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2005年9月15日 (木)

沈黙のスパイラル

ウツだ……。

正直に言おう。「干からびたチーズ」ことミモレットで騙された恨みを晴らすことはできなかった。渾身の気合いをこめてエイヤッと投票したんだけどねえ……。やっぱり一票だけじゃ力足りなかったようで。
だが、食い物の恨みは恐ろしいのであ~る。この恨みはゼッテー忘れない! いや、ミモレット自体はおいしかったんだけどさ(^^ゞ 騙されたことは墓の下に入るまで忘れねーのよ。

愚痴はこれくらいにしておいて--
選挙の前夜にケーブルテレビで「葉千栄のNIPPONぶった斬り」という番組を見た。その日は姜尚中、小森陽一、水島朝穂、草野厚、という面子で選挙のことを討論していたのだが、小森陽一の話の中に「沈黙のスパイラル」というのが出てきた。
「沈黙の螺旋(スパイラル)」というのは通常、圧倒的な多数派が存在すると少数派は沈黙してしまう、というような現象のことを指すらしいのだが、この時の話に出てたのは少し違う。(と言っても元ネタは同じ研究によるものなのだろうが) 恥ずかしながら全然知らなかったことなので、とても興味を引かれた。

どんなものか、ちょうどうまく説明してるHPを見つけたので引用させていただこう。
こちらの「民主主義のパラドックス」という章から(注-このページは非常に文章の量が多いのでページ内検索をかけて探さないと見つからないと思われるので注意)
 

その本質は論理による獲得ではなく、心情による動員だ。ナチスの宣伝戦を総括したゲッペルス宣伝相の戦略は「沈黙のスパイラル(螺旋)」といわれる。第1段階:ファナテイックな断定的な大声で反論を許さない→第2段階:その主張の中身の吟味を許さない→第3段階:敵・味方の二分法による選択の強制→第4段階:大衆動員と異端の排除、恐怖による吸引である。

このような手法をコイズミが使っているというのだ。確かにそのまんまである。やはり過去の事例を研究したのであろうか。
なお、ついでに人々がなぜわざわざ自らのクビを絞めるような方向を選ぶのかという理由も同じ記事に書かれているので引用させて貰おう。
 

真実を言う論理は、疲れ切った労働の後ではめんどくさく単純で一刀両断する言い方に惹きつけられる。それでも論理を云う人には、感情的な反発と敵意によって自分の不安を隠蔽しいじめにかかる。(中略)遂にはデモクラシーそのものへ敵意に転化して、独裁を自ら期待するようになる。

  (誤表記とおぼしき部分を訂正)

ムムム。ウツである。暗い……。

さて、テレビ番組の方に話を戻して4人が選挙後の展開の予想として挙げたのは次のような事態である。
*今回の選挙は国民投票のリハーサルである。しかし、国民投票は毒薬でもある。
*自民党はぶっ壊れるが、官僚制はそのまま継続する。
*次の参院選は憲法改正のみを焦点とした国民投票的選挙になる。
さらに
*郵政問題は実際には外交・経済・政治が全て一体となり連動した問題であるにもかかわらず、マスメディアはそれを全く報道せず、国民はそれを理解してないまま選択しなければならないのは大きな問題である。

……ということで、結果が出たわけだ。
ますます暗い。もうダメだ~(x_x)

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コメント

記事の内容には、激しく賛同いたします。

もりぷとんの先日からヒトラーの実際の歴史を読んでいて、当時のナチス党のやり方と、あまりにも酷似した政治手法が気になっています。

選挙直後には、日本の無党派層ってアホばかりなのか?とも思いましたが、一般大衆なんて~のは、この程度なんでしょうね~。

これから増税もガンガンされて、生活は苦しくなると思いますが、憲法改正の話題になったら、ちょっと気合をいれないといけないと思っています~。

投稿: もりぷとん(Moripton) | 2005年9月15日 (木) 04時10分

 記事で引用されておられる「沈黙の螺旋」の手法を見て、ジョージ=オーウェル「1984年」に出てくるビッグブラザーの支配する全体主義社会の、大衆を支配する手段を思い出しました。

 1984年といえば、フィクションでなく、実際の1984年に製作されたイギリス映画「1984年」のビデオの、画質の悪い海賊版がなぜか手元にあります。けれどぼろぼろで画像も乱れて見るに耐えません。なかなか示唆に富んでいるので、そのDVDを探しているのですが、なかなか手に入りません。

 ちなみに1984年当時の私は、J.S.バッハとデュランデュランと阪神タイガースの好きな、ちょっとひねくれたガキんちょでした。

 この記事を興味深く拝見して、リンク先の荒木先生のサイトに記事を参照に行ったところ、まったく別の記事に反応して、勢いでエントリをひとつ書き上げてしまいました。わけわかんないトラックバックは、そのエントリです。すみません。

投稿: Rough Tone | 2005年9月16日 (金) 05時57分

 >もりぷとんさん
小選挙区制のマジックで結局500万票という数の動向で今回の結果になってしまったらしいですね。ただ、それがどこに流れるかというのは政治学者も予想できなかったようで。

憲法改正の行き着く先は、神奈川が米軍の最前線になるということだそうです。ということで県民は荷物をまとめといた方がいいかもですねえ。

 >Rough Toneさん
「1984」は確か新宿で単館公開されてて見に行った記憶があります。しかし、その後の自民・民主の内部のドタバタは「博士の異常な愛情」の終盤あたりに似ていなくもありません。

それにしても1984年ですか……何してたかなあ。映画は「ナウシカ」に「ターミネーター」。いずれも「未来は暗い」という話ですな。
音楽はMTV全盛期ですよね。ちょっと調べてみたらマドンナ、ビリー・ジョエルにフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド--ですね。いやあ、懐かしい。ん?どうしてこんな話になったんだ??

投稿: さわやか革命 | 2005年9月17日 (土) 09時38分

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