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2005年12月23日 (金)

「ゲント美術館名品展」:なぜか企画展より常設展に目移りが

サブタイトル:ヨーロッパの薫り、花の都から 西洋近代美術の中のベルギー
会場:埼玉県立近代美術館
2005年10月29日-12月25日(常設展:11月2日-2006年1月29日)

美術館の名を冠した所蔵品展というのはほとんど見に行ったことがない。その館が特定の方針で収集しているならともかく、そうでない場合は総花的になってしまい、結局あまり興味のない作品を見る破目になってしまうからだ。

で、まあこのベルギーの美術館の近現代コレクションについてもそうなってしまった。19世紀頃から時代順に並んでいるが、なんか美術史の教科書みたい。つくづく新古典派や印象派など自分は興味がないなあと感じながら見ていた。
イイっ!と思えるのは象徴主義の時代に入ってクノップフに入ったあたりから。30センチぐらいのところまで接近してジロジロ眺めてしまう。ス・テ・キ(*^^*)

それからアンソールはコーナーが設けられていて、天使やらキリストさんやらさらには画家本人が悪魔にイヂメられてる変な絵がいくつもあって、こういうのを見ているとやたら嬉しくなってしまうのであった。少し前にやってたアンソール展に行けばよかったと激しく後悔した。

全体的に、フランスやドイツなど周辺国の画家の作品が多い。また一方で、ベルギー出身のはずのマグリットやデルヴォーをフランスのアーティストと無意識に見なしてしまうことがある。
歴史的にはルネサンス期に独自の文化を生んだ地域だが、それ以降は周囲の国の影響に押されてたのかなあ、という感じがした。

どうでもいいことだが、同じタイミングで入場した客に、デカい声で作品の印象を語り合うオヤヂの集団がいてうるさくて参った。また、そいつらがアンソールあたりは興味ないらしく見事にすっ飛ばしちゃうんだよねえ。私と嗜好が全く逆なんで余計に腹が立った。


その後、常設展に向かう。埼玉県立近代美術館の所蔵品コーナーではなにげにユトリロ、モネ、デルヴォーなどの名品が並ぶ。埼玉県民の皆さん、こりゃ県民の誇りですよっ。
「駒井哲郎の世界」は、陰影のある幻想的な版画の小品。思わず夢の世界に……。まとめて寄贈されたものだそうな。

そして「アーティスト・プロジェクト--関根伸夫《位相-大地》が生まれるまで」は、こりゃすごい見もの。1968年に彫刻展に参加するのを決めたはいいが、なんにも思いつかなくて、追い詰められて、急きょ、会場の公演の土を円筒形に掘り出し、地上に同形の巨大オブジェ(高さ3メートルとか)をその土で作ってしまった--という記念的(かつ、いい加減な)プロジェクトの記録である。
展覧会終了後は元に埋め戻されたらしいが、いわゆる「もの派」の起点となった作品らしい。その作業のスライドや関連作品、また作者の初期作品などを展示。正直なところ、企画展よりこっちの方が実に面白かった。困ったもんだ。
今はもう存在しない作品が不在であるからこそ持つ存在感、というような奇妙にねじくれたものが感じられた(単なる過去の作品の美化、というようなものではなくて)。ドキドキワクワクしてしまう。
もう閉館時間間近だったので、じっくり見られなくて残念無念。

それにしても常設展の方はあまりに客が少ない、と思ってたら、企画展とは別に料金取るのねー(半額になるにしても)。普通、企画展のチケット買うと自動的に常設展も見られるもんじゃないの? でないと地味な常設展を見に来る人はあんまりいないと思うんだが。折角、展示してるんだから勿体ない。関係者に再考を促したくなっちゃうよ。

……などと考えながら京浜東北線に乗ったら、東京方面に行くはずがなぜか窓の外は大宮駅終点に(!o!) ウッカリ逆に乗ってしまったのであった(x_x)トホホ

ところで、「かつては非常に面白い企画をやってたのに今はパッとしない美術館」というのが、ここと目黒区美術館なんだけど、やっぱり担当者が変わっちゃったのかな(いや、そもそも運営団体が変わった?)。

【関連リンク】
埼玉県立近代美術館

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コメント

はじめまして。(FMOVIEでハンドルをおみかけしていました!)TBさせていただきました。
ここの常設展示室,ホントにお客さんが少ないですねえ。ボランティアによる解説ガイドによれば,今回の西洋近代の名品コーナーは,オールスターキャストだということでしたが。とはいえ,駒井哲郎の作品を独り占めできたのは嬉しかったです。

投稿: バウムクウヘン | 2006年1月 7日 (土) 08時09分

こちらこそはじめまして。コメントどうもです。

|FMOVIEでハンドルをおみかけしていました!

ええっ、そうでしたか。これからもどうかごひいきに(ペコリ)。
駒井哲郎、あんまりにも見てる人がいなかったんで、どうせなら一枚ぐらい貸してくれんかなー、などと思ってしまいました。あ、もちろんデルヴォーでもいいですけど。

投稿: さわやか革命 | 2006年1月 7日 (土) 22時27分

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埼玉県立近代美術館へ行ってきました。 只今《ゲント美術館展》を開催中ですが, [続きを読む]

受信: 2006年1月 7日 (土) 07時51分

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