの鷲見明香)で、ずっと来日の機会を考えていたという。2回のコンサート以外にも男声だけの小公演やワークショップなどをやったらしい。 この日のプログラムは16世紀ごろを中心に、ポルトガルで歌われた曲を取り上げたもの。3つの種類があって、教会でラテン語で歌われた宗教曲、同じく宗教歌ながら教会の外で作曲家が...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年7月15日 (日)

「クープランとその後」

フランス・バロック トリオの夕べ 演奏:天野寿彦ほか 会場:近江楽堂 2018年7月9日 サブタイトル通り、フランスでクープランが初めて取り上げたソナタ、そしてその同時代や後年の作曲家たちの作品をたどるプログラム。 天野氏以外のメンバーはもう一人のヴァイオリンが吉田爽子、ガンバ平尾雅子、チェンバロ辛川太一である。 クープランとその後継者ルクレールは2曲ずつ。いずれも過去に録音で聞いたことがある作品だった。全体にテンポは遅めで、じっくり強く攻めるといった演奏である。 同時代に宮...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年7月14日 (土)

「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」:ドライヴ・トゥー・フリーダム 決死取材は片道切符

監督:チャン・フン 出演:ソン・ガンホ 韓国2017年 光州事件、当時新聞で見た記憶があるもののその内容はほとんど知らなかった。 韓国でも現在の政権になって風通しが良くなったせいだろうか、過去の事件の内実を暴いたものが堂々と作られてヒットしているようだ。 事前の宣伝だと、在東京のドイツ人記者が民主化運動弾圧の噂を聞きつけ、韓国へ。そこで出会ったタクシー運転手と共に、事件が起こる光州へ潜入する。その二人の絆を描く実話……というような印象だったが、若干違った。 これは「タクシー運...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年7月 8日 (日)

「Ut/Faコンサート」:暑さ寒さもエアコン次第

演奏:宇治川朝政ほか 会場:近江楽堂 2018年6月9日 これまでリコーダーの宇治川朝政とチェンバロ福間彩のユニットとして二人だけでやっていたUt/Fa(ウトファ)、今回はゲスト参加があった。ヴァイオリンの渡邊さとみである。 彼女は宇治川氏とヨーロッパ留学中に同じ学校にいて共演したことがあるとか。以前はフランスでレザール・フロリサンなどに参加していたらしいが、現在は日本で活動中。確かBCJでもお見かけした記憶がある。 単独で演奏するのを聞くのはこれが初めてである。 フランスも...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年7月 5日 (木)

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」:アメリカン・ウーマン 血と汗と涙のトリプルアクセル

監督:クレイグ・ギレスピー 出演:マーゴット・ロビー 米国2017年 公開される前から「アリソン・ジャネイの毒母bombぶりがすごい」と話題になっていた本作、おかげで彼女はオスカーの助演女優賞を獲得したぐらいだ。 1994年に起こった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」、フィギュア・スケートのファンでもない私には「ああそんなこともあったな」という程度の記憶しかないのだが、翻って考えれば、ファンでなくても知っているのだから、当時相当の話題になったわけである。 スケートの技術的...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年7月 3日 (火)

「フルート・デュオの世界 その2 有田正広&前田りり子」:吹いてから喋るか、喋ってから吹くか

フルートの肖像 14 会場:近江楽堂 2018年6月2日 同じ会場でバルトルド・クイケンと共演コンサートをやってからはや5年(!o!)も経っちゃたとはビックリ。そして、第二弾はやはり師匠の有田正広とである。 昼夜2回やったが、私は夜の方に行った。 意外にも、二人だけで共演するのは初めてだとのこと。 曲は大体時代順に進んだ。オトテールに始まり、ブラヴェ、W・F・バッハ……。使う楽器もそれぞれ変えていく。 合間にクヴァンツとテレマン、それぞれ独奏タイムもあった。りり子女史演奏のク...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年7月 1日 (日)

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」:オールスター・バトル 世界は君の手に

監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ 出演:ロバート・ダウニー・Jr 米国2018年 「アベンジャーズ」シリーズも遂に3作目。でも、これで終わらなくて後に続編あり、というのは以前から聞いていたが、実際見るとあと一回で片が付くんですか~(>O<)と叫びたくなった。 何せ、マーベルのヒーロー全員集合みたいな感じで(欠席者あり)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が新たに参入。しかもストーリー上、これが一番重要な位置付けになっているのには驚かされた。あ、『ドクタ...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月30日 (土)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 7月版

早くも夏sun突入であります。 *3日(火)フランス音楽の旅 3 ヴェルサイユ盛期(ヴィアッジョ・ムジカーレ):東京中央教会 *9日(月)クープランとその後(天野寿彦ほか):近江楽堂 *11日(水)ミサ・ムンディ 祈りの歌、祝いの歌(セコンダ・プラティカ):日本福音ルーテル教会 ♪14日に横浜公演あり *13日(金)トン・コープマン パイプオルガン・リサイタル:ミューザ川崎 ♪16日に所沢公演あり *17日(火)ゴルトベルク変奏曲 弦楽四重奏版(原田陽ほか):近江楽堂...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月27日 (水)

