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2005年10月28日 (金)

「運命じゃない人」は今後に期待

監督:内田けんじ
出演:中村靖日
2004年日本

珍しく邦画を見に行った。もしかして「ハウル」以来か? 実写の邦画となるともっと……(汗)。低予算のインディーズ映画ながら面白いと評判、カンヌでも賞を貰ったそうな。あまりに評判いいんで、どんなもんかいなと見に行ったのである。

恋人に振られて落ち込んだままの、お人好しながらサエない男が、友人の強引なとりなしで一人の家出娘と知り合う。しかし、あっという間に娘は立ち去ってしまう。その間わずか数時間。だが、新たな恋の芽生えに男は生きる活力を見出すのであった--。

というのが「表」の話。この微笑ましいがいささか退屈な恋(未満?)物語の背後には、実は恐るべき事件が起っていたのであ~る!
で、残り三分の二では複数の人物の視点による同じ時間帯の出来事がそれぞれ何度も語られるという次第。時間軸をひっくり返すような作品はこれまでにも幾つもあるが、これはアイデアの勝利と言えるだろう。最初に見て思ったことが後半で全くひっくり返されてしまうのは驚き。これで終わりか、と思ってるとまだ意外な真相が出てきたりして見事なもんである。

さて、日本映画でも低予算でも、脚本とセンスでここまで出来るんだー、ということでネット上の感想意見は絶賛状態だ。ここで対照的な意見を紹介しよう。

桂木ユミの「日々の記録とコラムみたいなもの」
Cinema-Absolutism

私の感想は、「愛すべき小品」ではあるが、そんなに大絶賛するほどか?という感じである。大絶賛しなけりゃいけない、というのが日本映画の現状を示しているのかも知れない。まあ、この監督の次作に期待。
東京での公開は終わってしまったが、レンタルDVDで出たら是非オススメ。巻き戻して何度もチェックして見ると面白さ倍増かも。

あまり作品自体の評価には関係ないが、普段外国映画ばかり見ているせいか、役者の発声が人によって違うのが気になってしまった。テレビとか劇団とか出身の違いのせいなんだろうけど……。一番明確な発声してたのは元恋人役の人かな。
それから主人公のマンション豪華過ぎ! あんなの若いサラリーマンが購入したら五十年ローンで、三食梅干しご飯じゃないととても払えません!(ローン持ちとして断言)

役者は探偵役の人がちょっと気になった。なんだかいつも曖昧な笑みを浮かべているように見えるんだが、それが演技なのか、それとも真面目な顔をしているのにそういう風に見えてしまうんだか、本当はもっと笑っているはずなのにそう見えないだけなのか?分からない。 重要な役だけに目についてしまった。


主観点:7点
客観点:7点

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