「ビヨンドtheシー」
製作・監督・主演:ケヴィン・スペイシー
イギリス・ドイツ2004年
歌いまくり踊りまくりのケヴィン・スペイシーである。しかも相当にうまい。その芸達者ぶりにオドロキである。
もっとも、ボビー・ダーリンの伝記作品といっても、彼の事は名前ぐらいしか知らないので似ているかどうかは不明。反戦歌も作っていたなんて知らなかった。ただ、作中で彼が撮影している映画は確かに見た記憶があるんだが……?
最近公開された伝記映画となぜか似ている部分がある。『五線譜のラブレター』とはご本人が「伝記」の作り方に介入しツッコミを入れる所が似ているし、『レイ』とは子供時代の話が頻繁に挿入されクローズアップされているところが似ている。
そして、いずれの作品も偏った一面的な描き方なのではないか、もっと色々あったんじゃないの、という不満を観客に抱かせて解消できない。とはいえ、何十年間もの人間の一生をわずか2時間前後で描こうというのだから仕方ないことなのだろう。(それでも、満足を与える伝記作品は確かに存在するのだが)
私としては、彼と結婚したサンドラ・ディーがいつカツラのことを知ったのか、というのがヒジョ~に気になった。昔、結婚相手が夜に化粧を落としたら「おれはこんな女と結婚した覚えはない!」と離婚した男がいたそうだが、こちらはどうだったのであろうか。えっ?どうでもいいことだって?? でも、人生なんて大半はどうでもいいことの積み重ねなのよ。
それからタイトルの「the」をわざわざカタカナでなくしたのも気になる、すご~く気になる。担当者の意図を聞いてみたい。まさか「目立つから」なんて理由だったら、ナイフを持って暴れるぞー。
結論:ボビー・ターリンの生涯というよりは、ひたすらK・スペイシーの熱意の方に動かされる作品というべきだろう。
ところで、チラシにコメントを載せてる尾崎紀世彦の肩書きが「日本の宝」となってるけど一体何?
主観点:7点
客観点:7点
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