古楽(2005~2008年の記事)

2010年11月21日 (日)

「寺神戸亮×上尾直毅 J.S バッハ」:秋深き隣はバッハを弾く人ぞ

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会場:松明堂音楽ホール
2010年11月13日

考えてみれば、こんな小さなホール(収容人数80人か)で寺神戸氏の演奏を間近に聴くのは初めてかも。
この公演では「一人目のナオキ」こと上尾直毅との組合わせでバッハをやるという、ある意味「王道」なプログラムであった。

曲目はヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのソナタを3曲。もはや二人のコンビネーションに文句は付けようがありません!完璧goodであった。
一曲、スパッラを使ってガンバ&チェンバロのソナタを演奏した。寺神戸氏は今ではすっかり自家薬籠中のように楽器を弾きこなしていた。ただ、ガンバのような渋い音じゃなくてもうちょっと軽めupの音に聞こえたんでここは好みが分かれるところだ。

ナオキ氏は独奏でトッカータを一曲。爆奏に近い力強さで会場の喝采を受けていた。「一人目」はダテではないのを見せつけ……でなくて、聞かせつけたのであった。

チラシの解説を読むと、オブリガート・チェンバロの入ったソナタを「通奏低音からの脱却」として近代的なヴァイオリンとピアノのソナタへと向かう端緒として見なしているようだ。
だからだろうか、聞いていてバロックとしての安定感よりも緊張を感じてしまうのは。まだまだ深いwaveバッハ先生の世界である。


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2008年12月31日 (水)

「中野振一郎のゴールドベルク2008」:鍵盤の響きで終う師走かな

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会場:東京文化会館小ホール
2008年12月28日

正真正銘、今年のラストコンサートである。最近は年末にゴルトベルク変奏曲を演奏するのが流行なのかどうか不明だが、確か東京周辺でもこの時期に3つぐらい公演があったようである。

過去に生で聴いたことあるのは、武久源造と鈴木(兄)かな?(多分)
しかし、どうもバッハのチェンバロ曲ってなんとなく学究的な気分になっちゃって「楽しんで聴く」という感じにならないんだよねー。どういうこったいsign02

やはり今回もそうなってしまった。あの「最速」bullettrain中野氏がゴルトベルクをどのように弾くかは興味があったんだけど。
ご当人も解説に、これを演奏する時は「中野でない中野を見ているようだ」と言われると書いているが、なるほど前半はそういう印象。しかし、後半はやはり「中野節」が出てきたような--。
とはいえ、バッハの鍵盤音楽を聴くにはまだたまだ修行が足りぬ自分を自覚したのであった。

それにしても、この時期にわざわざゴルトベルクを聴きに来るような人はよほどのマニアなのかear、客席からは時節柄の咳が聞こえるぐらいで後はシンと静まり返っていた。もちろん、ケータイ鳴らすヤツとかチラシをバサッと落とすヤツはいなかったようだ。これはオドロキである。

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2008年12月28日 (日)

「ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラによるJ.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲」:忘れられた歳月を埋めることは可能か

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演奏:寺神戸亮
会場:近江楽堂
2008年12月16日

久々に寺神戸氏のスパラ独奏会に行った。前回は目白バロック祭りの時だ。この時は柱の影でなんも見えない状態だったし、まだスパラもできたてのホヤホヤみたいな印象で、弾きこなすので精一杯のようだった。

今回、無伴奏チェロ公演を各地で連続でやるようだったので、松明堂で二日間に分けて全曲演奏するという趣向のコンサートに行こうshineと思っていたら、なんとヘンデル二連チャンと時間まで完全に重なってしまっていることに気づき中止。なんでよ(T_T)
それで近江楽堂の方に行くことにしたのである。

こちらでは、第2・3・6番を演奏。1時間前にプレ・トーク付きだ。職場を早引きできたので、座席確保の目的もあってプレ・トークから行った。

トークの内容はヴィオラ・ダ・ブラッチョ属とヴィオラ・ダ・ガンバ属の違いや作られてきた過程など弦楽器の歴史的な基本解説。それからバッハの時代はどうだったのか、など。さらに実演でチェロよりも無伴奏が弾きやすいことを説明してくれた。
ただ、最後にこれはスパラが「正しい」事を主張するのではなく、バッハの曲の新たな姿がよい所も悪い所も含めて分かるのではないか、という意図だと注釈があった。

