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2005年11月17日 (木)

「「おろかもの」の正義論」(小林和之)

筑摩書房(ちくま新書)
2004年

うーむうーむ(=_=;)と考えさせられる本である。いや、別に難しくはない。むしろ平易だといえるだろう。訳ワカラン用語や思わずビビる人名などは全く出て来ないし、文章も極めて易しい。これは読者に考えさせるための本なのである。

まず、あの「どーして人を殺しちゃいけないんですか」という問いの答えを提示する事から始まる。そこから、何が正しくて何がいけないのか--という事には二種類あるということが明らかにされる。すなわち「地球が丸い」ということが「正しい」ということと「困っている人を助けるべきだ」ということが「正しい」というのとは違う。前者は事実であり、後者は規範である。

……というような所を起点として臓器移植、死刑、交通事故、国家、選択の自由などについてを考えていく。そうすると、「人間の死には二種類ある」とか「選択の自由は強者と弱者の差を広げる」とか「我々の社会は人をひき殺してもよい社会である」などという結論が出てしまうのだ。

そうして、最後に著者は「子どもを作る者に課税をする」(←逆ではない)という試案を検討する。そのきっかけは「子どもを作らない女は自分勝手であり、課税すべきだ」という政治家の発言であったという。
論理的に突き詰めていった結果、政治家の発言とは逆の結論に至る。もちろん、それを主張するためではない。物事をどうやって考えていったらいいのか、「正しさ」とはどういう事か、そんなものは本当に存在するのか--それらを考えるための道筋を示しているのである。
そういう意味で「考えさせられる」本なのだ。

しかし、現実としてこのような冷静な議論が出来るか、というとねえ( -o-) sigh...
声がデカい方が勝ちだもんな。

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