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2006年1月 7日 (土)

「ブレイキング・ニュース」:90分一本勝負で大満腹

監督:ジョニー・トー
出演:ケリー・チャン、リッチー・レン
香港・中国2004年

香港アクション物は、かなり昔ブームだった頃はよく見に行ったものだったが、最近はすっかりご無沙汰。ここ数年は韓国映画の方が目立ってたしね。
という訳で、監督のジョニー・トーは名前は耳にしてたが、実際に作品を観たのは多分初めてである。

さて、冒頭からいきなり警察と銀行強盗(未遂)団の銃撃戦が始まる。下町の横丁みたいな所で、7分ぐらいのワンシーン・ワンカットでもうやりたい放題のド迫力である。で、なぜか人数の多い警察の方が劣勢となり、強盗団は一旦は逃げ切る。犯罪者が街なかの撃ち合いで逃げ切るというと『ヒート』を思い出すが、こちらはかなり乱暴な展開。

で、途中で警官の一人が醜態を晒した揚げ句、犯人に逃げられた様子をテレビカメラが撮ってて放送されてしまう。失地挽回のために警察は女性指揮官を立てて対策を練る。それは機動隊にカメラを装着させて逮捕劇を生中継しようというのであった。

以後、明らかにツンデレ系美人の指揮官の強引なメディア対策、そんな事は関係ねえとばかりに強引に犯人追撃を続ける警部補、さらに立て篭る犯人たち、もひとつ別の殺し屋達も絡み、それぞれが異なる思惑で行動し、互いに絡み合っていく。

--というような話をたった90分の中に詰め込んで、メディア操作合戦やら、刑事の執念の追跡劇やら、男たちの友情やら、情けない父親の人質家族やら、警察の沽券やら、マンション内での銃撃戦やらがテンコ盛り状態になっているのである!
当然ながら、まだるっこしい心理描写などは一切なし(心理が描けていないという意味ではない、念為)。押して押して押しまくれー、というのもここまで来ると、いっそすがすがしいという感じである。(^○^)

アクション映画ファンには大いに推奨。なお、観客は明らかにアクション派の男性一人客と香港映画男優ファンの女性に分極化していた。
レンタルビデオで同じ監督の作品を見てみようっと。行きつけの店にあればいいんだが……。

ラストの刑事の憮然とした顔に思わず笑ってしまった。あと、正義派の男の子が面白かった。
一方、ツンデレ系指揮官役のケリー・チャンはちょっと顔がコワ過ぎ。正直、引きます。犯人のボス役リッチー・レンは永瀬正敏に似ていると思いました、ハイ。ついでに殺し屋の方は財津一郎か。

ついでながら、ロードショー館のシアターN渋谷というのは新しくできた映画館らしい--と行ってみたらなんのことはない、ユーロスペースが場所を移った後にそのまま入って内装をきれいにしただけだった。ただ、天井や壁に何やら漂っていたアヤシげな雰囲気はすっかり消え去っていたが……。文句が一つあり。観ていて、音が大きくてうるさくて参った。デカけりゃいいってもんじゃねえぞ。(~_~メ)


主観点:7点
客観点:7点(アクション映画ファンには推奨)

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