「みんなのうた」(DVD)
監督:クリストファー・ゲスト
脚本:クリストファー・ゲスト、ユージン・レヴィ
出演&歌:クリストファー・ゲスト他多数
米国2003年
米国で公開していた頃から見たいと思っていたのだが、なんと東京地区での公開はあの!六本木のヴァージン・シネマズでの単館上映だったので、結局行けずに涙を飲んだ作品。ようやくDVDで見られた。
擬似ドキュメンタリーの形式で、伝説の大物マネージャーの死を追悼するために、ゆかりの人気フォーク・グループたちが再結成コンサートを開く--という過程をたどったもの。
もちろんそんなバンドは実在せず、すべて役者が実際に歌っているという。これまた見事なパフォーマンスで感心。
しかし、音楽はレトロというか時代遅れでどこかうさん臭い(のように作ってある)し、人物もやはり変テコでうさん臭い。色の波長がどうのという超科学にはまっている夫婦や、いつも意見が一致しない三人組や、細か過ぎて周囲をイライラさせるマネージャーの長男など……。一番面白いのは、脚本や作曲もやっているユージン・レヴィ扮するミッチだろう。精神不安定で挙動不審なしぐさ一つ一つが何やら笑えると同時に、「伝説のミュージシャン、あの人は今」風なものを感じさせるのであった。
音楽のジャンルを問わず、「再結成」とか「追悼コンサート」とか「あの時代」とか「伝説」とか、そういう類いの言葉に音楽ファンは弱いものだ。何かそういうものに接した時のうれし恥ずかしさ、懐かし楽しさ、といった「気分」を確実に感じさせてくれる作品なのである。
アカデミー賞のライブで実際に二つのグループが登場して演奏していたが(歌曲賞を受賞)、ミッチ&ミッキーはちゃんとキスの場面まで再現してくれてたはず。当時はこの映画の内容を知らなかったからボーッと見ていたが、今あの放送をもう一度見れたら感動してしまうかも。
回顧談で穴の空いていないレコードを発売したという話には笑った。買ったら自分で正しい位置に穴を開けなければ聞けない--って、そんなん開けられるか!
それから、フォーク音楽嫌いの、マネージャーの次男がライブ場面で最前列で終始、つまらなそうに聴いているのも笑えた。
DVDにはイースターエッグやミッチ&ミッキーが特別出演した昔の探偵ドラマ(もちろん、わざわざ作ったフェイク)などなどオマケが盛り沢山。果たして全部見終わるか。
主観点:8点
客観点:8点
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