「星の王子さま」で物質的な富を稼いだのは誰よ?
岩波書店のPR誌『図書』10月号の「こぼればなし」(編集後記にあたるページ)の文章が目についた。
著作権消滅に伴い『星の王子さま』の新訳が次々と刊行されていることについて、
すでに六〇〇万人の読者を得た先行訳の成功のお裾分けにあずかろうとするこの新訳ラッシュの背後には、ひたすら生産し、ひたすら消費し、ひたすら利潤を追求するという市場原理が見えかくれします。
これを読んで「ムッ(=_=;)」と思ったのは私だけであろうか。まるで『星の王子さま』が岩波の独占所有物であるかのようだ。
それと、たとえば『ナルニア国物語』の映画化だってまさしく原作の「成功のお裾分け」にあずかろうとしているのに他ならないのだから、それに便乗して出版元が儲けようとするのもまた「ひたすら利潤を追求する」ことなのではないかね?
一義的には精神的な富の取引を目的とする出版社が、ベストセラーの再開発に血の道をあげていていいのかどうか……。
お~や、エンデやル・グインのドル箱ファンタジーの廉価版を、なかなか出さずにハードカバーでしっかりと稼いだ出版社のお言葉とは思えません。
そういうことだったら、絶版入手不可能状態になっている岩波文庫・新書の名著の数々を復刊して、さっさと手に入るようにしていただきたいものである。よろしくっ!
【関連リンク】
「星の王子さま総覧」
【追記】
数行、後から追加しました。
| 固定リンク | 0
コメント
まったくだ!岩波書店てそうだったのか…問題の「星の王子さま」は、岩波の訳を果して今新しく出ている諸々が超えられるか、かなり懐疑的なのだけど…岩波少年文庫にはなぜか好きなお話が多くて「ああ時間とお金さえあれば読みまくりたいぃ」と思わせられる魅力があるのだけれど…絶版許せんよね。それにそれにホント早く「ゲド戦記」の文庫出してぇ~全巻揃えるお金がなくてまだ読んでないんですう!
投稿: KIM | 2005年10月21日 (金) 03時07分
KIMさん、コメントどうも。
|問題の「星の王子さま」は、岩波の訳を果して今新しく出ている諸々が超えられるか、かなり懐疑的なのだけど
まあ、元々大人向けの本ということで、そこら辺をどう訳してくれるかによりますねー。
|全巻揃えるお金がなくてまだ読んでないんですう!
取りあえず、お近くの公共図書館の児童室でお借りになるのが吉かと。私もよくよく考えてみれば自分ではまだ買ってはいません。
投稿: さわやか革命 | 2005年10月22日 (土) 21時59分