2021年3月 7日 (日)

「小池百合子 権力につかれた女」

ドキュメント東京都知事の1400日著者:和田泰明光文社新書2020年 著者は「週刊文春」の記者だそうである。都庁や都議会の取材を続けているそうで、あの『女帝』とは異なる観点から描いているのではないかと思って読んだのだが…… 内容は都知事に立候補するあたりからのことだが、大部分が国会の方も巻き込んだ政治家同士の勢力争いなのには驚いた。こんなに勢力争いに力と時間を費やしているのでは、政策を立てて計画・実行する暇なんかないのではと思えるほどだ。誰それと手を結ん...

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2021年3月 1日 (月)

アンサンブル・クセノス第2回演奏会「Vanitas vanitatum 空即是色」:異次元のジェズアルド

イタリアルネサンスの不協和的情感会場:日本福音ルーテル東京教会2021年2月9日 やって来ました~、平日夜の新大久保  さすがに緊急事態宣言下とあって新大久保にしては格段に静かであった。まあそれでも他に比べれば賑やかな方ですかね。久し振りのルーテル東京教会であります。でも以前のような長椅子一つに5~6人というようなことはなく、市松模様配置の座席になっていた。 アンサンブル・クセノスは櫻井元希が中心になって始めた5人組声楽グループとのこと。皆さん、ソロで堂々...

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2021年2月24日 (水)

「メイキング・オブ・モータウン」:音楽と産業、その深い仲

監督:ベンジャミン・ターナー出演:ベリー・ゴーディ、スモーキー・ロビンソンほか米国・イギリス2019年 米国はデトロイトの地に発するモータウン・レーベル。創始者ベリー・ゴーディJr.がスモーキー・ロビンソンと共に爺さん漫才して笑わせつつ、その音楽とビジネスの歴史を語るドキュメンタリーだ。ゴーディが頑固オヤジ風なのに対して、ロビンソンの喋り方がなんとなくオネエっぽいせいもあって対照的でいいコンビである。テンポよく進み……進み過ぎて全く知識のない人には付いていけない可能性はある...

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2021年2月22日 (月)

「ダンサー そして私たちは踊った」:明日なき舞踏

監督:レヴァン・アキン出演:レヴァン・ゲルバヒアニスウェーデン・ジョージア・フランス2019年DVD鑑賞 個人的にはほとんどなじみがない国ジョージアが舞台。ジャンル分けしたら青春ものプラス、ダンスといったところか。伝統的な民族舞踏があり、その舞踏団の研修生たちと同性愛を絡ませて、社会に充満する因習と閉塞感からの解放を描いている。なので公開当時はかなり物議をかもしたらしい。ちなみに監督はスウェーデン系ジョージア人とのこと。 国立の舞踏団だというのに床は剥げてるし手すりは壊れて...

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2021年2月21日 (日)

「真夏の夜のジャズ」:真昼のヨットハーバーにモンクの硬質なピアノが流れるのだ

監督:バート・スターン、アラム・アヴァキアン米国1959年 コンサート映画の名作としてよく知られるドキュメンタリー。これで4回目のリバイバル上映だそうだ。ジャズは門外漢なので今回初めて見た。1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルに加え、同時期に行われたヨットのレース場面、そして風光明媚な港町の光景が並行して(バラバラに)収められている。 一番驚いた点は「なぜにチャック・ベリーが出ているの?」である。当時だとまだジャンル分けが緩いのだろうか。バックのベテラン・ジャズ...

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2021年2月20日 (土)

「スウィング・キッズ」:前半よいよい後半はこわい

監督:カン・ヒョンチョル出演:D.O.、ジャレッド・グライムズ韓国2018年DVD鑑賞 朝鮮戦争中、米軍が管理する捕虜収容所あり。対外メディア向け宣伝のために、捕虜の中でダンスチームを結成させて踊らせようとする。任務を任されたのはタップダンサー出身の黒人兵士である。というわけで、定番『ロンゲスト・ヤード』風にまずダンスできそうなヤツをスカウトすることから開始だ。 デコボコなチームがなんとか息を合わせ晴れて踊りまくる--という感動系ドタバタコメディかと思って見ていると大間違い(...

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2021年2月13日 (土)

「リコーダー・コンチェルトの夕べ」:笛吹く門には福来たる

平尾リコーダー工房40周年記念演奏会会場:石橋メモリアルホール2021年1月10日 緊急事態宣言発令直後のこの日、不要不急だけど県境越えて聞いてきました(^^;なんでもこの平尾リコーダー工房の記念演奏会は10年ごとに開催しているそうな。今回初見参であります。 5人の後期バロック作曲家のリコーダー作品を工房製作の様々な楽器を使って4人(山岡重治、太田光子、浅井愛、向江昭雅)が演奏という趣向。他にヴァイオリン高田あずみを初めとする弦楽アンサンブル、さらに朝岡聡の司会付きという豪...

