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2005年4月15日 (金)

「バッハ家の音楽会~バッハ家の書棚から」

演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
会場:ハクジュ・ホール
2005年4月10日

ライプツィヒのバッハの家でホーム・コンサートが開かれたらどんな曲が演奏されたか、という仮定に基づいたコンサート。前半はイタリア風味な曲、後半はフランス風味でバロックダンスも加わる。
BCJといっても、演者は鈴木兄弟とフラウト・トラヴェルソの前田りり子にヴァイオリンの若松夏美という小編成。
面白かったのはやはり後半。日頃シリアスな曲として神聖化され過ぎな『無伴奏ヴァイオリン』であるがバロック・ダンス(市瀬陽子)が付くと、やっぱり舞曲なんだなーと納得。
G・レオンハルトが『無伴奏』について近年、バッハの亡妻への追悼曲であるという説についてどう思うかと聞かれた時、「だって、ダンス曲ですよ。私だったらそんなことしません」とあきれたように答えていたのを思い出してしまった。

鈴木雅明のトークによると、バッハの家はえらく狭苦しくて実際にはダンスを踊るスペースなぞなかったらしい。なんでも、彼は立ったまま作曲してたそうだ。
伝記映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』では、狭い教会のバルコニーで楽員と共にギュウ詰めになって指揮していたバッハの姿が描かれていたが、なんと彼は自宅でもギュウ詰めになっていたのである! このような事実を新たに知ると……うーむ、感動です。

その後クープランやリュリも演奏されたが、残念ながらこのホール、椅子の背もたれの高さと人の頭が邪魔になって舞台の床面が見えず、バロックダンスで最も肝心な足先のステップがよく見えないのだ。
音が良いから最近ここは人気があってよく使われるようだが、正直それ以外の点では客にとって優しいホールではない。座席の真ん中に通路がないので、中間の座席だと外に出づらい。座席自体の大きさも、前後の間隔も余裕がなくとにかく狭苦しい。あまり広くない面積になるべく客を詰め込もうとしたかのようだ。それに7階にあるのでエレベーターしか使えないのもあまり歓迎できない。聞きに行きたかったが、このホールでやるので止めてしまったコンサートが幾つかあったほどだ。
好きなアーティストがなるべくこの会場を使わないように祈るばかりである。

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