2018年4月20日 (金)

「音楽と美術の幸せな結婚 1」:哲学者か英雄か

大塚直哉レクチャー・コンサート・シリーズ 音楽と絵画が映し出す栄光の17世紀スペイン:「プラド美術館展」の名画と音楽 会場:よみうり大手町ホール 2018年4月13日 大塚直哉が美術展に合わせて3回のレクチャー・コンサートを行う第1回め。会場からして当然、読売新聞社が主催に入っている展覧会が対象だが、この日は「プラド美術館展 ベラスケスの絵画と栄光」でベラスケスが7作品展示ということで話題になっているものである。 しかも演奏のゲストは波多野睦美、美術サイドは「怖い絵」の中野京...

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2018年4月16日 (月)

「スリー・ビルボード」:ファイア・パトロール 非のない所に看板は立たぬ

監督:マーティン・マクドナー 出演:フランシス・マクドーマンド イギリス・米国2017年 町はずれに立つ、3枚の古く巨大な赤い看板。そこにレイプ殺人の事件捜査が遅々として進まぬことへの警察批判が掲げられた。怒り発心annoyで広告会社に依頼したのは、被害者の母親である。田舎町は大騒動に……。 こりゃ面白そうだ。おまけに映画賞に幾つもノミネートされ、二人の役者はアカデミー賞大本命(私が見た時点では。その後受賞した)。詰まらないはずがないnotes しかし、期待は...

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2018年4月14日 (土)

「エル ELLE」:スキャンダラス・ウーマン 女、外に出れば7人のヘンタイあり

監督:ポール・ヴァーホーヴェン 出演:イザベル・ユペール フランス2016年 予告ではサスペンス・スリラーのように宣伝していたが、実際見ると全く違った。私が思い浮かべたのは『大人の事情』のような、人間のバカバカしさを描いた喜劇であった。 アダルトゲーム会社を経営するヒロインは或る夜、謎の侵入者に自宅で襲われる。しかし彼女は警察に届け出たりせず、平然とそのまま息子に会い、友人たちに被害を告げて反応を見る。自分で犯人を探し出そうと画策するのであった。 もっとも、彼女は子供の頃に父...

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2018年4月11日 (水)

「女の一生」:ターゲット・オブ・ラブ ジョウロいっぱいの愛を

監督:ステファヌ・ブリゼ 出演:ジュディット・シュムラ フランス・ベルギー2016年 なぜ今『女の一生』映画化sign02 それもスタンダード・サイズ画面とは(!o!) すみませ~んm(__)m モーパッサンの原作読んだことありませんng 本来ならばパスするところではありますが、見ることにしたのは監督が「ティエリー・トグルドーの憂鬱」のステファヌ・ブリゼだったからである。 ヒロインのジャンヌは男爵家の一人娘。父母に愛されて育つが、教育のため窮屈な修道院へ。やっ...

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2018年4月 9日 (月)

「デトロイト」:ミッドナイト・モーテル 暴動の響き

監督:キャスリン・ビグロー 出演:ジョン・ボイエガ 米国2017年 おお、久しぶりの社会派バリバリのドラマだ~shine--と期待して映画館に駆け付けたのだが、それは全くの見込み違いであった。 1967年に起こった黒人暴動を背景に行われた警官3人+警備員1人による事件。多くが存命中の各人の証言を元に復元(?)されているので、不明瞭な部分は不明瞭なままなのである。裁判沙汰になったのだから、ウッカリしたことは言えないだろうから曖昧になってしまうのは仕方ない。 ただ、映画の...

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2018年4月 6日 (金)

「ルソン・ド・テネブル 暗闇の朝課の読誦」:猫とクープラン(特に関係なし)

F・クープラン生誕350年記念 演奏:野々下由香里&鈴木美登里 会場:近江楽堂 2018年2月22日 2月22日はニャンcatニャンcatニャンで猫の日~(=^・^=) じゃなくて--またもクープラン記念公演なのであった。 ルソン・ド・テネブル、宗教曲とはいえ華麗なるソプラノ2人の競演である。私が最初に聞いたのは、かつてのNHK-FM「朝のバロック」でエマ・カークビーの歌でかかった時だ。うろ覚えだが、今調べてみるともう1人はジュディス・ネルソン、鍵盤はホグウッ...

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2018年4月 4日 (水)

「フランス音楽の彩を楽しむ 7」:ク~~~プランと伸ばしてみよう

F・クープラン生誕350年記念 演奏:宇治川政朝、ジョシュ・チータム、福間彩 会場:近江楽堂 2018年2月16日 クープランと銘打ってはあるが、彼の作品は6曲の内半分。18世紀初めのフランス・ソナタによるプログラムということで、残りはオトテール、フィリドール、ドルネルだった。 驚いたのはクープランの組曲ホ短調。よく取り上げられる名曲ながら、J・チータムは非常にゆっくりなテンポで弾いた。こんなにゆっくりなのは聞いたことがない(!o!)っていうぐらい。しかも気候のせいか、さかん...