30分の休憩後に演奏開始。プレトークの時は人が少なかったが、ここでほぼ満員状態となった。
通して聞いて感じたのは、ガンバに似ているということ。音が似ているのではなく、音のあり方の性質が似ていると言った方がいいだろうか。
音自体はやはりファゴットっぽいが、不安定でこれっnoteと決まった音像を持っていない所がガンバと共通していると思った。音の高低や曲調により聞こえる音のイメージが違うし、演奏者によっても大きく変化するし、ソロかアンサンブルの中にいるかによっても異なってしまう。
そのようなものはまともな楽器ではないと思う人にとっては聞くに耐えないものだろう(現に、今でもガンバの音に拒否反応を示す人もいる)。

しかし、ガンバも一旦は忘れ去られて復活した楽器である。その後数十年かかって現在の域に達しているのだから、ましてや完全消滅してしまったスパラについてはウン十年の単位で見なくては正直評価できないだろう。
十年後に寺神戸さんが全く違った演奏をしているかも知れないし、或いはスパラの新境地を開くような新しい演奏者が出現するも知れない。そして、またすっかり忘れられてしまう可能性も……sandclock

ということで、結論は「まだまだ発展途上」なんである。
それにしても、松明堂で聴いてみたかったなあ(~o~)

【関連リンク】
《エンターテイメント日誌》
大阪での2日間に渡るコンサートの様子。アンコールは東京でも同じく「無伴奏フルート」だったが、そもそもスパラが「木管系」の音なんでピッタリはまっていたのには驚いた。ここら辺にも曲によって表情を変える楽器というのが表れているようだ。

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2008年12月14日 (日)

ヘンデル オラトリオ「ユダス・マカベウス」:「日本書紀」か「古事記」か

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2007→2009ヘンデル・プロジェクト2
演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2008年12月7日

ヘンデル二連チャンの二日目である。前日の疲れもものともせず--かどうかはビミョーだが、なんとかオペラシティに到着すると巨大クリスマスツリーがxmas
そして座席は普段の定期公演ではゲット不可能な、ど真ん中ではにゃあですか! さすがイープラスの先行予約 \(^o^)/と、言いたいところだが、さいたまのブランデンは後ろの方だったしなあ。位置のムラがあり過ぎよ。

さて、演目はオラトリオの「ユダス・マカベウス」である。独唱者が4人いるがそのうちのソプラノとアルトはユダヤの民衆代表みたいな位置づけで個人名もナシ。名前があるのはタイトルロールのユダス・マカベウスとシモンだけである。
という事で、チラシに「見よ!英雄来たる!シリア王からエルサレムを奪回する勇者の物語」という挙句が書いてあるが、本当にそれだけの話であって余計なストーリーは何もない。
古代の英雄物語といっても、これは言わば政府公式見解の「日本書紀」みたいなもんであり、決して「古事記」ではないのだった。

ユダス役の櫻田亮は堂々とした英雄ぶり、絶好調という印象だった。「イスラエルの女」の柏原奈穂は無難に出番をこなしていたが、チト線が細いかなーと思えた。「男」をやったマリアンネ・ベアーテ・キーラントと並んじゃうと歩が悪い。シモン役の萩原潤も順調だったが役どころがそもそも助演っぽいんで、目立つというわけではなかった。

楽器陣で目についたのは、鈴木(弟)秀美氏がいなくて代わりにライナー・ツィパーリングがチェロに入っていた。この人はフォンス・ムジケ(から歌手をマイナスした)公演で、今村泰典センセと「もっとこっちに寄れ」impact「やだよ、あんたがこっち来い」とやり合ってた人。ヒデミ氏とはまた違った力強い堅実な演奏で助っ人していた。

合唱は美しく迫力があって文句ナ~シshineの出来。素晴らしいもんである。ほとんど瑕疵のない公演だったが……(x_x)実を言うと、私は初めから興味をあまり持てないままに聴き終わってしまったのであった。(この日は終了6時半(^^;)
なんというか、こういう清く正しい「日本書紀」な作品は苦手なんだよねえ。ストーリーもそうなら音楽も当然そういう方向だし。も~っと、個人のドロドロした葛藤話が好きなのよーspa

