「ヴェルサイユの祝祭 4」:大胆な試みにルイ14世も王冠を落とす、かも
バロック音楽と舞踏のスペクタクル~フランスからドイツへ バロック・ダンスからバレエへ
出演:浜中康子、T・ベアード、P・ウィットリー・ボーゲス
会場:浜離宮朝日ホール
2006年1月22日
数年おきに開催されているバロックダンスと音楽のプロジェクトの4回め。過去にも行った記憶があるんだけど、よく覚えてない……(^^ゞ
バロックダンスっていうと、バレエ出現以前に宮廷で踊られていたもの。なんでもバロック時代の貴族の必修教養は「馬術、フェンシング、そしてダンス」ということらしい。例えれば、平安朝の貴族の和歌のたしなみみたいなもんで、下手くそだと「プププ、田舎もんめ」などと嘲笑されたそうな。
現代のダンスのような上半身の派手な動きはないので地味に見えるが、ステップはかなり複雑なものらしい。(舞踏譜が残っていて再現できる)
当時の宮廷文化の中心ったらやはりおフランスである。そのフランスからドイツへとダンス文化が流入した様子を示すのが前半。独仏両国を股にかけて活躍したダンス教師にアナウンサーの朝倉聡が扮しての解説付きである。
イタリアの仮面劇を取り入れたものやフェンシングの動作を使ったシュメルツァーの曲など面白かった。
後半はダンスからバレエへの変化を描くという趣旨で、ルイ14世の宮廷で催された『夜のバレエ』を衣装や設定はそのまま復元しながらも、音楽はバッハの『無伴奏ヴァイオリン・パルティータ』を使って新たに振りつけし直す、という大胆にも程があるという試みであーる!
そもそも『夜のバレエ』はバッハが生まれる三十年も前のものだし、『無伴奏』は舞曲ではあるけど踊るのは大変そう(モダンダンスならともかく)。
が、実際に見てみると結構うまくはまっていたのにはオドロキ。でもあの「シャコンヌ」はさすがにバロックダンスではなく、完全にバレエの振り付けだった。
ラストはルイ14世が実際に踊ったという「太陽」がピカピカと華麗に登場して終わる。
音楽の方を担当したのはBCJでもお馴染みの面々。『無伴奏』を弾いたのは若松夏美で、素晴らしい演奏!と言いたいところだが、踊りの方に気を取られて耳の方がお留守に……。聖徳太子みたいな天才と違っていっぺんに一つのことしか集中できない凡人の悲しさなのであった、トホホ(x_x)
解説付きでトーシロにも分かりやすく、耳も目も両方から満足できた嬉しい企画だった。何年後か分からないが次回も必ず行くことにしよう。
ただ一つ不満は、できれば唯一の歌手として登場したボーイソプラノはもうちょっとうまい子にして欲しかったということ。こんな事言っちゃわがまま?
さて、銀座でミヒャエル・ゾーヴァの展覧会をやってるというので、これが終わってからテクテク歩いてついでに行ってみた。ゾーウァ好きなんだよねー。が!なんと入口から五重六重の人だかりが見える大盛況。
こ、これでは私のような身長の者は竹馬でも使わんと人の背中しか見えん(-o-;)ということで、あきらめて帰ってしまった。根性なしである。
会期が一週間なんてケチなこといわずに一か月でもやってくれよう。(泣)
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