2020年4月 3日 (金)

「レイトショー」上・下巻

著者:マイクル・コナリー講談社文庫2020年 マイクル・コナリーの新刊は女性刑事レネイ・バラードを主人公に据えた新シリーズである。といっても、ボッシュがかつていたハリウッド署が舞台となっているので、そのうち共演があるようだ。 この女性刑事が超タフな人物である。市警本部の強盗殺人課でバリバリ働いていたが、上司のハラスメントを告発したら左遷されて分署の夜間勤務に回されてしまう。「レイトショー」とはその夜間勤務のことを指す。自宅を持たず、勤務終了後に海岸でサーフィン(正しくは「パ...

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2020年4月 1日 (水)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 4月版

なんと予定していたコンサートは全てキャンセルになってしまいました。_| ̄|○5月は復活できるといいですね、トホホ(+o+)...

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2020年3月30日 (月)

「2人のローマ教皇」:宿命のライバル対決!ガラスの十字架

監督:フェルナンド・メイレレス出演:アンソニー・ホプキンス、ジョナサン・プライスイギリス・イタリア・アルゼンチン・米国2019年 これも『アイリッシュマン』同様、ネットフリックス作品で限定上映されたものである。アンソニー・ホプキンスが生前退位(700年ぶり らしい)した前教皇、ジョナサン・プライスが現教皇フランシスコを演じる。 フランシスコはカトリック教会内においては改革派だったのだが、ある日当時のベネディクト16世に呼び出される。後者は複数のスキャンダルが...

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2020年3月27日 (金)

「トールキン 旅のはじまり」:旅から帰還した仲間は二つに分かれて塔で王となった

監督:ドメ・カルコスキ出演:ニコラス・ホルト米国2019年 トールキンと言えば『指輪物語』の作者。彼の少年時代から家庭を得て執筆を書き始めるまでをN・ホルトが演じる。親を亡くして子どもの時から苦労、パブリック・スクールでは仲良し4人組結成(ホビットの原型か)、特に戦死した親友との友情は感動的だ。第一次大戦に従軍すると、その状況が『指輪』と重なる。もちろんホルトファンは必見。D・ジャコビ、コルム・ミーニイ(懐かし!)が脇を固る。少年時代の子役は繊細な美少年だし、映像については...

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2020年3月21日 (土)

映画落ち穂拾い 2019年後半その2

「ピータールー マンチェスターの悲劇」監督:マイク・リー出演:ロリー・キニア英国2018年 ちょうど200年前に英国で起こった市民虐殺事件を複数の人物を通して描く。6万人の市民が参政権を求めて行進中に、命令を受けた兵士が突入する。マイク・リーは作風からすると、英国怒れるオヤジ監督の系列には入っていないはずだが、辛辣なまでに実直に人々の思惑と行動をたどっている。終盤の国王(じゃなくて王太子?)は時代劇の「悪代官」そのままだった。「おぬしもワルよのう(^▽^...

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2020年3月20日 (金)

「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」:不良女王と呼ばれて

監督:ジョーシー・ルーク出演:シアーシャ・ローナン、マーゴット・ロビーイギリス2018年 DVD鑑賞。言わずと知れたメアリー・スチュアートとエリザベス1世の対立をフェミニズム的視点から見て、双方の和解を男たちが足を引っ張り阻んだとする重厚な歴史劇。まさしく「ヒストリー」ならぬ「ハーストーリー」なのだ。若く奔放なメアリーと老練なエリザベス、両者を並行して描き、二人の対面は一度だけである。実際の撮影でもローナンとロビーはあの場面でだけの顔合わせとのこと。演技合戦は迫力の一言。衣...

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2020年3月17日 (火)

「薔薇はシュラバで生まれる」

70年代少女まんがアシスタント奮闘記著者:笹生那実イースト・プレス2019年→A5判だけど装丁はコミックス仕様。 1970年代に少女マンガ家たちのアシスタントをした経験を綴った回想録マンガである。数々の名作誕生に立ち会った体験は貴重なものだ。一番多く登場するのは美内すずえ、そしてくらもちふさこ、樹村みのり、三原順、山岸凉子などなど。それぞれのマンガ家の顔がその作風のタッチで描かれているのが面白い。他にも綺羅星のごとく当時のマンガ家たち(私も愛読しておりました)の名が方々に登...

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2020年3月15日 (日)

「時はたちどまり」:厳戒態勢につき異例尽くし

パルドンレーベル30周年記念コンサート演奏:つのだたかしほか会場:ハクジュホール2020年2月29日 新型コロナウイルス警戒中  でもコンサートは行っちゃいました~(^O^)/つのだたかし主宰のパルドンレーベルが30周年祭りとなり、それを記念するメデタイものなのである。そのためか事前にはチケット完売とのことだった。がしかし(!o!)蓋を開けてみると、かなり空席が目立って寂しかった。この非常時ゆえ外出を控えて来なかった人が多かったもよう。チケット代返金も検討...