「マドリガーレ・コンチェルタート」:夜景サービス付き公演

モンテヴェルディとその周辺 演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団 会場:豊洲文化センターホール 2018年5月30日 このグループの公演を聞くのは初めて。指揮の福島康晴と各パート2名ずつというメンバーである。 19時開演なのに18時20分開場(自由席)とちょっと早いのはどうなのよ?と思ってたら福島氏が出てきてプレトークをやった。 マドリガーレの発達の歴史をたどる内容で、ア・カペラとは現代で言う意味とは違って、四声の曲があれば声も楽器もそれぞれなぞるということだったとのこと。その後...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月25日 (月)

「女は二度決断する」:リベンジ・オブ・ネメシス 嘆きの聖母

監督:ファティ・アキン 出演:ダイアン・クルーガー ドイツ2017年 これを見た人は、終盤までは『スリー・ビルボード』に似ている--と思うだろう。 双方とも母親である女性が家族を理不尽な犯罪によって殺され、司法や行政が正しく対応せず、犯人は罰せられない。周囲の人々も無理解である。 そしてふつふつと湧き上がる復讐の念thunder で、結末まで行って「二度決断」とはこういうことかと分かった。でも、何やらモヤモヤするものを感じてしまった。確かに意見が分かれる結末ではあるが...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月22日 (金)

ヘンデル「アルチーナ」:美魔女じゃダメかしらん

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場 演出:エヴァ・ブッフマン 指揮:鈴木秀美 開場:めぐろパーシモンホール 2018年5月19・20日 二期会が若手の歌手を起用してバロック・オペラをやるのは、同じくヘンデルの『ジューリオ・チェーザレ』以来である。 予算方面が苦しいところがあってなかなか開催できない、というチラシがプログラムと共に入っていて色々と大変そうである。 『アルチーナ』自体はヘンデル・フェスティバル・ジャパンでも鑑賞した。 今回は、オーケストラは鈴木秀美指揮で古楽系演奏家...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月19日 (火)

「ニッポン国VS泉南石綿村」:アンフェア・ジャッジメント 人生に控訴はない

監督:原一男 日本2017年 原一男のドキュメンタリーというと、大昔『ゆきゆきて、神軍』を見たきりである。この最新作は上映時間が3時間半を超えるとあって、見るかどうか迷ったがエイヤッimpactという気合と共に行ったのであるよ。 取り上げられているのは2006年に大阪で始まった石綿(アスベスト)の被害者の訴訟である。建築に使われてきた石綿は吸い込むと数十年後に肺にガンなどを発症する。被害者は工場の労働者、その家族、周辺住民だ。 ただ、訴訟の相手はその工場ではなく、映画...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月16日 (土)

「ラブレス」:サーチ・アンド・ロスト 非情の町

監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ 出演:マリヤーナ・スピヴァク、アレクセイ・ロズィン ロシア・フランス・ドイツ・ベルギー2017年 前作『裁かれるは善人のみ』は国内で非愛国的と非難されるも、国外で映画賞に数多くノミネートされたズビャギンツェフ。この新作もオスカーは取り損ねたものの、米国ではLA批評家協会賞外国映画賞、そしてカンヌでは審査員賞を受賞している。 2012年のロシア、巷では「世界の終りが来る」という噂が漠然とした不安と共に流れている。 主人公は離婚寸前の夫婦で、夫...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月12日 (火)

「バロックリュートリサイタル 「せせらぎ」シャコンヌ集」:弦の切れ目が演奏の切れ目

演奏:佐藤豊彦 会場:近江楽堂 2018年5月17日 しばらく前にCD「せせらぎ~フランスバロックのシャコンヌ集」を出した佐藤豊彦が、同じタイトルのコンサートを行なった。CDの方は全15曲中シャコンヌは10曲で、合間にアルマンドとトンボーが収録されている。 ところが、このコンサートでは全曲シャコンヌ尽くしでしかも休憩なしのイッキ弾きonなのであった。 一曲目は老ゴーティエから、ドイツやフランスの様々な作曲家のシャコンヌを弾いていく。(調弦しやすくできるような順番らしい...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

2018年6月10日 (日)

「野々下由香里 ソプラノリサイタル」:涙のダブルブッキング

フランス古典を辿る 会場:近江楽堂 2018年5月11日 目に付くと面白そうなコンサートのチケットは即購入することにしている。BCJの定期が出たーと買い、野々下さんの十八番おフランスもののソロ公演があると聞けばまた買い--と、気が付いてみれば二つとも同じ日時じゃあ~りませんかっ(!o!) トホホsweat02全くドジである。しかも、会場が都内の西と東に遠く分かれていればまだしも、同じビルの同じフロアで隣り合っているのだ。悔しさもひとしお。 よーし、こうなったら二つの会...

» 続きを読む

| | トラックバック (0)

«「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」:ロンドン・アンダーグラウンド 首相はつらいよ