というわけで結論は、ヘンデル先生(^O^)/ 来年のオペラ『リナルド』(演奏会形式)に期待いたしますっflair
なお、今回の公演はNHK-FMで放送予定とのこと。

ところで、貰ったチラシの中に日本ヘンデル協会の公演も入っていた(今年の公演はこちら)。
上杉さん主役で桐山さんがコンマスのオペラ『オットーネ』。こりゃ楽しみだいっ。絶対いきますっ(*'∀')=3ムハッ

しかし、来年はヘンデル・イヤーで企画が続々とありそうだが、この不景気で潰れたりしないように心から祈っちゃうよdollar

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全く関係ない話だが、休憩時間にオペラシティー・ギャラリー隣りのアート・ショップに行ったら、若い人(ほとんどが娘っ子)で充満していた(!o!) 初めて見る光景である。どうやら「蜷川実花」展に来て蜷川グッズを買おうとしてコーナーに群れているらしい。
ギャラリーの入口を見てみると、なんと入口に行列が出来ているではにゃあのsign03 入場制限をしている(?_?; これまたこのギャラリーでは初めて見る光景である。
いや~、スゴイですねー。蜷川実花の人気がここまであったとは(^^;ゞ

【関連リンク】
《演奏会定点観測》
HFJの公演との違いが、演劇性と宗教性という対比にあるというのに「ナルホド~」と思いました。

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2008年12月12日 (金)

ヘンデル オペラ「タメルラーノ」:ヘンデル先生!萌えますた

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第6回ヘンデル・フェスティヴァル・ジャパン「ヘイマーケットのヘンデル」
演奏:キャノンズ・コンサート室内管弦楽団
会場:浜離宮朝日ホール
2008年12月6日

ヘンデル没後250年を目前に控えて、早くもヘンデル二連チャンとなったこの土・日。その1日目である。
チラシには「開演3時、終演予定7時」なんて書いてある(-o-;) 風邪を引いていた私はこの連チャンに備え、用心のため前日は職場を早退してさっさと寝たのであったよ。
会場に行ってみると、空席がポツポツとある。前々回のHFJオラトリオ公演の時は満員御礼だったのに~。これも不景気の影響かdollar--と焦ったが、どうやらこの日は大きなオペラの公演が複数重なっていたので客が分散してしまったらしい。

今回の公演は演奏会形式で「1724年初演稿ノーカット 本邦初演」とのこと。物語としては以前に見たヴィヴァルディの『バヤゼット』と全く同じである。この題材は人気があって、当時の作曲家によく取り上げられたという。パンフの解説によると、ヘンデルはイタリア・オペラの先行作品を知ったこともあって、上演前に急いで内容を変えたらしい。

チムールの皇帝タメルラーノは捕虜にしたトルコ皇帝のバヤゼットの娘アステリアを一目見てホの字状態となり、他国の王女と結婚が決まってるのに庇護しているギリシアの王子アンドローニコに口添えを頼む。しかし、既にアステリアと王子は相思相愛の仲であった……。

ヴィヴァルディ作の方は男女の四角関係による恋愛模様が中心で、しかもそれぞれの歌手によるアリア合戦の様相を呈していた。で、似たようなものを予想して行ったらかなり違っている。歌われる内容は「復讐」とか「憎しみ」とか「怨念」とかドロドロとして大変に血生ぐさい。しかも、アリアも当然あるが、レチタティーヴォもかなり重用されている。こりゃ、意外sign03だった。

タイトルロールの山下牧子はレチがなんとなく滑らかさに欠けるような気がしたが、トーシロの耳なんでよく分からず(^-^; ただ、第3幕では怒りにブチ切れて歌う、えら~く難しそうな長いアリアがあって(聴いてるだけでも冷汗sweat02が出そう)、それを歌い切った時には拍手喝采ブラボーとなった。
陰の真の主役とされるバヤゼットはずっとHFJに関わってきた辻裕久が歌った。とはいえ、第1・2幕は控えめな役回りであまり目立たず、終盤に至ってようやく悲劇の主人公としてドドーンと出てくる印象である。
アステリア役の佐竹由美はリリカルな感じの声質で、今一つ個人的には好みではないんだけど、やはり第3幕まで来ると力強さが出てきた。特に、アンドローニコとの二重唱は、他の曲がみんな殺伐とした内容の中で唯一ロマンチックheart02な愛の歌(と言ってもやはり「死」が出てくるが)で、ウットリ(*^^*)と聞かせてもらった。
波多野睦美はアンドローニコ役。レチの歌い口も滑らかで、第1幕最終のアリアは説得力があった。で、背丈が大柄な所に白いパンツスーツがとってもよくお似合い。颯爽とした男役でしたのよ。

あの、波多野さん……(v_v;)モジモジ

 萌 え て エ エ で す か ~ っheart04 O(≧▽≦*)Oキャー!イヤ~ン!!

