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2006年4月

2006年4月29日 (土)

開催前から「炎上」?していた「カルティエ現代美術財団コレクション展」(東京都現代美術館)

CLick for Anti War」経由で知った「東京都知事、現代美術を腹にすえかね」を読んだ。

「リベラシオン」の記事だから差し引いて読むとしても、開催側の最高の地位にある人物が、アーティストやコレクションの責任者ご本人たちを前にケナすというのはスゴイもんである。(だって、金払っているとはいえ丸借りさせてもらったわけだし--)
その度胸には頭が下がるというか、感心するっちゅうか……(;^_^A よほどの○○○か、○○か、○○○○でなくては出来ません。(○の中にはあなたの好きな言葉を入れましょう)

これを読んで、俄然この展覧会を見たい気が湧き上がって来たぞ。
「巨大な母親像」って、チラシを最初見てた時には実際の人物写真家とばかり思ってたんだけど、大きなインスタレーションだったのねー。今チラシを見直してみて初めて周囲に人間が立って見ているのに気付いた。どういう文脈で言ったのか記事では分からないが、どうみても「赤ん坊の目」には見えん事は確かである。

東京都写真美術館の「私のいる場所」は忙し過ぎていけなかったが、こちらは絶対行くぞー。(単なる野次馬根性?)
皆さんも必見ですよっ(^-^)/ 期間7/2まで。

ああっ、気付いたら森美術館もワタリウムもまだ行ってない! 特に森美術館は連休中には近づきたくないんだが、終わっちゃうしなあ(泣)

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2006年4月25日 (火)

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」:まこと、この人は--!

監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン
米国・カナダ2005年

デヴィッド・クローネンバーグと言えば、かつてヘンタイ監督の名を欲しいままにしていた人である。しかし近年はパッとせず、『イグジステンズ』はなんかフツーっぽい作品だったし、前作の『スパイダー』は逆に、レイフ・ファインズ扮する少年時代トラウマを抱えた男が暗い部屋の床をぶつぶつ言いながら這いずり回っているという、退屈の一歩手前なものだった。(もっとも、あまりに異様過ぎて退屈なんで、却って私はその年のベストの中に入れてしまったほどだが)

かつては英国のケン・ラッセルと共に並び称され、「ケンちゃんクロちゃん」とヘンタイ監督の世を謳歌していたというに、いつからこのようにマトモな世の中になってしまったのであろうか。嘆かわしいことじゃのう。(老人の繰り言風)

さて、この新作はどうも変である。何が変と言って、脚本と実際の作品が全く違うイメージになっているのだ。
粗筋だけをたどれば、明らかに現代版西部劇である。
田舎町で食堂をいとなむ男。賢明で美しい妻と子ども二人とともに、幸福な家庭を築いている。(冒頭はわざとらしいほどに幸福な夫婦・家族の姿が描かれる)
しかし、彼の暗い暗い過去を知る男たちが登場して正体を暴こうとする。家族にまで危害が及ぼうとするのを知って、彼は男たちを殺し、さらには決着を付けるために親玉の元に乗り込む……。
ラストはハッピーエンドとなる--はずだったんだけどねえ。

どうもそうは思えない。暴力描写はあくまでも即物的かつグロテスクで、アクション映画のスッキリ感とは無縁だ。
家族は彼に疑念の眼差しを向ける。それは疑いというよりは否定である。
結末はかろうじて幼い娘の行為で救われて、和解を迎えるはずなのだが、イカンともしがたく後味の悪い沈黙が支配している。

何よりも、冒頭で見せられる強盗シーンの血だまりと、彼が家族と自分を救うために行なった終盤の暴力による血だまりが、全く同じように見えるではないか。
脚本の意図に反して(多分)、ここにあるのは暴力の感触だけなのである。

唯一、問題なのはW・ハートのボスがあんな近距離で銃を打ち損なったことだろう。だから出世できないんか?(^O^)

一見、優男風のヴィゴ・モーテンセンはハマリ役と言えるだろう。その他、エド・ハリスやウィリアム・ハート、奥さん役のマリア・ベロなど脇を固める役者たちも申し分なく好演・怪演である。

そして監督のクローネンバーグは……先日の『マタイ受難曲』の中の言葉、ということはつまり聖書の中の言葉なのだが、それにならって「まこと、この人はヘンタイであった!」と言っておきたい。


主観点:8点
客観点:8点

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2006年4月23日 (日)

バッハ・コレギウム・ジャパン第72回定期演奏会:猛ダッシュの甲斐はあり

J・S・バッハ/マタイ受難曲 初期稿 BWV244b
会場:東京オペラシティコンサートホール
2006年4月14日

普段は7時開演なのだが、大曲なので今回は6:30開演である。しかし、遠い職場から駆けつけるのにこの時間はチトきつい。……というわけで、初台駅に着いたのは6:28。私以外にもホームや階段を猛ダッシュする人が何人もいた。
会場は満員御礼で、珍しくステージ上の座席まで人が入っていた。今年は全部で5回公演があるので大したもんである。

