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2005年7月 1日 (金)

ビーバー「ロザリオのソナタ」全曲 第3回「復活」

内容:第11番~第16番
演奏:桐山建志、大西律子、武久源蔵
会場:東京オペラシティ近江楽堂
2005年6月28日

半年かけて三回にわたる全曲演奏会の遂に最終回である。今回は、キリストの復活とさらにその後の聖母マリアの物語が(というか、そもそもマリアのための曲集なのだが)5曲に分けて描かれる。

これまでは鍵盤楽器はオルガンだけだったのが、何か見慣れぬ小型のチェンバロみたいの(しかも、そこら辺の材木で作って組み立てたような)が置いてある。開場が遅れた上に、ようやく中に入るとそれを武久源蔵が必死に調律しているのであった。
な、なんとこれがあの!……というよりは、名前を一度聞いた事があるかないかという超マイナーな「ラウテンベルク」(ガット弦を張ったチェンバロらしい)なのであった。
で、おりしもムシムシムシと暑くて(東京で36度を記録した日)フツーの古楽器さえ大変な気候なのに、このように大型でガット弦を使用している楽器ではもはや話にならぬ。ということで、5分ほど解説を喋っている間にもすぐ音程が狂ってきてしまうのだった。

そんなわけで、前半では曲自体より調律しているのを聴いている方が長かったように感じたほどだ。
そして、曲中でなんと右手でラウテンベルク、左手でチェンバロを弾くという大技を見せてくれたのだが、休憩を挟んだら完全に楽器がダウンして使えなくなってしまった。恐るべし、日本の夏!

前回にも書いたが、曲ごとにバイオリンの調弦が異なるという変な曲集なので、それを変える間に武久源蔵の解説が入る。その解説がまたおかしくて、後半の曲のマリアが昇天して天の女王になるというのは聖書には出て来ない話なのにカトリックの間には伝わっているので、カトリックの友人を捕まえて「マリアが神様になるというのは変ではないか」と問い詰めたが、はかばかしい答えは返って来なかった--などと場内爆笑させてくれた。

最終曲は物語のタイトルのないヴァイオリン・ソロの「パッサカリア」でこれだけは、全三回の中で毎回演奏された。おりしも同じ晩にあった寺神戸亮のソロ・コンサートでもやはりこの曲が演奏されたはずである。ビーバーもよもや極東の島国の同じ都市で同じ時間に自分の同じ曲が演奏されるとは予想だにせず、墓の中でビックリしている事だろう。

ともあれ、バロック・ヴァイオリンの音色をお腹いっぱい耳いっぱいにもう入らないぐらいに聞きまくった、と感じた夜であった。収容人数120人ぐらいの極めて小さな会場なので、もう身近にガンガンと聞くことができてシ・ア・ワ・セ(*^-^*)

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