「クライシス・オブ・アメリカ」:どんな陰謀よりメリルかーちゃんがコワい
監督:ジョナサン・デミ
出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ
米国2004年
ビデオにて鑑賞。
米国で公開されている時に紹介番組で見て面白そうだと思ったのだが、実際に日本に来たら東京の外れのシネコンでしかやってくれなくて、メンドくさくなってあきらめた映画である。ようやくレンタルで見ることができた。
オリジナルの『影なき殺人者』は子供の頃テレビ放映で見たような気がするのだが、もしかしたら他の映画と勘違いしているかも知れない。
湾岸戦争から復員して来たとある部隊の将校や兵士が悪夢に悩まされる--ということから徐々に明らかになる恐るべき事実!という話だが、旧作品は冷戦下での敵国の謀略ということだった。これは当時の状況を考えるとそれなりに説得力のある話だと思える。
しかし、このリメイク版では巨大とはいえ一企業の陰謀ということになっている。いくらなんでもそんな面倒なことするかいな、とにわかに興醒めに感じてしまうのは私だけか。もちろん、ブッシュ政権の存在をモデルにしているというのは分かっていてもだ。
さらに元兵士の母親の盲愛とでもいうべき行動の描写がかなり重点を置いて描かれているので、「企業の陰謀」が余計に弱まって見える。
というか、このM・ストリープ扮する母親にして上院議員が迫力あり過ぎ!コワー! 完全に他を食ってしまっている。あんまり迫力あるんで息子を副大統領にするより自分が直接なった方が早いんじゃないかと思えるくらい。
む?待てよ(?_?)もしかしてこれのモデルはちゃらんぽらんな某国首相とその陰の立役者の姉じゃろうか!(>O<)ギャーッ
さらに後半は『X-ファイル』まであと一歩、という感じのトンデモな真相が明らかに。前半はフェイドアウトを多用した編集でミョ~に不安をかき立ててくれて、よかったんだけどね。さすがに上手い、と感心するのだが後半はメチャクチャな展開で「ありゃりゃ?」となってしまう。
トンデモ映画になりそうなのを辛うじてとどめているのが、脇の役者のおかげか。ジョン・ヴォイト、ジェフリー・ライト、ブルーノ・ガンツに加えB級サスペンス常連(^-^;のミゲル・フェラーなど曲者揃いだ。だが、肝心の主役のD・ワシントンが今イチ。別に彼でなくてもいいような役に見える。
ということで全ての面で中途半端な感がぬぐえない作品であった。期待してたのに残念。
主観点:6点
客観点:6点
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