2018年8月12日 (日)

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」:プロミスト・ランド おかあさんといっしょ

監督:ショーン・ベイカー 出演:ウィレム・デフォー 米国2017年 フロリダのディズニーランドのすぐそばに安モーテルあり。外壁はディズニー風味でキラキラした色に塗られているが、住民の実態は支援団体の食料無料配布車が回ってくるほどに貧しい。観光客を乗せた航空機がひっきりなしに行き交い、その落差が甚だしい。 日本だとモーテルは一時的な宿泊と思うが、かの国では常泊している人が多いそうなのだ。 そんな中に若い母親と娘がいる。母親の方は定職を持たず、その日暮らし。娘は小学校低学年だが、...

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2018年8月 8日 (水)

ヘンデル オペラ「アリオダンテ」:夏休み宿題・原稿用紙5枚で感想文を書け

主催:日本ヘンデル協会 音楽監督・演出:原雅巳 会場:東京文化会館小ホール 2018年7月21日 ほぼ毎年見ている日本ヘンデル協会のオペラ(前回はこちら)、今年は「アリオダンテ」でヘンデルが個人でオペラ興行を始めた第1作だという。 となれば当然リキが入った作品--ということで、成功をおさめたそうな。 前回同様、大西律子をコンマスとするオーケストラ陣は舞台の右側に配置、管楽器はその時によって出たり入ったりしていた。 歌手は上演当時のようなジェスチャー付きで歌う方式である。 スコ...

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2018年8月 1日 (水)

J・S・バッハ「ゴルトベルク変奏曲 (弦楽四重奏版)」:名作を4で割っても名作だ

演奏:原田陽ほか 会場:近江楽堂 2018年7月17日 バッハの鍵盤曲を合奏曲に編曲して演奏するのは珍しいことではない。例えば、オルガン曲の「トリオソナタ」とか--。この「ゴルトベルク」も、フレットワークによるガンバ・コンソート版のCDを持っている。 解説文によると、ブラスアンサンブル版もあるとか。 原田陽が編曲したこの四重奏版は、ヴァイオリン2人(もう一人は上野美香)、ヴィオラ(島田玲)、チェロ(高橋麻理子)という編成である。 各曲ごとに4人全員でやるものもあれば、2人だけ...

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2018年7月30日 (月)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 8月版

真夏のコンサートは効き過ぎの冷房との闘いもありますtyphoon *3日(金)甘き歌声、天使の響き(中原智子ほか):近江楽堂 *6日(月)音楽と美術の幸せな結婚 「ルーヴル美術館展」の名画と音楽(大塚直哉+ヤマザキマリ):よみうり大手町ホール *15日(金)ラ・ムジカ・コッラーナ:豊洲シビックセンターホール *22日(水)ルネサンス・フルートとサクバットで綴るオデカトン(ソフィオ・アルモニコ):サルビアホール *  〃   ビーバーとケルル 17世紀ドイツとオーストリ...

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2018年7月29日 (日)

「イカリエ-XB1」:ファイナル・フロンティア 前世紀との遭遇

監督:インドゥジヒ・ポラーク 出演:ズデニェク・シュチェパーネク チェコスロヴァキア1963年 S・レム原作(日本では未訳)、1963年チェコ製SFである。『2001年』や『スタートレック』に影響大--となれば、やはり元SF者としては見に行かずばなるまいよ。 2163年、地球外生命とのファーストコンタクトを求めて巨大宇宙船が旅立つ。乗員は科学者の男女40名。船内にはスポーツジムなど娯楽施設も完備、ダンスパーティをやったりもするのだ。(未来のダンスはちょっと笑ってしまうかも) ...

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2018年7月26日 (木)

「私はあなたのニグロではない」:イン・ザ・ヒート・オブ・ヘイト 今ここにある差別

監督:ラウル・ペック 米国・フランス・ベルギー・スイス2016年 ドキュメンタリーというと、普通は特定の個人や出来事をカメラが追うという形を思い浮かべるが、これは違う。 アフリカ系作家ジェームズ・ボールドウィンが遺した30ページのテキスト(朗読はサミュエル・L・ジャクソン)と、彼の演説・講演・TV番組などの映像・音声、さらに過去の様々なメディアの映像をコラージュしたものである。 言ってみれば、近現代の米国における「人種差別」のイメージそのものを描いているのだ。 1957年、白...

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2018年7月19日 (木)

「ミサ・ムンディ 祈りの歌、祝いの歌」:歌う門には神来たる

演奏:セコンダ・プラティカ 会場:日本福音ルーテル東京教会 2018年7月11日 セコンダ・プラティカは器楽声楽合わせて多国籍の9人のグループ。メンバーの一人が日本人(ヴァイオリンの鷲見明香)で、ずっと来日の機会を考えていたという。2回のコンサート以外にも男声だけの小公演やワークショップなどをやったらしい。 この日のプログラムは16世紀ごろを中心に、ポルトガルで歌われた曲を取り上げたもの。3つの種類があって、教会でラテン語で歌われた宗教曲、同じく宗教歌ながら教会の外で作曲家が...

