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2005年12月25日 (日)

Team ARAGOTO「エビ大王」:新感線かと思ったらシェイクスピアだった罠

出演:筧利夫 他
会場:青山劇場
2005年12月14日

筧利夫が新しいユニットを作って時代ものをやるとか--。となると、てっきり新感線みたいなエンタテインメント活劇かと期待して行ったんだけどね。

が!全然違った。
原作は数年前に韓国でヒットした劇を翻訳したものだという。頑迷な王が世継ぎの男子が生まれず女子ばっかりなのに腹を立てて--というのは、日本の女帝がどうのこうのという話そのまんま。東アジア特有のネタなのか。
で、娘婿二人に国を二分割して任せる--ってのは、「リア王」じゃないですか。おまけに南北分断も想起させる。
さらに王様は国中を流浪の果てにおちぶれて、末娘は反乱軍を蜂起--ますますリア王だーっ。となると、ドジな死神は道化の代わりか?

結局、終始シリアスで重苦しい(途中で若干ギャグが入るが)ままだった。
だが、チャンバラ活劇ならともかく、シェイクスピアでは役者一同まだ十年~三十年早過ぎですよ。

さらに、そもそもひどい男尊女卑の話なのだが(もっとも今の日本の政治家でも平気でこのテのこと発言するヤツはいるからなー)、それを現代の社会で上演する限りはそれについていかなる立場を持っているのか、上演する側ははっきりさせなければならないと思う。
ようするに、この王様が男子に王位を継がせたいと必死になるのは当然だと考えているのか、昔のことだから仕方ないというのか、それとも「旧弊なエビ大王、逝ってよし」と見なしているのか、さっぱり分からないのである。
「女の子を大切にしてれば男の子も授かったのにねー」ってなことで、最後は理屈もなく「家族」に帰着してしまうんじゃ、高い金を払って観た価値がねーのよ。

ということで、結論は「騙されたーっ」であった。

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