2017年5月21日 (日)

「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」:異なる世界の片隅に

監督:ジャンフランコ・ロージ イタリア・フランス2016年 ベルリン映画祭で受賞したということでも話題になったドキュメンタリー。 イタリアの端っこののどかな島の生活と、小型船に定員の十倍も乗り、地中海を渡ってきてその近海に流れ着くアフリカ・中東の難民たちの姿を捉える。 難民は直接島に漂着するわけではないから、島民とは接触することはない。唯一の例外が島の医師で、彼はかなりの数の難民の検死を行なうそうである。 島の生活はまるで昭和の日本のよう。島民は漁で生計を立て、ラジオからはイ...

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2017年5月20日 (土)

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2017

会場:東京国際フォーラム 2017年5月4日~6日 今年のLFJのテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」ということで、古楽系の公演も多いのではないかと期待したが、あっさりと裏切られた。 ガイジン勢が2組、国内組が鈴木秀美と中野振一郎だけというお寒い状況だった。これでは、もうテーマの如何に関わらずLFJには期待できないなと思ってしまった。 ★「ファンダンゴ・バロック」(No.333) 演奏:テンベンベ 会場:ホールB5 5月6日 メキシコのバロック&民族音楽を演奏するグループで、器...

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2017年5月13日 (土)

「大塚直哉チェンバロリサイタル」:文化の曙光

ミュージックラボはじめてのチェンバロ むかしの楽器と音楽を楽しむ 会場:ウェスタ川越 リハーサル室 2017年5月3日 これは、NHK-FMの「古楽の楽しみ」でもお馴染み大塚直哉が各地で精力的に行っている、チェンバロ普及活動(多分)の一つのようである。この日の会場は文化果つる地、埼玉は川越であった。 コンサート自体は2時半からなのだが、その前に「チェンバロ解体新書」というレクチャーを45分間やり、コンサート後には「チェンバロを弾いてみよう」という初心者向け公開レッスンを行なっ...

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2017年5月 7日 (日)

映画短評その2

★「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」 監督:ティム・バートン 出演:エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド 米国2016年 原作は児童文学のファンタジーかな? ティム・バートン節炸裂impactと言いたいところだが、そういうわけではなかった。 導入部がちょっと長い。主人公の少年がペレグリンの屋敷に入ってから、ようやくおなじみ奇妙奇天烈バートン世界が展開する。 しかし、どうも見た後にスッキリしない。この手の設定が複雑なファンタジーというのは、その枠組みを構築して...

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2017年5月 6日 (土)

「未来を花束にして」:参政権ないぞ、議会逝ってよし

監督:セーラ・ガヴロン 出演:キャリー・マリガン 英国2015年 今から100年前英国で起こった婦人参政権を獲得するための闘争を、一人の平凡な女工の存在に仮託して描いている。ヒロインが参加することになった運動は中でも過激に先鋭化した急進派だと思われる。なにせ爆弾作って爆破事件まで起こすんだから。それ以外の団体は登場しないので運動の全体像は分からない。 工場でのセクハラ事案、母親には親権がないとか、ヒロインがハンスト中に食物を流し込まれる場面など見ていてへこむ。さらに運動に参加...

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2017年5月 3日 (水)

映画短評

最近どうにも忙しくて、土・日曜にもブログ更新できないことが多々あり。未だ書いていない映画の感想が増えていく一方である。ただ、一旦書き始めると今度は長くなってしまう。困ったもんだ( -o-) sigh... そこで書きそこなっていたのをここにチョコチョコと書きたい。 ★「ガール・オン・ザ・トレイン」 監督:テイト・テイラー 出演:エミリー・ブラント 米国2016年 3人の女をめぐるサスペンス。一見幸せそうに見えても実は……と数組のカップルの醜い真実と、「家庭」なるものの虚無が露...

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2017年4月30日 (日)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 5月版

一か月の間に4枚もチケットを無駄にしてしまいました。トホホ(+o+)であります。 *3日(水)大塚直哉チェンバロリサイタル:ウェスタ川越 *8日(月)フランソワ・クープラン趣味の融合への道筋(天野寿彦ほか):近江楽堂 *21日(日)ラ・フォンテヴェルデ定期:ハクジュホール *23日(火)ダンツァ!(ル・ポエム・アルモニーク):王子ホール *24日(水)聖母マリアの夕べの祈り(コントラポント):東京カテドラル聖マリア大聖堂 *27日(土)ジョングルール・ボン・ミュジシャン 都電...

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「彷徨える河」:闇の奥の奥の闇

監督:シーロ・ゲーラ 出演:ヤン・ベイヴート コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン2015年 コロンビア映画史上初めてアカデミー賞外国語映画賞の候補になったという作品。 アマゾンの密林の中、河沿いに独り暮らすシャーマンの元へ米国人の学者が、幻の薬草を求めて訪れる。長い孤独の中で記憶さえ失ったシャーマンは、数十年前にドイツの民族学者が同じものを探して現われたのを突然思い出す。 この時代を隔てた、二つの河を遡る旅を重ねるように交互に辿っていく。 その旅は当然『闇の奥』を想起させる...

