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2006年3月 5日 (日)

バッハ・コレギウム・ジャパン第71回定期演奏会

ライプツィヒ時代1725年のカンタータ 4
会場:東京オペラシティコンサートホール
2006年2月22日

今回の公演の注目点の一つはBWV6で「ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ」なる楽器が登場したことである。チェロとヴィオラの中間の音域で、大きさも中ぐらい。さらにチェロだと足に挟んで弾くが、これは肩において演奏する。しかし実態は不明、幻の楽器ということで、演奏者でもあるD・バディアロフが自作したとのことである。
こちらに実物の写真あり。ただ、今回のコンサートで使われてたのはもう少し大きめか?)

で、実際に聴いてみると……うーん、なんかパンチが無い音ですね、って音域が微妙なとこだから仕方ないのか。

そしてもう一つの注目点は最後のBWV103にて、ソプラニーノ・リコーダーの神技を披露したダン・ラウリンであろう。トランペットの島田さんも加わって華やかな感じとなった。

また最初のBWV42ではファゴット大活躍。特に4曲目のソプラノとテノールにファゴットが絡むアリアは、なんというか奇異な響き。正しくこんな取り合わせを立派な曲として成立させてしまうのはバッハならではと言えるだろう。

テノールとバスは常連の歌手ではなかったが(でも初登場という訳でもないもよう。単に忘れただけか(^^ゞ)二人とも声量豊かで、声がビンビンと響き渡った。特にバスの人はどちらかというと、バッハよりイタリア・オペラで聴いてみたい、という感じ。

さて、まだまだ謎のヴィオロンチェロ・ダ・スパラは同じくバディアロフ氏の演奏で、5月のラ・プテッィト・バンドに登場するらしい。楽しみである。

ところで、今回のパンフで共通テーマの一つとして鈴木雅明が紹介している聖書のエピソードが興味深かった。
復活したイエスと共に話しながら道を歩き家に招いてまでいながら正体に気付かず、気付いた瞬間にその姿が消え失せてしまう--というのは何やら不思議な話である。聖書にはこういう話があるんで面白い。

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コメント

さわやか革命さん、こんばんは。

謎の楽器「ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ」、私はまだ耳にしたことがないので一度聞いてみたいと思っています。ラ・プティト・バンド公演の前に、バディアロフ氏のリサイタルがあるようです。ちょっと長いのですがURLを張っておきます。

http://violadabraccio.com/index.php?option=com_content&task=view&id=36&Itemid=31&lang=ja

投稿: josquin | 2006年3月 5日 (日) 23時51分

おお、公演情報ありがとうございます。
しかし、この日はホプキンソン・スミスと同じ日ですね。時間はズレてますが、一日に独奏会二つはキツイなあ--。

投稿: さわやか革命 | 2006年3月 7日 (火) 07時06分

「目白バ・ロック音楽祭」(6月2-25日)で、寺神戸亮がスパラのリサイタルを開きます(6月17日目白聖公会)。バッハの無伴奏チェロ組曲の1,2,3番です。残席が僅かになってますので、ご興味のある方はお早めにどうぞ!

投稿: 目白バ・ロック音楽祭 | 2006年4月 8日 (土) 22時20分

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 バロック時代に存在したとされるものの、今は音楽史の彼方に埋もれたままの肩掛けチ [続きを読む]

受信: 2006年3月13日 (月) 15時32分

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