……ああ、この歳になってこんな顔文字を使ってしまうとは、いと恥ずかしsweat01

第三幕の怒濤のような悲劇でグワーッ盛り上がった後に、バヤゼット父娘を除いた四人で歌われる終曲は締めくくりにふさわしく素晴らしかった。もう満足shineですっ。
ヘンデルの俗っぽい部分と壮大な作劇がうまく結びつき、いかんなく魅力が発揮された公演だったと言えるだろう。

楽器の方は小編成の弦に木管が絡むという構成で、指揮は渡邊孝がチェンバロを弾きながらやってて、前々回のオラトリオ公演同様見事なものだった。
チェロは留学先から戻ってきた、お久し振りの懸田貴嗣。この通奏低音コンビはずっと出ずっぱり弾きっぱなしで、あたかも講談師が机を叩く扇子の音の如く絶妙のタイミングで歌と絡むのであった。身を乗り出すようにして譜めくりをしていたもう一人のチェロの多井智紀もご苦労さん。
ところで懸田氏、留学前より貫禄が付いてきた……? あ、いや、どうでもいいことですね、ナハハ(^^ゞ

終わった時には7時半近かった。聴いているだけでもさすがに疲れた。しかし、他のブログを読んでいると、途中で抜け出して二股かけて別のオペラへ行った人もいるらしい。スゴイねー。こうなると体力勝負でしょうか(^^?

さて、来年のヘンデル・イヤーの予定が出ていたが、ホグウッド指揮のオラトリオはもちろんだが、一番の注目は「チェスキー・クルムロフ場内劇場」の公演。これだ~っflair
演目は名場面集みたいだが、装置・照明・衣装・ジェスチュアなど全て当時のままで演奏とのこと。……ということは、ローソク照明でやるのか? とにかく、チケットは売り出したら即買いに決定。
楽しみ楽しみ(#^.^#)

【関連リンク】
《アリスの音楽館》
極めて詳しい感想です。


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2008年12月 5日 (金)

「イギリスバロック~ふたつの愛のかたち」:雨と涙と鼻息と

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びわ湖ホール声楽アンサンブル東京公演vol.2
会場:第一生命ホール
2008年11月24日

このグループについては全く知らず、ネットでたまたま見かけてジョン・ブロウとパーセルの歌劇を演奏会形式でやるらしいというので行ってみた。
会場は平日だったら職場から行きにくいので避けるところだが、休日なんでオッケーよ。
……とは言いつつも、雨の降ってる寒い中、やっぱり時間ギリギリclockにとびこむ羽目になってしまった(>_<) 係のおねーさんにエラくせかされて席に付くと楽器の方はもう音合わせをやってる最中である。
で、始まってみると音がなんか変sign02 なんだこれは(?_?)とステージ上をよくよく見れば、なんと弦はモダン楽器ぢゃないのさっ(!o!) 「や、やられた~danger」(と、床にパッタリと倒れ込む)……というか、もっと早く気付よってなもんですか(^^ゞ

前半の「ヴィーナスとアドーニス」はパーセルの先輩であるジョン・ブロウの唯一の舞台作品とのこと。しかも「ディドーとエネアス」の原型作品らしい。途中に言葉遊びの場面が入るのが珍しい。もっとも英語が分からないんで聞いてても私には面白さはよく分からないが。
確かに物語の構造は「ディドー~」とよく似ている。

計16人のびわ湖ホール声楽アンサンブルは平均年齢も若そうでフレッシュな印象。合唱もソロも安定した歌唱を聞かせてくれた。

後半はパーセルの「ディドー~」。魔女役をテノールがやってたが、ありゃ?これはアルトの役じゃなかったっけ(?_?) そのせいか裏声も使って苦しそうなところが余計に魔女っぽくてよかったですboutique

こうして演奏会形式で聴くと、やはり舞台版で見たくなってしまって物足りない。それと歌手の皆さん、安心して聴いていられたが逆に言うと「おおっ(!o!)」と驚くような突出したところがなかったのがやはり物足りなかった。これってワガママかしらん(^^?