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2020年3月11日 (水)

「国家が破産する日」:倒れる人儲ける人憤る人

監督:チェ・グクヒ出演:キム・ヘス 韓国2018年 1997年に韓国で起こった未曾有の危機である通貨危機を虚実織り交ぜて描く。経済ものには弱いんで『マネー・ショート』の時には理解しているか自分でいささか心もとなかった。内容についていけなかったらどうしようと思ってたが、実例付きで見せてくれたのでよーく理解できた(という気になれた)。 ほぼ相互に関係ない異なる立場の三者のエピソードが並行して描かれる。韓国銀行の通貨政策の担当者、危機を見越して銀行を退職した金融コンサルタント、そし...

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2020年3月 7日 (土)

「リコーダーで奏でるナポリと南イタリアの原風景」:ウイルスにも勝つ!ナポリ愛

ソプラノ、バロックチェロ、チェンバロとともに演奏:イル・メルロ会場:近江楽堂2020年2月28日 新型コロナウイルス感染症のため続々と公演中止続く中、行ってきちゃいましたよ。リコーダー奏者「桐畑奈央 帰国記念演奏会」と銘打たれているが、実際はソプラノ小野綾子、チェンバロ上羽剛史の3人組イル・メルロの本邦デビュー公演と考えていいみたいだ。彼らは同時期にミラノの音楽院にいてアンサンブルを組んでいたとのこと。 この日はゲストでチェロの懸田貴嗣が参加して、ナポリ楽派のリコーダー作品...

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2020年3月 4日 (水)

「人生、ただいま修行中」:この校門より入る者、全ての希望と絶望を抱け

監督:ニコラ・フィリベールフランス2018年 パリ近郊の看護学校、入学した若者達の授業や実習の様子を淡々捉えていくドキュメンタリーである。ナレーションはおろか字幕ですら入らない。ただ映像をつないでいく手法だ。 最初はそれこそ手の洗い方から開始。医療関係者にとっては当たり前であろう基礎の基礎授業が続く。この方面に全く無知な人間にとっては「ふむふむ、なるほど(・_・)」などと新鮮に感じる。淡々とはしていても引きつけられて見てしまうのだった。 さすがフランスだけあって、生徒の人種も...

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2020年3月 1日 (日)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 3月版

行く予定だったコンサートが相次いで中止で_| ̄|○ガックリ。演奏家の方々も死活問題ですね。10月の台風で延期した振替公演が、また今回延期という気の毒なケースもあり。 *2日(月)スパニッシュ・プログレッシブ・バロック(メディオ・レジストロ):近江楽堂*7日(土)フロットラ 16世紀イタリアの詩(ヴォックス・ポエティカ):松明堂音楽ホール*19日(木)・20日(金)バロック絵巻 アモールとプシケ(アントネッロほか):紀尾井ホール 中止*21日(土)光の庭プロムナード・コンサート...

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2020年2月29日 (土)

映画落ち穂拾い 2019年後半その1

「ペトラは静かに対峙する」監督:ハイメ・ロサレス出演:バルバラ・レニースペイン・フランス・デンマーク2018年 邦題は違っている。全く「対峙」していない。悪人と弱者の物語である。スペインを舞台にしたイヤな気分満載の作品だ。いきなり物語の途中から始まって驚かされる。ブツ切りならぬブツ始まりである。また映像が人物からずれていくカメラの視線も面白い。そういう映像や構成は個性的である。 だが見ている間はいいけど、並ではない悲劇が次々と起こり過ぎだ。で、その結末が...

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2020年2月27日 (木)

「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」:敵の味方は味方の敵ならず

監督:ユン・ジョンビン出演:ファン・ジョンミン韓国2018年 37度線を挟んだ男の友情を描くスパイ・サスペンス。元・軍人の男が工作員として任命される。北京、黄昏、盗聴、ホテルの小部屋、口笛、男の涙……みたいな感じでスピーディに話が進む。南側の工作員である主人公は北朝鮮政府の要人に接触して信頼を得る。部内でも正体を知っているのは3人だけ。輸出を口実にして遂にはあの人と拝謁 にまで至る。だが真の敵は37度線の向こうではなくこちら側にもいたのであった。 てな具...

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2020年2月21日 (金)

糸あやつり人形一糸座「おんにょろ盛衰記」:毒をもって毒を制しても毒は残る

作:木下順二演出:川口典成会場:座・高円寺2020年2月5日~9日 結城座で45年前に上演した木下順二の民話劇を再演。当時、結城一糸が出演していたそうだ。「おんにょろ」はどうしようもない乱暴者で村に時々現れては酒やら食物やら金品を脅し取る。さらに村人は元々「とらおおかみ」(虎と狼ではなくて合体した謎の怪物?)の出現に困っている。ある日おんにょろをたきつけて、怪物と戦わせてうまく行けば両者とも共倒れになるのでは……と思いつくのだった。 思いついたはいいけれど、いざとなると腰が...

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«「ある女流作家の罪と罰」:嘘つきは作家の始まり