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2018年7月15日 (日)

「クープランとその後」

フランス・バロック トリオの夕べ 演奏:天野寿彦ほか 会場:近江楽堂 2018年7月9日 サブタイトル通り、フランスでクープランが初めて取り上げたソナタ、そしてその同時代や後年の作曲家たちの作品をたどるプログラム。 天野氏以外のメンバーはもう一人のヴァイオリンが吉田爽子、ガンバ平尾雅子、チェンバロ辛川太一である。 クープランとその後継者ルクレールは2曲ずつ。いずれも過去に録音で聞いたことがある作品だった。全体にテンポは遅めで、じっくり強く攻めるといった演奏である。 同時代に宮...

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2018年7月14日 (土)

「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」:ドライヴ・トゥー・フリーダム 決死取材は片道切符

監督:チャン・フン 出演:ソン・ガンホ 韓国2017年 光州事件、当時新聞で見た記憶があるもののその内容はほとんど知らなかった。 韓国でも現在の政権になって風通しが良くなったせいだろうか、過去の事件の内実を暴いたものが堂々と作られてヒットしているようだ。 事前の宣伝だと、在東京のドイツ人記者が民主化運動弾圧の噂を聞きつけ、韓国へ。そこで出会ったタクシー運転手と共に、事件が起こる光州へ潜入する。その二人の絆を描く実話……というような印象だったが、若干違った。 これは「タクシー運...

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2018年7月 8日 (日)

「Ut/Faコンサート」:暑さ寒さもエアコン次第

演奏:宇治川朝政ほか 会場:近江楽堂 2018年6月9日 これまでリコーダーの宇治川朝政とチェンバロ福間彩のユニットとして二人だけでやっていたUt/Fa(ウトファ)、今回はゲスト参加があった。ヴァイオリンの渡邊さとみである。 彼女は宇治川氏とヨーロッパ留学中に同じ学校にいて共演したことがあるとか。以前はフランスでレザール・フロリサンなどに参加していたらしいが、現在は日本で活動中。確かBCJでもお見かけした記憶がある。 単独で演奏するのを聞くのはこれが初めてである。 フランスも...

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2018年7月 5日 (木)

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」:アメリカン・ウーマン 血と汗と涙のトリプルアクセル

監督:クレイグ・ギレスピー 出演:マーゴット・ロビー 米国2017年 公開される前から「アリソン・ジャネイの毒母bombぶりがすごい」と話題になっていた本作、おかげで彼女はオスカーの助演女優賞を獲得したぐらいだ。 1994年に起こった「ナンシー・ケリガン襲撃事件」、フィギュア・スケートのファンでもない私には「ああそんなこともあったな」という程度の記憶しかないのだが、翻って考えれば、ファンでなくても知っているのだから、当時相当の話題になったわけである。 スケートの技術的...

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2018年7月 3日 (火)

「フルート・デュオの世界 その2 有田正広&前田りり子」:吹いてから喋るか、喋ってから吹くか

フルートの肖像 14 会場:近江楽堂 2018年6月2日 同じ会場でバルトルド・クイケンと共演コンサートをやってからはや5年(!o!)も経っちゃたとはビックリ。そして、第二弾はやはり師匠の有田正広とである。 昼夜2回やったが、私は夜の方に行った。 意外にも、二人だけで共演するのは初めてだとのこと。 曲は大体時代順に進んだ。オトテールに始まり、ブラヴェ、W・F・バッハ……。使う楽器もそれぞれ変えていく。 合間にクヴァンツとテレマン、それぞれ独奏タイムもあった。りり子女史演奏のク...

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2018年7月 1日 (日)

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」:オールスター・バトル 世界は君の手に

監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ 出演:ロバート・ダウニー・Jr 米国2018年 「アベンジャーズ」シリーズも遂に3作目。でも、これで終わらなくて後に続編あり、というのは以前から聞いていたが、実際見るとあと一回で片が付くんですか~(>O<)と叫びたくなった。 何せ、マーベルのヒーロー全員集合みたいな感じで(欠席者あり)、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が新たに参入。しかもストーリー上、これが一番重要な位置付けになっているのには驚かされた。あ、『ドクタ...

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2018年6月30日 (土)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 7月版

早くも夏sun突入であります。 *3日(火)フランス音楽の旅 3 ヴェルサイユ盛期(ヴィアッジョ・ムジカーレ):東京中央教会 *9日(月)クープランとその後(天野寿彦ほか):近江楽堂 *11日(水)ミサ・ムンディ 祈りの歌、祝いの歌(セコンダ・プラティカ):日本福音ルーテル教会 ♪14日に横浜公演あり *13日(金)トン・コープマン パイプオルガン・リサイタル:ミューザ川崎 ♪16日に所沢公演あり *17日(火)ゴルトベルク変奏曲 弦楽四重奏版(原田陽ほか):近江楽堂...

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2018年6月27日 (水)

「マドリガーレ・コンチェルタート」:夜景サービス付き公演

モンテヴェルディとその周辺 演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団 会場:豊洲文化センターホール 2018年5月30日 このグループの公演を聞くのは初めて。指揮の福島康晴と各パート2名ずつというメンバーである。 19時開演なのに18時20分開場(自由席)とちょっと早いのはどうなのよ?と思ってたら福島氏が出てきてプレトークをやった。 マドリガーレの発達の歴史をたどる内容で、ア・カペラとは現代で言う意味とは違って、四声の曲があれば声も楽器もそれぞれなぞるということだったとのこと。その後...

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