さて、そういうこととは一切関係なく腹が立ったのは、近くに座っていた大男の鼻息pigがうるさかったことだった。鼻息ぐらい--とお思いだろうが、大男でただでさえ肺活量が大きいのに鼻を詰まらせてるんだからヒジョーにうるさくて耳につく。どれぐらいうるさいかというと、歌手が全員で合唱してくれると、ようやくかき消されて聞こえなくなるほどだったのだ。
これだったら、後半始まる前に端っこの空いてる席に移動すればよかったよ。
はっきり言おう。

お前の鼻息聞くためにチケット代払ったんじゃねえぞーっ(*`ε´*)ノ☆

【関連リンク】
《感じない男ブログ》
びわ湖ホールの運営について。いずこも大変なよう。文化予算なんて一番簡単に削れるもんねー。

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2008年11月 9日 (日)

秋のコンサート二つ紹介

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諸般の事情によりブログ記事を書くのが遅れまくっているので、以下のコンサートについては簡単な記録にとどめておきます。


◎小池耕平「イタリアの道」
会場:日本福音ルーテル東京教会
2008年10月30日

リコーダー奏者の小池耕平が作曲家ごとに作品を演奏していくシリーズの第1回。この日はコレッリで他のメンバーがガンバ+チェンバロ+オルガン(と上に重ねたチェンバロ)という珍しい編成であった。
ソナタ曲を続けてトリはやはり「フォリア」、というプログラム。新たにリコーダー用に編曲したとのことで、かなり難しそうな装飾してあった。そのせいか、演奏の途中で何回か高音の部分は膝を上げてリコーダーを支えていたのはビックリ。初めて見ました。
教会内にリコーダーの伸びやかな音が響いて心地よかった。
次回はマンチーニをやるとのこと。

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◎合唱団フォンス・フローリス「シャルパンティエの音楽」
会場:トッパンホール
2008年11月2日

この合唱団は花井哲郎が主宰して、複数のグループ(セミプロ、アマも含むもよう)が合同で結成。フランス・バロックの宗教曲を専門にやるとのこと。花井氏の元々からのこだわりのようだが、ラテン語の発音もフランス風にやる。
というわけで、大人数だが服装などはそれぞれのグループによってバラバラである。前回聴いたのはこの時ですな。
この日はシャルパンティエの小規模な宗教曲を4曲演奏。男声独唱者と通奏低音はプロの方々が担当したが、どちらかというと合唱が中心の曲でそのところどころにソロが挟まるという構成だった。当時もこのように大きな編成で演奏されたのだろう。

双方ののコンサートとも客は身内の人間が大多数だったみたいだ。私みたいに完全な部外者は珍しいかも。

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2008年11月 3日 (月)

エルヴェ・ニケ指揮ル・コンセール・スピリテュエル公演:興奮のあまりテムズ川へダイブ

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会場:東京オペラシティ コンサートホール
2008年10月28日

ヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」を当時の形で録音したCDが評判を呼んだニケ&ル・コンセール・スピリテュエルが、同じプログラム公演で来日!となれば行かずにゃいられんのである。
人数はCDよりは少ないようだが総勢80人とのこと。一体、オペラシティの舞台に乗るのか?なんていらぬ心配をしてしまったが、ちゃんと全員乗っていたのでヨカッタ( -o-)ホッ(そういう問題か)

他の都市での公演では客が入ってなかったりノリが悪かったそうだが、東京では直前での宣伝攻勢が効いたのかほぼ満員で、しかも始まる前からもう「今日は拍手喝采しちゃうもんね&あわよくばブラボーだって飛ばしちゃうよheart02」モードの人が結構いたようだ。(そのためかフライング気味のブラボーがあった)