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2017年4月23日 (日)

バッハ「マタイ受難曲」:劇的と静寂のはざま

演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン 会場:彩の国さいたま芸術劇場 2017年4月15日 恒例のBCJの受難曲公演、さいたま芸術劇場でやる時はいつも、オペラシティの本公演ではなくこちらを選んでいる。中規模の会場で音響もいいのだ。 それでも、座席自体は端や後方しか取れないのが常だが、今回はなんとほぼ真ん中の座席をゲットできた。ヤッタネ(^○^) 満員御礼で追加席も出たくらい。運が良かったgood 周囲に騒音を立てる者もいず、前席に背の高いヤツもいないという、理想的な鑑賞環...

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2017年4月15日 (土)

ミュージアム・コンサート「ティツィアーノとヴェネツィア派展」記念コンサート3:花より宴会、コンサート

演奏:太田光子ほか 東京都美術館講堂 2017年3月31日 恒例、桜の季節を中心に上野で一か月間に渡り行われる「東京・春・音楽祭」である。 この日はタイトルの美術展に合わせてのコンサートの一つだ。昼間開催なので、休みを取って行きましたよ。 プログラムの趣旨はティツィアーノがいた同時代のヴェネツィアで活躍した作曲家たちの作品である。合唱曲や世俗歌曲もあるが、それらをすべてリコーダー・アンサンブルで演奏する。最多数は8人、当時の大聖堂でのように4声部ずつで2組に分かれる。 個人的...

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2017年4月 9日 (日)

「哭声/コクソン」:恐怖の三択

監督:ナ・ホンジン 出演:クァク・ドウォン 韓国2016年 國村隼が出演し男優賞を受賞して話題となった韓国製ホラー。あまりにも話題なので行ってみた。 ひなびた山村で一家殺戮という猟奇的な殺人事件が起こる。犯人はその家族の一員で、さらに他所で殺された別の男の死体も一緒に見つかる。毒キノコを食べたための錯乱が原因という結論になるのだが、山の奥の小屋に住みついてる謎の日本人がどうも怪しいという噂が広がるのだった。 そのうち新たな一家の殺戮事件がおこり、さらに主人公である警官の小学生...

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2017年4月 2日 (日)

「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」:凡庸ならざる悪

監督:ラース・クラウメ 出演:ブルクハルト・クラウスナー ドイツ2016年 近年「アイヒマン」ブーム到来(?_?) というわけでもなかろうが、アイヒマン関連の映画がまた一つ。これはあの裁判の前日譚である。あの裁判に至るまでは実は大変な困難があったのだpunchという実話だ。 1950年代の末、フランクフルトで鬼検事長である主人公が、戦犯アイヒマンがアルゼンチンにいるというタレこみの手紙を受け取る。だが、検察や政界もナチの残党がいるので妨害され逮捕できない。 インターポ...

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2017年4月 1日 (土)

「MEMENTO MORI 古楽の夕べ」:死人に口なし、耳はあるか

第20回国際音楽学会記念演奏会 演奏:大塚直哉ほか 会場:東京藝術大学奏楽堂 2017年3月21日 国際音楽学会というのが開催されているというのは知らなかった。何年に一度やるのかは知らないが、この年は藝大が開催側ということなのだろう。で、学会には全く関係ないけど、チケットは一般に売られていたので、その記念コンサートに行ってまいりましたよ。 タイトルの「メメント・モリ」が示すように、死にまつわる古楽を特集したもので、演奏は古楽科、声楽科、卒業生を中心にしているとのことである。 ...

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聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 4月版

cherryblossomと言ってもさしたることなく過ぎていくようです。 *5日(水)ミュージアム・コンサート「東博でバッハ」35(大塚直哉):東京国立博物館 あの大塚先生が上野でゴルトベルクをheart02 *6日(木)「バベルの塔」展プレ・コンサート 1(ソフィオ・アルモニコ):東京都美術館講堂 *7日(金)ゼンフルとヴァルター ルター時代の教会音楽(ベアータ・ムジカ・トキエンシス):東京中央教会 *14日(金)La Belle Danse ルイ14世の...

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2017年3月27日 (月)

王妃マルゴとジャンヌ・ダルク

しばらく前に萩尾望都の『王妃マルゴ』第5巻(集英社)と山岸凉子の『レベレーション -啓示-』第2巻(講談社)が前後して刊行された。 扱っている時代は異なるとはいえ、同い年の二人がフランスを舞台にした歴史物(しかも宗教がらみの)を同時に描いているというのは興味深いことである。 『マルゴ』では遂にサン・バルテルミーの虐殺が勃発。プロテスタント側の死体がゴロゴロと……。 たまたま1995年のフランス映画『王妃マルゴ』をケーブルTVでやっていたので見てみたら、似ている場面がかなりあっ...

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