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2006年2月23日 (木)

「オリバー・ツイスト」:ディケンズ先生、すいません

監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク、ベン・キングズレー
米国2005年

むかしむかし、英国にオリバーというたいへんかわいくてよい子がおりました。どれくらいかわいい子かというと、ショタコンのおねーさん達が「きゃーっ」と叫んで100メートルダッシュして押し寄せてくるぐらいです。
そして、どれくらい心根のよい子かというと、孤児院を放り出されて引き取られた葬儀屋で犬のエサを食わされてこき使われても、黙ってちゃんと働くほどでした。

もちろん、このブログを読んでいるようなひねくれ者の皆さんは「信じられんなー、おれは生まれてこの方そんなヤツ見たことねーよ」と言うでしょう。でも、これは昔の話なのです。腐敗した現代社会と違って、文豪ディケンズ先生が生きていた頃はそういう子がいたのです。文句あっか?

さて、葬儀屋からいびり出されたオリバーはとぼとぼと歩いてロンドンへ。行き倒れ寸前でいるところをスリの少年に拾われて、いかにも悪~い強欲老人フェイギンに紹介されるのでした。でも、よい子のオリバーは疑う事を知らず、恩義を感じて彼のいう通りに「仕事」をしようとします……。

拾われる先々で相手に誠心誠意を尽くす彼は「純粋無垢」ということになっているようですが、どう見ても「自我がない」としか思えません。その出自についてかなり原作を変えているそうですが、そうなると余計になんで皆が彼に肩入れしたくなるのか分からなくなってくるのです。おまけに後半では肝心の彼があまり画面に登場しなくなってしまうではありませんか。
不在で空白の主人公とはこれいかに(?_?) それだったら、フェイギンがオリバーの寝顔を覗きながら「かわゆいのう」とヨダレでも流している場面でも入れて欲しかったぐらいです。

お金をかけて当時の町並みや人々の様子、小道具、衣装を見事に再現しながら、どうにも歯切れの悪い不可解で退屈な映画になってしまいました。昔のよい子ならぬ現代の悪い子が見たら、きっと「詰まんネ」と思うことでしょう。

もっとも、ショタコンのおねーさんたちはタイトル・ロールのバーニー・クラーク君の美少年ぶりに満足することでしょう。そうでないフケ専の方々には、さすが名優「ベン・キングズレー萌え~」となることをオススメします。なにせ「どんな名優も子役と動物には勝てない」と言われるのを、完全に両方ともに勝っているほどの名演技です。
フケ専でもない方は外見は獰猛そうだが実は飼い主よりも賢いワン公に注目という手もあります。健全な紳士は娼婦のナンシーの胸の谷間を眺めるしかありませんね。

やはりこれは原作を読んでなかった罰でしょうか。そうだとしたらディケンズ先生ごめんなさい。お尻をぶたないで。_(_^_)_


主観点:6点
客観点:7点

【関連リンク】
「サブミハリータ」
色々と参考になります。

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コメント

トラックバックをどうも。
いっそオリバーを犬に置き換えれば納得のいく映画になっていたような気もする今日この頃です。お行儀のいい犬がロンドンに出てエサをもらったり働いたりして、いきなりいい家に拾われても不思議ではないし。

投稿: ミハリータ | 2006年2月23日 (木) 23時11分

おお、コメントありがとうございます。
なるほど「忠犬オリバー物語」ですか。お使いを命じられて失敗--なんてエピソードもピッタリですね。
TVアニメにして半年間放映、となれば巷間の婦女子の涙を絞れそうです。

投稿: さわやか革命 | 2006年2月25日 (土) 14時22分

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