見どころ聴きどころはやはりなんと言っても当時の形を復元した金管楽器群だろう。さらにオーボエとファゴット?(とリコーダー)もかなりの大人数でこれまたすごい聞き物。
ただ、トランペットとホルンは左右両脇端に立っていたため、2・3階のサイドの席のからは真下になってしまって見られなかったようだ。
一方、私は前の方の座席だったんで(先行予約で買ったので座席を選べなかったのよweep)近過ぎて真ん中奥の木管楽器軍団がほとんど見えなかった。オーボエの主席奏者のアクションが派手だったらしいのだが、全くワカラン状態。
指揮者のE・ニケはツルみたいに長い手足で指揮台の上を所狭しと動き回り、腕をヒラヒラとひらめかせていた。こちらの方はよ~く観察できたeye

実際に聴いてみると、ものスゴイ音圧だった。ホルンに近い方の席だったもんで、もう耳がガンガン(!o!)するほど。後でCDを聴き直してみたところ、金管楽器の音はかなりレベルを下げて録音していたようだ。2台のティンパニの音もグサグサ、低音楽器は下からドドンと来るしもう全然迫力が違う。しかも目で見ていると、それぞれの楽器群が音の海の中から浮かび上がっては沈んでいくという掛け合い状態がよく確認できた。

さらに演奏は流麗で圧倒的なテンポ良さで進んでいく。しかもニケは一曲終わるとさっさと退場し、始める時も拍手が終わらないうちにサクサクと音出ししてしまう。(おかげで終演時間が予定より早かった)
後半最後の「王宮」では「序曲:アレグロ」が終わった時に、あまりのドトーのような勢いの演奏にため息とも感嘆ともつかぬざわめきが客席からもれたほどだ。私もすっかり気分が高揚してしまった。
ホールで座って聴いている現代人でさえこうなのだから、当時のロンドン市民はさぞコーフンしたに違いない。さながら阪神優勝時の道頓堀か、浦和レッズが負けた時の極悪サポーターぐらい(違)てなもんか。

やはり当時そのままに野外で聴いてみたかったのう。東京湾遊覧船か隅田川の屋形船で片手にビールbeer片手に屋台の焼きそばrestaurant……となるとチケット代は今の倍以上でも済まないか?
それが無理ならスタジアム・ロックよろしく背後に巨大スクリーンをしつらえて川岸の風景や花火の派手な映像を流したらどうだろう。ラストはもちろん燃え上がるimpactジョージ2世の像で決まりだー(^O^)/

そもそも、当時はまだ機会音楽がほとんどで、純粋に鑑賞のための音楽が大半を占めるようになるのはもっと後の時代だろう。とすれば、このようなイベント性が強い再現こそが「オーセンティック」と言えるかも知れない。もう「水上」や「王宮」演奏時に押しかけた野次馬同様、興奮 (*'∀')=3 しちゃったもんね。
かなり以前にピノックやガーディナーのCDを聞いてもどうも今一つピンと来なかったのだが、ようやくニケ&LCSの演奏でこの曲の神髄に触れた気分となれた。

当日はニケの誕生日でアンコールの後に「ハーピーバースデー」もどきが演奏され、花束とケーキが贈られた。
なおNHK-FMで放送予定とのこと。行けなかった方々は是非必聴よんear
次は不景気にも負けず、十八番のおフランス物で来日して欲しい。またフランスの方からの助成金を頼んます(^人^)

ところで、トランペットに「ブー」が飛んでたのはなぜ(?_?; 一か所乱れたっぽい部分があったからかsign02(トーシロには分からず)

【関連リンク】
《無言日記》
記事内のまとめリンクで、各所の反応が分かります。

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2008年10月28日 (火)

「Sweet and Gentle Baroque」:音空間にすっぽり入る

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リコーダー、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロによるバロック室内楽
会場:松明堂音楽ホール
2008年10月18日

こじんまりとしたホールで気の合った仲間とのアンサンブルを……という企画なんだろうか。安井敬、高田あずみ、福沢宏、副嶋恭子というメンツでヘンデル、テレマン、バッハなどの小品の演奏会があった。
有名な作曲家であっても(いや「だからこそ」か)、普段演奏されるのはドドーンwaveとした大曲が多い。なかなかソナタなんかは生で聴く機会が却ってないんだよねー。ただ、場所のせいか満員御礼とならなかったのは残念であったよ(+_+)