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2018年4月 3日 (火)

聴かねばならない時もある マイナー・コンサート4月版

*13日(金)ラ・フォンテヴェルデ定期~薄情な女たちのバッロ:浜離宮朝日ホール *  〃   音楽と美術の幸せな結婚 「プラド美術館展」の名画と音楽(大塚直哉ほか):よみうり大手町ホール 3回シリーズで、この日のゲストは波多野睦美と中野京子。 *17日(火)悲しみのカンタータ(村上雅英ほか):中目黒GTプラザホール *20日(金)ジュリアン・マルタン氏を迎えて~テレマン リコーダー二重奏ソナタ(木の器):近江楽堂 *21日(土)  〃  ~フランスの室内楽作品: 〃 *26日...

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2018年3月12日 (月)

「残像」:戦争に勝ち革命に裏切られ権力に負けた

監督:アンジェイ・ワイダ 出演:ボグスワフ・リンダ ポーランド2016年 アンジェイ・ワイダ渾身の遺作は、ポーランドの画家ストゥシェミンスキの最後の数年を描くものだ。 この画家は第一次大戦で片手、片脚、片目の視力を失ったという。その後、画家としての名声を得て、第二次大戦終了後は大学で美術を教えている。面白そうな授業が、短いながら描かれる。 しかし、そこへソ連の影が覆い始める。アトリエの窓に赤い旗が降りてきて、部屋が真っ赤になってしまうのは極めて印象的な場面だろう。 アヴァンギ...

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2018年3月 9日 (金)

「サイモン・スタンデイジと仲間たち」:BCJの陰で大盛りだくさん

会場:所沢ミューズ キューブホール 2018年2月12日 かつてのイングリッシュ・コンサートでの活躍も懐かしい、サイモン・スタンデイジが再来日。日本の若手演奏家と公演を行った。おっと、第2ヴァイオリンの天野寿彦やチェロの懸田貴嗣はもはやベテランの域ですね。 会場のキューブホールは真四角で、座席の配置からして音の聞こえ方が場所によってムラがあるのでは(あとステージ上の見え方も)と思われるが、致し方ないだろう。 ほぼ協奏曲尽くしという感じで、ヴィヴァルディ、バッハ、ヴァレンティー...

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2018年3月 4日 (日)

「HORIZON 3 フランス・バロック ヴィオル・デュオ」:二重奏なら二乗の響き

演奏:平尾雅子&福沢宏 会場:近江楽堂 2018年1月19日 詳細不明だが、「HORIZON」という連続演奏会のシリーズの一つがガンバ演奏会だった。他の公演はモダン演奏あり、現代音楽ありで、関連性はよく分からない。 そのせいか照明の使い方も通常のクラシック公演とは異なる印象。(ピンスポットな感じで照らしているので、奏者が立ち上がると上半身が暗くなってしまう) 平尾・福沢の両者キャリアは長く、ともそれぞれ色んな演奏会でお見かけするも、なんと二人で共演するのは初めてだという。驚き...

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2018年2月28日 (水)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 3月版

*2日(金)プロイセンの宮廷から(プティ・ヴィオロン):杉並公会堂小ホール *6日(火)フランス音楽の旅 1 歌唱と器楽の百花繚乱(森川郁子&佐藤亜紀子):東京中央教会 *26日(月)ミュージアム・コンサート「プラド美術館展1」(西山まりえ&阿部早希子):国立西洋美術館講堂 *27日(火)  〃  「プラド美術館展2」(宇治川朝政ほか):国立西洋美術館講堂 NHK-FM「ベスト・オブ・クラシック」では古楽ウィークあり。また、NHK-BS「クラシック倶楽部」28日のアンタイ&セ...

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2018年2月25日 (日)

「J・S・バッハ ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」

演奏:フランソワ・ゲリエ&天野寿彦 会場:近江楽堂 2017年12月29日 LFJにリチェルカール・コンソートのメンバーとして参加していたフランソワ・ゲリエ。私の行ったプログラムではあまり出番がなくてもったいなかった。 ということで、昼と夜の2回で表題になってるバッハの曲集を全曲演奏するという企画、昼夜行ってまいりました。 しかも、その間に池袋でやってる岩合光明の「ねこといぬ」展最終日に突撃するというハードスケジュールであったよsweat01 昼第1~3番、夜4~6と...

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2018年2月13日 (火)

「少女ファニーと運命の旅」

監督:ローラ・ドワイヨン 出演:レオニー・スーショー フランス・ベルギー2016年 ドイツ占領下のフランス。親元から離れて暮らすユダヤ人の子どもたちの施設が摘発される。鉄道で逃亡を図るが、大人とはぐれてしまい子どもだけでスイス国境を目指すことになる。ほとんど放浪状態である。 子どもばかりが画面の大半を占める作品だが、極めてシビアな話だ。途中で様々な大人たちと出会っては別れる。密告する神父もいれば、親切な農夫もいる。 子役がうまくて感心。また、年齢ごとに微妙に異なる行動や反応を...

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「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」

監督:テレンス・デイヴィス 出演:シンシア・ニクソン イギリス・ベルギー2016年 名前だけは有名だが、日本では今一つポピュラーとは言えない米国女性詩人の生涯を描く。最も米国でも評価されたのは死後だったとのこと。事件らしいことはほとんどなく内省的な日々をひたすら綴るものだ。 19世紀の清教徒的な生活とはこういうものかと思った。夜、詩を書くのも父の許可を得なければならない時代ならば、家に引きこもるのも自分の魂を守るためであろうか。 ただ「静か」過ぎるのが難。会話の切返しの繰り返...

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«「木の器クリスマスコンサート 2017」