ロマンチカ「PORN」:おねー様、エロ過ぎです!
会場:スフィアメックス
2006年3月3日~6日
ロマンチカは美大出身の女性中心の集団。かつては公演に熱心に通った事がある。エリザベト・バートリとかジャン・ジュネとか--特にジャン・ジュネの芝居は今思い出してみても、構成・美術・演技などあらゆる面であれほど完成度の高いものは未だかつて見たことない!というぐらいに見事だった。
それがなぜ、ご無沙汰してしまった(10年振りぐらい?)かというと、その後演劇からパフォーマンス系へとグループの方向が移っていってしまったからである。
さて、今回の公演は「パルプ・ストリップティーズ」とサブタイトルが付いているように、架空のストリップ・ショーを見せるという趣向。しかし、なぜか観客の八割は若い女性である。ほとんど年齢は二十代半ばから三十代前半、デザイン系オフィスに勤めてます、或いは私もダンスやってます(ロングヘア度高し)--みたいな感じだ。
私は必死になってキョロキョロ('';) (;'')とあたりを見回し、自分と同じ年齢ぐらいの人間はいないか探したが、見つからなかった(汗) 終演してからようやく一人見つけた! 向こうもこっちを見て安心したかもしんない(^O^;)ナハハ
すすり泣く声のサンプリングから始まって照明がついて現れたのは、道路工事のヘルメットとつなぎを着て交通指示灯を振る三人の人物。踊りながら段々とつなぎを脱いでいく……。と、これに始まり尼僧・メイド・ナース・ウェイトレス・OLなどコスプレ定番のストリップや、ガラス越しにシャワーを浴びる女やら、なぜか大島渚の『マックス・モナムール』を見ながらベッドで悶える女、『暗殺の森』風のダンスする女二人などが登場する。
ほとんどのダンスや動作は本物のストリップを模していると思えるが(っても、ホンモノ見たことないんでよく分かりませんが(^^ゞ)、最後まで脱ぐわけでなく下着姿で終わってしまう。しかし、そのパフォーマンス自体は非常にエロい。おまけに演じるのは人形の如き完璧なプロポーションと美を備えたロマンチカのおねー様がたである。一挙手一投足の全てが極めて洗練されたエロさを喚起する。
そうなると、そこには何やらエロい妄想がかき立てられるものの、常に行き所なく消化不良のまま放り出されてしまう羽目になる。会場の中空には満たされない観客の妄想がモヤモヤと膨らんで漂っているようだ。
しかし、よくよく考えて見ると完全に服を全部脱いでしまったら妄想も何もそこでハイ終わり。むしろ、服を着ている時の方が一番イヤらしく妄想がかき立てられるような気がする。そう、何か隠されているものを盗み見るようないかがわしさで興奮、ってヤツですか。
それと、女性向けのエロさというのはやはり存在するのだと実感した。エロさ爆発と言っても、「プレイボーイ」のグラビアやカノー姉妹とは全く異質である。これは『恍惚』(監督は女性である)でE・ベアール演じる娼婦を見た時も感じたのだが、やはり男向けのものとは似て非なるものだ。どこがどう違うのか?具体的なところは分からんけど、客席を埋めてウット~リと眺める女性客の数がなによりそれを示しているだろう。
個々のパフォーマンスで良かったのは、カウガールが見事な手綱ならぬパンティさばきを見せるヤツ(一体、何枚はいてんだ?)。それから、バックに流れる歌もイヤらしい(音楽監督は飴屋法水が担当)ナースが、特に手袋脱ぐところ。そして、横町さんが狼の毛皮にスリスリして悶えた揚げ句、自分がオオカミになってしまう「赤頭巾ちゃん」。
横町さんを見たのも十年ぶりぐらいだが、全然変わってないのはビックリ。よほど普段から磨いてるんだろなー。(*^-^*)ステキ
使われていた曲の中には昔流行った曲の日本語カバーも幾つかあって(オリヴィア・ニュートン・ジョンの『フィジカル』など)、一つだけなんだか聞いたような気がするんだけどどうしても思い出せないのがあった。曲のさわりまで行ってようやく思い出した。『ロック・オン』という全米チャートで結構ヒットした曲である。当時よくFENで流れていて、非常に懐かしく感じた。原曲は完全にゲイの歌なのだが、日本語カバーではフツーに男女の歌になってたみたいだ。
次の公演はいつやってくれるのか?--どのぐらい先になるか分からんがまた行くぞー。
【関連リンク】
ロマンチカ公式サイト
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