劇団青い鳥「もろびとこぞりて」:昔の少女が今、中年女(役者も観客も)
会場:スパイラルホール
2006年2月3日~5日
なんと既に結成30年以上という劇団青い鳥が、北村想の脚本をオリジナル・メンバー3人で演じたもの。都合が悪くて行けなくなった人がいるという事で、友人にタダ券で誘われて見に行った。
青い鳥……懐かしい名前である。(にわかに回想モードへ移行) 小劇場隆盛の頃は非常に人気があって、評価も高かった。大島弓子あたりの少女マンガとの関連性で語られる事も多かったように記憶している。
当時、芝居の中で数十分にも渡るセリフ無しのパフォーマンスの部分が続き、後でその戯曲を読んでみたら、その部分はたった一行のト書きしかなくて驚いた事がある。
そういう、当時のいわば少女の浄化された妄想、みたいなものを美しく描いていたように思う。
とはいっても、私は当時二回ぐらいしか見に行ってないはずだ。なぜなら、私が好きだったのは全く正反対のタイプの第三エロチカとか東京グランギニョールの芝居だったからである。
さて、やはりすごーく久し振りに行ったスパイラル・ホール、観客層を見て驚いた。大部分がオバハンばっかりである……私らも含めて(火暴) 新宿コマ劇場と間違えるほどではないが。男もチラホラいるが、やはり白髪混じりのオヂサンばっか。若いモンはいねえのかー。
昔の演劇少年少女が今は、という姿ですかねえ(涙)
芝居自体は相変わらず変である。三人の女優(といっても、バイトしながらしこしこと芝居を続けているような)が喫茶店でグタグダ会話を続けている。ナンセンスでバカバカしい突っ込み合いの会話をしたり、突然なぜか『奇跡の人』の一人芝居を始めたり、『ゴドー』のパロディめいた展開になったり、かと思えば映画の『幕末太陽伝』の話になったり--。
で、二幕めはその映画の幻のラストと同じく前半の芝居のセットが取り払われ、むき出しのステージが出現して、また三人の(今度は現実のご本人という設定か?)話が始まる。ブーフーウー(?)のかぶり物の頭かぶって『桜の園』やったり。あこがれの女優を語ったり。しかし、出てくる女優の名前がリリアン・ギッシュとか古過ぎ~(^o^; 北村想って今幾つよ。
いやはや、やっぱり相変わらずの青い鳥、という感じであった。まあ、今回は古株メンバーだけということだったので、現在の様子がどうなのか知らないが。
とにかくこちらは懐古モードに浸ってしまったひとときでであった。
ヒジョーに寒い日で、近くの表参道ヒルズを見物しに行く元気も出ず、近所の居酒屋で飲み食い--過ぎて気分が悪くなった。やはり歳であるよ。
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