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2005年8月22日 (月)

「やさしい嘘」

監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
出演:エステル・ゴランタン
フランス、ベルギー2003年

DVDにて鑑賞。
フランス人の監督がグルジアを舞台にした話を、現地の役者やスタッフを一部採用しつつ作った映画--ということでいいのかな。
祖母・母・孫娘の3人で暮らす女家族--祖母の息子(母の弟)はパリへ出稼ぎしていて、手紙をよく送ってくる。が、弟は事故で急死。そんな事を知らせられんと母と孫娘は手紙を偽造して生きているように見せかける。だが、ばーちゃんはなんか変だと思い始め……という次第。

旧共産圏を舞台に、母親に対して何かを隠す--というと、すぐ『グッバイ、レーニン』が思い浮かぶが、かなりタッチは違う。こちらの作品では劇的な表現方法は一切使われていない。ハリウッド映画風の音楽を使ってドドーンと盛り上げるような場面は皆無である。そういう点では極めて新鮮に感じる。

政治体制が激変した社会のある種の鬱屈や世代の断絶は『グッバイ、レーニン』と共通しているといえる。
首都でもインフラが整備されてなくてすぐ停電やら断水が起こり、ばーちゃんが「スターリンの時代ならこんなことは無かったよ」とぶつぶつ言う。一方、孫娘は花の都パリに憧れ、母はひたすらイライラしているのが描かれる。

この物語の肝心なところは、母子があまり仲が良くないということだろう。特に祖母と母の関係は完全にねじくれている。そのような微妙な親子間の齟齬が背景にさり気なく描かれていて、その齟齬があってこそあの結末を導き出るわけだ。(ネタバレになってしまうので詳しく言えんが)

面白くて良い話だと思うし、感心もした……が、個人的に好きかというと微妙である。よって主観点は低めにした。

あと、この映画最大の話題は85歳で映画デビューしたというばーちやん役のエステル・ゴランタンだろう。これに出演した時は90歳近かったというが、若い! 映画の中のファッションもおっしゃれ~。私も見習ってまだまだ頑張ろうという気に……はならずにゴロゴロしているのが問題なのだが。反省。
孫娘役のディナーラ・ドルカーロワはハイティーンの設定なのだが、実際は四捨五入すると三十になってしまう年齢と知ってまたビックリ。若いです(@_@)


別の話になってしまうが、とある採点制の映画感想投稿サイトを見てたら、この映画について若い男性の書いた感想でこんなのがあって驚いてしまった。
それは、ばーちゃんが自分の娘(母)より息子かわいがるのは共産主義体制下で生きて来たからで、つまり娘をないがしろにし息子の方を大事にするのは共産主義思想によるものだというのである。
思わず読んでて目が点(・o・)になってしまった。母親が娘より息子を可愛がり、しかもそれを本人たちの前で公言してはばからないというのは古今東西、数千年の昔から現在まで、南極大陸の遥か彼方からアフリカの名も知らぬ小国に至るまで(多分)共通のごくありふれたことである。それが母親というものの(全部とは言わんが大多数の)本質なのだ。別に政治体制や教育は関係ない。
それをリアル中坊ならともかく二十歳過ぎの大人が分かってないというのは……( -o-) しかもイデオロギーだと思い込んでいるってのはどーしたもんか。
二十ウン歳でこれでは、この先改めて理解するという事もあるまい。日本の未来が心配である。
--なんつって、まあ日本の未来なんてどうでもいいんだけどよ。


主観点:5点
客観点:7点

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