2022年1月15日 (土)

「ソフィオ・アルモニコで綴るアン・ブーリンの音楽帖」:幽閉されて捨てられて

エリザベス1世の母の足跡をたどって演奏:ソフィオ・アルモニコ&佐藤裕希恵、瀧井レオナルド会場:霞町音楽堂2021年12月19日 前田りり子を中心とするルネサンス・フルート集団ソフィオ・アルモニコは今回、古楽+ひとり歴史芝居に挑戦。しかも脚本家付きという本格的なものだ。主役は英国王ヘンリー8世の王妃アン・ブーリンである。 とはいえ、はてアン・ブーリン……どんな人だっけ(^^;? などと言ってる客のためにメンバーの相川郁子による詳細なリキの入った解説がもれなくついているのだった...

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2022年1月13日 (木)

「漫画家の自画像」

著者:南信長左右社2021年 本を開くまでは「ふむふむ、よくマンガ家が描いている自画像を見比べた本ね」と簡単に思っていた。しかし実際読んでみたらそんな単純なもんではなかった。 正確にはマンガで描かれたマンガ家について様々な角度から論じた書である。その多くは作品内で個性あるキャラクターとして活躍している。それをジャンル分けし、歴史をさかのぼり他作品と比較・分析する。 まずご本人が自分を描いたものがあれば、同じ人物を他のマンガ家から見たものもある。手塚治虫のように自作のフィクシ...

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2022年1月12日 (水)

いつまでもあると思うな!親と岩波ホール

昨日1月11日の午前、岩波ホールの「2022年7月29日(金)を以て営業終了のお知らせ」がSNSで広がり映画ファンを震撼させた。昨年初めに改装工事をしたばかりで(ついでに1階のチケット売り場もなくなったが)予想だにしなかったことである。 物理的には神田神保町にある200席ぐらいの単館ロードショーのホールであるが、他所では絶対に取り上げないような製作国や内容の作品を公開した(初期だとサタジット・レイやワイダなど)。ここで上映された後に各地のミニシアターに回っていくので、一地域の...

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2022年1月 9日 (日)

今さらながら2021年を振り返る

振り返ったからどうということもないですが、一応振り返ってみるのであります。最近はブログの更新は完全に追いつかず、ほとんど書かずに飛ばしてしまうという情けない状況になりました。 【映画】以下に選んだ10本は大体見た順。完成度より個人的好み優先。ドキュメンタリーが豊作年のため多くなってしまった。なお大作ものはレンタルかTVで見ようと思ってほとんど見ていない。それと老人脳のため1~3月ぐらいに見た作品はだいぶ内容忘れちゃったんで、候補に入れられなかったですよ(+o+)トホホ *「...

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2022年1月 3日 (月)

「モーリタニアン 黒塗りの記録」:正義のための不正義

監督:ケヴィン・マクドナルド出演:ジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、ベネディクト・カンバーバッチイギリス・米国2021年 あるモーリタニア人男性が家族の目の前で突然連行され、911事件の首謀者として逮捕された実話--と書いたところで疑問に思ったのが、はてモーリタニアってどこら辺なのよ(爆)。今さらながらであるが、アフリカ北西部で西サハラ、アルジェリア、セネガルなどに隣接し、土地の9割が砂漠とのことである。 彼はグアンタナモ米軍基地に移送され尋問を受ける。数年後、裁判が行...

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2022年1月 1日 (土)

「古楽系コンサート情報」1月分更新

「古楽系コンサート情報」1月分(東京近辺)更新しました。先月に比べて激減ですね(^^;左のサイドバーにもリンクあります。ライヴ配信などは入っていません。...

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2021年12月28日 (火)

ラモー「アナクレオン」:酒と愛の神の日々

北とぴあ国際音楽祭2021演奏:寺神戸亮&ラ・ボレアードバロックダンス・演出・振付:ピエール=フランソワ・ドレ会場:北とぴあ2021年12月10・12日 北とぴあ音楽祭恒例のオペラは去年コロナ禍で開催できなかったリュリの『アルミード』--のはずだったが、またも痛恨の延期となってしまった。ダンス担当のドレだけ来日してラモー『アナクレオン』をやることになった。 前半はルベルやリュリ、ラモーの舞曲の聞きどころ見どころを集めて名曲選だった。ドレと松本更紗による様々なバロックダンスが...

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2021年12月18日 (土)

映画落穂拾い2021年後半編その2

「ジャスト6.5 闘いの証」監督:サイード・ルスタイ出演:ペイマン・モアディイラン2019年 イランの犯罪サスペンスもの。冒頭の追跡劇からつかみはオッケー。大物麻薬ディーラーを追う部長刑事が逮捕のためにはなんでもあり、違法でもキニシナイという強引な捜査を繰り返す。ようやく捕まえたはいいけれど、相手はしたたかな犯罪者なんでそのままでは終わらない。 前半が刑事編、後半は犯人編となって一本で映画二本分の濃縮度である。あまりの濃さに見終わってどっと疲れた。面白か...