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2021年2月10日 (水)

「大貫妙子 Symphonic Concert 2020」

会場:昭和女子大学人見記念講堂2020年12月20日 フルオーケストラをバックに歌うのは4年ぶりである。(前回の感想はこちら)共演は、指揮は前回同様に千住明、そしてグランドフィルハーモニックトウキョウだった。 ター坊の曲をメドレーにした序曲から開始。ルグラン風の「グランプリ」はかなり人気の高さで大ウケであった。しかも途中で坂本龍一がゲストとして登場である(聴衆盛り上がる)。なんでもニューヨークから来日して、自主隔離期間明けということだった。彼は「タンゴ」とアンコールで共演し...

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2021年2月 7日 (日)

ネトフリ温故知新「シカゴ7裁判」「Mank/マンク」

「シカゴ7裁判」監督:アーロン・ソーキン出演:サシャ・バロン・コーエン、エディ・レッドメイン米国2020年 「Mank/マンク」監督:デヴィッド・フィンチャー出演:ゲイリー・オールドマン米国2020年 ネットフリックス配信前の限定劇場公開作品で過去の事件を知る。便利な世の中になったもんです。 今は昔、1968年8月にシカゴで民主党大会の際に暴動あり。どこかで聞いたような気が……と思ったら、シカゴ(←こちらはバンド名)がこれを題材に曲を作...

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2021年1月28日 (木)

「ある画家の数奇な運命」:アーティスト人生双六

監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク出演:トム・シリングドイツ2018年 画家ゲルハルト・リヒターをモデルにした映画でナチスがらみだという--となれば、絶対に見なくてはイカン!と勢い込んで見に行った。もっとも主人公の名前は違うし、本人が喜んで監督の取材に応じたにもかかわらず完成後に「こんなのは自分じゃない」と否定したとか。(元々、変わった人物らしい) ナチス政権下での少年時代、叔母が精神病院に入院→ガス室送りとなった前半から、戦後は元ナチス高官の医者だった男の...

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2021年1月25日 (月)

「不確かなロマンス もう一人のオーランドー」:身体と鑑賞の限界

振付・出演:フランソワ・シェニョー音楽監督・演出:ニノ・レネ会場:彩の国さいたま芸術劇場大ホール2020年12月19日 フランス人のアーティストとミュージシャン4人による公演である。本来はもう少し早い時期に3か所でやるはずだったが、時期をずらした上で来日、二週間の自主隔離の後に公演回数を減らして開催された。 内容は三部に分かれていて、ジェンダーを横断する人物をそれぞれシェニョーが歌いつつ踊って表現する。V・ウルフの「オーランドー」同様に複数の時代・人物に転生するというものだ...

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2021年1月20日 (水)

今さらながら2020年を振り返る

ますます更新が遅れまくっている当ブログだが、なんとか振り返ってみる。もう「遅くって当たり前」な心持ちである。 【映画】順不同。大体見た順かも。コロナ禍のために映画もメジャーどころはほとんど公開延期となるか、直接配信になってしまうという状況でありますが、結局『テネット』は見てません(;^^) *『パラサイト 半地下の家族』:地上波TVで放映されちゃったのも怪挙。*『プリズン・サークル』:ドキュメンタリー枠。雑誌「世界」での連載を読むと撮影(と準備)は本当に大変だったもよう。だ...

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2021年1月14日 (木)

映画落ち穂拾い 2020年後半その2

「ファヒム パリが見た奇跡」監督:ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル出演:ジェラール・ドパルデュー、アサド・アーメッドフランス2019年 反政府運動のためにバングラデシュにいられなくなりパリにやってきた父子の実話である。難民として入国するも申請が通らず、父親の働き口もない。しかし、国内でチェスのチャンピオンだった少年の才能が身を助けることになる。言葉もわからぬまま連れて行ったチェス教室にいたのは、優秀ながらガンコ者の指導者(ドパルデュー)であった。...

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2021年1月 6日 (水)

「素晴らしき世界」上・下

著者:マイクル・コナリー訳者:古沢嘉道講談社文庫2020年 おお(!o!)2020年はコナリーが3冊も翻訳出版だ~ --と喜び勇んで読む。相変わらず定年後に非常勤刑事を務めるボッシュと、『レイトショー』で初登場したLA市警深夜勤務のバラードのシリーズが合体である。交互に二人を章立てして過去の事件に迫っていくという体裁を取っており、両者の前作(ボッシュ・シリーズは『汚名』)を読んでいるのが前提条件である。 俄かにボッシュが年齢を感じさせる年寄りモードになって...

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2021年1月 4日 (月)

「美しい瞳よ」:華麗なる恨み節の世界

初期イタリア・バロック ソプラノ二重唱の愉しみ演奏:鈴木美登里&染谷熱子ほか会場:近江楽堂2020年12月11日 久し振りのコンサート。情けないことながら、もう最近はひと月に一回のペースである。この日の主役は二人のソプラノ・ミドリ&ネツコに、さらに鈴木秀美と上尾直毅が共演だった。会場は座席の間隔を開けて席数を減らして(半数?)一日2回公演にしていた。 初期バロックということで、取り上げた作曲家はモンテヴェルディ、カリッシミ、ロッシそしてノターリ(←かなりマイナー)。ほとんど...

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