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2005年10月27日 (木)

エスペリオンXXIの公演にガックリきたぞ

タイトル:時代と瞬間
会場:王子ホール
2005年9月30日

ジョルディ・サヴァールはスペイン出身のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者にして指揮者。この分野ではパイオニアにして最長老の部類に入る。--といっても、まだそんな歳じゃないんだけどね。
取り上げる音楽は中世からバロック・古典派まで、さらに中近東や古いユダヤ人の民謡もやったりする。ジャンルによって大小色んなグループを指揮していて、エスペリオンXXIは小規模な方の団体である。

で、今回は十年ぶりぐらいの来日。古楽の世界では超が付くくらいのビッグ・ネームなので大期待していたのであった。しかも、内容は「ドン・キホーテ」だという。(今年は確か「ドン・キホーテ」イヤーか?)
ところが、実は来日情報を知るのが遅くて、武蔵野市民文化会館の分は例の如く完売。紀尾井ホールはなぜか昼間2時からの公演で、仕事休まないと行けないじゃないのさっ。なんなんだ、こりゃ。
結局、本公演ではなくて東京で一回だけやるサヴァール一家総出演の特番(←というのか?)のチケットしかゲットできなかったのであった。

さて、その公演の内容はアラブやイスラエル、ギリシャ、スペインの民謡・伝統音楽が中心。前回の公演ですごい演奏を聞かせてくれたパーカッションのペドロ・エステバンは今も健在。打楽器を叩く、撫でる、はじく、突っつく……などなどあらゆる手法を駆使して演奏してくれたのであった。これを神業と言わずしてなんと言おうかっ!てなもんだ。外見も長いヒゲ生やして雲の上の仙人みたいだが。(^O^)
サヴァール夫人にしてソプラノのモンセラート・フィゲーラスはどうもCDで聞くとあまり声質が好きではないんだが、ナマだとそんなに気にならない。中世やルネサンス期の曲の歌い手としてはやはり群を抜いているなあと感心。

だが、癒し系みたいなヴォーカル&ハープの娘とテオルボ弾き語りする息子は……勘弁してくれよ~。その手の音楽だったら、他にもっと優れたミュージシャンがゴマンといるっつーのに。そんなもんにわざわざ金を払って来たんじゃねーぞ。(*`ε´*)ノ☆
特に息子の方は中近東風の節回しで自作の曲を歌い出すはいいが、段々となぜかS・ワンダー風のコブシに変わってきたりして(-o-;) しかもまた、二人の曲が長いんだ。退屈しちゃう。

肝心のサヴァールのソロはあまりなくてガックリ。トバイアス・ヒュームの曲でやってくれたような超絶技巧プレイがもっと聴きたかったのにさ。
次はいつ来日してくれるか分からないのに、これはあんまりな内容であった。私はガックリと肩を落としてホールを出たのである。

ところでパンフやチラシには「エスペリオンXXI」のローマ数字の部分に「ヴァン・テ・アン」とフリガナが降ってあるが、この部分は各国の言語で読むことに決まってたんじゃなかったのかね。(つまり「えすぺりおんにじゅういち」)
まあ、招聘元つーのは本人たちが分からんと思ってよく勝手なことするからな。ええい、こんな事にも腹が立つぞ。

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