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2021年12月14日 (火)

「クロード・ル・ジュヌのシャンソン」:黄昏のバラ園にいにしえの恋愛歌が流れるのだ

北とぴあ国際音楽祭2021参加公演フランス16世紀後半の美しき世俗歌演奏:カルテット・プロヴィゾワール会場:旧古河庭園・洋館2021年12月1日 恒例 北とぴあ音楽祭で旧古河庭園の洋館の一室を使った古楽コンサートである。歌うはカルテット・プロヴィゾワール……はて?聞いたことがない名前だなあ、と思ったけどメンツは鏑木綾、小坂亜矢子、村上惇、小藤洋平の4人による四声の声楽アンサンブルなのであった。 ル・ジュヌはフランスのルネサンス後期に活躍した作曲家で宮廷に...

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2021年12月11日 (土)

「アイダよ、何処へ?」:敵と共に生きる

監督:ヤスミラ・ジュバニッチ出演:ヤスナ・ジュリチッチボスニアヘルツェゴヴィナ・オーストリア・ルーマニア・オランダ・ドイツ・フランス・ノルウェー・トルコ2020年 またも辛い映画を見てマスクを涙で濡らしてしまった(;_:) 歳取って涙もろくなったのかしらん。舞台はボスニア紛争時の都市。安全地帯のはずの町にセルビア軍が乗り込んでくるが、国連は何も手を打たない。一応、武力行使はしないと約束のポーズはしているものの、彼らを怖れた何千人もの住民が国連軍の基地めがけて逃げてくる。(実...

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2021年12月 5日 (日)

映画落穂拾い2021年後半編その1

いったん中断していました落穂拾いシリーズですが、ちゃんと感想を書こうとするとやたら時間がかかってしまい、更新の回数が減ってきたので、取り合えずメモ程度でも載せておこうと復活しました。内容は手抜きです(^^ゞ 「キーパー ある兵士の奇跡」監督:マルクス・H・ローゼンミュラー出演:デヴィッド・クロスイギリス・ドイツ2018年 五輪中継を見なかった代わりにスポーツものを、ということで選んでDVD鑑賞した。第二次大戦中、ドイツ軍の捕虜が英国の収容所に入れられ、そこ...

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2021年12月 1日 (水)

「古楽系コンサート情報」12月分更新

「古楽系コンサート情報」12月分(東京近辺)更新しました。年末だけあってさすがに怒涛のような数です。左のサイドバーにもリンクあります。ライヴ配信などは入っていません。...

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2021年11月29日 (月)

「ヴェネツィアの冬」:秋の西麻布

霞町音楽堂バロック・シリーズ第6回ヴィヴァルディ9つのチェロ・ソナタ全曲公演1会場:霞町音楽堂2021年11月16日 チェロの懸田貴嗣監修のバロック・シリーズ、6回目にして初めて行ってみた。6~8回はモダン・チェロで活躍する新倉瞳と共にヴィヴァルディのチェロ・ソナタを全曲演奏するという企画である。さらに日替わりでもう一人のゲスト参加があって、この回はリュートの佐藤亜紀子だった。 3回の公演で出版譜で出された6曲と近年発見された手稿譜の分を合わせて9曲を3曲ずつ演奏という趣向...

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2021年11月23日 (火)

「コレクティブ 国家の嘘」:オールド・アンド・ホープレス

監督:アレクサンダー・ナナウルーマニア・ルクセンブルク・ドイツ2019年 ルーマニアのライブハウスでバンドが公演中に火災が発生、客が逃げ場を失って死傷者200人超の大惨事になる(2015年)。問題はそこで終わらず病院で次々に火傷の症状が悪化し、亡くなる人が倍増したという。一体何が起こったのか--その問題を追及するドキュメンタリーである。 冒頭、バンドの頭上で炎が燃え上がるスマホ映像が怖い。その後、前半は事件を徹底追及するスポーツ紙の取材班に密着する。「スポーツ紙」といっても...

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2021年11月17日 (水)

「ミス・マルクス」:父の娘の夫の妻

監督:スザンナ・ニッキャレッリ出演:ロモーラ・ガライイタリア・ベルギー2020年 この映画を見るまで「マルクスの娘」のことは知らなかった!彼には4人の娘と2人の息子がいたそうだが、他の子は幼い頃に亡くなったそうで映画内に登場するのは娘3人である。主人公は末っ子のエリノアだ。彼女は政治・文学の才能があり、死後に父の跡を継ぐ存在となる……はずなのが、浪費家&プレイボーイのダメ男に引っ掛かったのが不幸の始まりであった。そもそも妻帯者である上に浮気し放題、借金しまくりのためあきれて...

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