猫の目星雲とキューブリック
岩波新書から出ている『ハッブル望遠鏡の宇宙遺産』(野本陽代)の表紙の写真を見た時、「ん?どこかで見たような」という既視感に襲われた。それはハッブル望遠鏡が捉えた「猫の目星雲」という星雲の天体写真だったのだが、思い浮かべたのは『2001年宇宙の旅』の一場面だった。スターゲイトコリドーに続いて、混沌の海からの生命の誕生なのか、宇宙での星の興亡なのか、マキシの世界にもマクロの世界にも受け取れる映像が現われる。その中に件の写真を連想させるものがあったのだ(色彩は違うけど)。
で、「うむむ、やっぱりさすがキューちゃんスゴイ!」 \(^o^)/などと単純に感心してしまうのだった。当時はそんな詳細な写真は存在しなかったろうし。
興味のある方は本屋で実物を眺めて下せえ。
関係ないけど、「猫の目星雲」て名前を聞くと、なんだかますむらひろしの「アタゴオル」シリーズを思い浮かべてしまう。酒ビン持ったデブ猫ヒデヨシが夜空に向かって「イエィッ、猫の目星雲!」などと叫んでいそうな感じ。
さて、最近のキューブリックの話題というと『ニューズウィーク』6月1日号に紹介記事も出ていた、出版されたばかりの『スタンリー・キューブリックの記録The Stanley Kubrick Archives』だろう。〈重さは「超ヘビー級」〉とあるし、ネット販売のサイトではなんと2万円近い値段が付いている! かなりの大判の本なのだろう。
内容は、前半がスチール写真、そしてエッセイ、インタビュー、追悼文、さらにご本人のインタビュー映像のCD-ROMも付録についているという。スゴイね。もはや、キューちゃん本としては決定版と言ってもいいかも知れない。
はたして、これの日本語訳は出版されるだろうか? 無理そうな予感……。
しかし以前、白夜書房から出ていたやはり大冊のM・シマンの研究本ももはや入手不可能らしいし、ここは是非どこかの出版社がド~ンと威勢良く出して欲しいもんである。
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コメント
こんにちは
面白くて一気に全記事を拝読いたしました。私もニフにいましたが、このような文章をお書きになる方にはついに出会うことができませんでした。一度に何件もトラックバックさせていただきましたが、ちとお許しを。
キューブリックいいですね。「2001年」もいいですが「時計仕掛けのオレンジ」も。
投稿: Rough Tone | 2005年6月14日 (火) 04時43分
コメント&トラックバックありがとうございます。
ニフでは映画フォーラムやクラシック・フォーラムに出入りしてました。
キューブリックは『博士の異常な愛情』や初期の『現金に体を張れ』も大好きです。
新作がもう見られないのが残念……。
投稿: さわやか革命 | 2005年6月15日 (水) 22時40分