四人の中で初めて聴くのはリコーダーの安井氏だ(多分)。色んなジャンルで活躍してCDも多数出しているもよう。
最初は四人揃ってヘンデルのトリオソナタ、それからテレマン。やはり普通のホールと違って音が生々しく別格の響きである。
前半最後は高田+副嶋コンビによるバッハのソナタであったが、客の方がちょっとエネルギー切れしている人が多かったようだ(^-^;

休憩を挟んではオトテールの曲を安井氏中心で演奏。プレリュードだけだったんで、もっと聞きた~いearという感じだった。
弦二人+鍵盤によるルクレールのトリオ・ソナタは高田さんと福田氏の弦の音が非常に豊かかつダイレクトに聞こえてきてウットリlovelyとしてしまった。前の方に座ってたんで、完全に楽器の音の圏内にスッポリ入っているという気分。
なかなか生でルクレールを聴く機会はないので、シアワセ~(*^-^*)な時間であった。

最後は四人でバッハのオルガン曲のトリオ・ソナタを編曲したものを演奏。ロンドン・バロックのCDで弦だけのヴァージョンは愛聴してきたが、リコーダーが入るとまた違った印象だった。ここでは安井氏が大健闘で、客席も盛り上がりさかんな拍手が送られた。

というわけで、大変贅沢で満足なひとときが過ごせましたfull
帰りはホールの向かい側のパン屋で買って帰った。最近は「えっ、これが有名店で人気のパン(?_?; ウソだろう」とか「昔はおいしかったのに……原料費高騰のせいかしらん」なんてパターンが多くてゲンナリだったが、ここは相変わらずおいしかったです。また次に来た時買おうっと(^^) ご近所でないのが残念無念よ。
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←会場の上のカフェにハロウィン・ツリーが--。おいしそうなメニューが並んでいてヨダレ状態です。
ここも入ってみたいがなかなか機会がない。

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家に帰ってロンドン・パロックによるルクレール盤を久々に引っ張り出して聴いてしまった→

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2008年10月14日 (火)

ヘンデル/オラトリオ「セメレ」:神の仲間入りはできなかった女

出演:チェチーリア・バルトリ 他
演 出:ロバート・カーセン
演奏:ウィリアム・クリスティ指揮チューリヒ歌劇場・シンティルラ管弦楽団
会場:チューリヒ歌劇場
2007年1月28日、2月2、4日
*TV放映

NHK-BSでやっていたので見てみた。録画しながら見始めたのだが、おもしろくてつい最後までそのまま見てしまったのである。
クリスティは客演指揮ということになるのでしょうか? 通奏低音のメンバーも最後のクレジットに名前が出ていたので外部から呼んだのかも知れない。

『セメレ』はオラトリオだから当然演奏会方式でやるものだろうが、この公演では完全にオペラの形式を取っていた。衣装の感じだと1940~50年代?欧州の王国の社交界が舞台となっているようである。元の話はギリシア神話で、話が進むうちにこの物語を扱ったモローの絵画を見たのを思い出した。
王女セメレは婚礼の席から婚約者を放っぽってジュピター(ゼウス)の元へ。嫉妬した妻ジュノーは陰謀をめぐらしセメレの妹に化けて接近し、彼女をそそのかしてジュピターの本当の姿を見せるよう懇願させるのであった。神の真の姿に触れた、セメレは雷に打たれてご臨終……thunder

神話とは言え、非常に人間臭~い話である(まあ、ギリシャ神話はみんなそうですが)。それをコミカルな演出を加えて面白く見せていた。ヘンデルのいささか大仰な曲調とそれがうまく合っている。
特にジュノー&アイリスのコンビは漫才のよう。セメレ役のバルトリは体にシーツ巻きつけて愛の歌を歌ったり、ジュピターをベッドから蹴落としたりしてfoot笑いを誘っていた。歌唱の方も拍手喝采。舞台装置もあまりうるさくなくてよかった。

ラストはジュピター&ジュノー臨席の華やかな舞踏会となるが、そこで徳ある行いを称える歌がコーラスで歌われる。現代人の感覚だと「どこに徳があるの?」なんて思っちゃうのだが、皮肉で笑えるオチを付けてちゃんとシメていた。

今回は動作や演技が付いてるからいいけど、演奏会方式だと「ちょっと長過ぎです!ヘンデル先生(~o~)/」と言いたくなってしまうアリアもあって、当時の聴衆はどういう風に聴いてたのだろうなんて疑問を感じたのであった。

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