今回の「マタイ」は初期稿ということで、ビミョーな部分が異なるらしい。通奏低音は2グループに分かれてなく一つだし、チェンバロでなくリュートが入っている。音量が違うのでリュートはど真ん中正面の少し高い台に乗っていた。
おまけに奏者は今村泰典ではにゃあか! 事前に演奏者を全くチェックしてなかったんでビックリ。思わず「来日してるんなら別にコンサートやるんかしら?」などと考えてしまった。

あと、合唱・器楽の二つのグループの人数もアンバランスであった。これは鈴木(兄)雅明の考えによるものらしい。
ソプラノ陣の中に常連の野々下由香里がいなかったのは残念。

曲が始まると、リュートの音はやはり小さい。私は前の方の席だったのでよく聞こえたが、後ろの方の席はどうだったんだろうか。
エヴァンゲリストは常連のゲルト・テュルクだったが、私は「ヨハネ」では何回か聞いた事があるが彼の「マタイ」を聴くのは初めてだと思う。彼の歌いぶりは普段よりも劇的でより大きく感情の入った「語り」に近いもののように思えた。
ただ、問題は私の席からだとテュルクさんが歌っている姿に限って、指揮してる鈴木(兄)の背中にジャマされて見えないんだよねー。ちゃんと見たかったよう。(泣)

合唱の第一グループは単独の場合は中に加わっているソリストだけが歌った。第一グループの他のメンバーはコラールなど本当に全員で合唱するものだけ担当することになる。これは二つのグループが単独で歌うのが内容的にそれぞれ役割があるかららしい。
普通はエヴァンゲリスト役は合唱までは担当しないが、テュルクさんは第一グループのソリストも兼ねていた。ご苦労さんですm(_ _)m

休憩は2回入るのが通常だと思うが、終演をなるべく早くするためか、それとも第1部と2部に分かれているのを尊重してか、一回だけだった。そうすると、前半一時間強、後半は一時間半になってしまう。チェロの鈴木(弟)秀美はほとんどずっと弾きっ放しだから大変そう。

そのせいか、演奏者と聴衆のテンションは非常に高かった。特に第2部の前半部分の会場の集中力はかなりのもので、今まで色んなコンサートを何回も聴いてるが、ここまで会場がシーンとして空気が色濃く凝縮されてたのは滅多に体験したことがないほどだ。まあ、私の周囲はもともと定期会員の人ばかりだから、他の位置ではどうだったか分からないが。
でも逆に終盤近くになって、私は集中力が切れてしまった。眠気虫の出現はなかったが、肝心のイエスの死の場面前後あたりでボーッとなってしまった。残念無念。

個々に感じた部分を挙げてみると、27曲の「こうして私のイエスは捕らえられた」は、テキストの内容に即して器楽の方は絶えず緊張と不安に満ちた音を奏で、さらに合唱から「縛るな!」と鋭いツッコミが入るにもかかわらず、歌のソプラノとアルト(カウンターテナー)の絡み合いは何やら甘美な響きを持っていて、何か不思議なイメージである。こういう相反した要素を一つにして、矛盾を感じさせないのはバッハならではだろう。

57曲のバス・アリア「来れ、甘き十字架よ」は通常版のガンバの代わりに、リュートが伴奏になる。これがまたまさに「甘き」感じで良かった。今村先生ス・テ・キ(*^^*)
翌朝は今村先生主宰のグループ、フォンス・ムジケのCD「ランベール/エール・ド・クール」を聴いてしまった。バッハの世界とは正反対、宮廷音楽の甘美の極致でまたウットリしたのである。

58曲のイエスが十字架にかけられる件りでは合唱からの罵倒が入るが、日本語訳を読んでると、まるでネットの掲示板やブログのコメント欄の小汚い書き込みを連想させるんで思わず失笑してしまった。
「ホントに神の子ならそこから降りてみな(ワラ」とか、十字架の前で「ぬるぽ」と書いた看板(しかもワープロ巨大文字印字)を掲げるってな感じですか(^O^) 人間の本質というのは何千年経っても変化がないという恐るべき真実を示している。

少数意見かも知れないが、61曲のイエスの死から62曲のコラールに入る所はかなり長く休止を入れていたが、私は以前のようにあまり間を置かない方が良かった。
十字架上の死という大事件から、突然「私が死にゆく時、私の側にいて下さい」という極めて個人的にして真摯な願いへと転換してはっと胸を突かれる場所である。むしろあまり長い間がない方が感動的だと思う。

結論としては、階段や駅を猛ダッシュした甲斐は充分にあったコンサートであった。トーシロ状態の私でもさすがに、バッハが生前に演奏した回数よりも多く「マタイ」を聴いてきたわけだが、その中でも簡素で真摯な祈りに満ちていて群を抜いた出来だったと思う。大満足であった \(^o^)/


しかし、他のブログの感想を見ると幾つか「優れた演奏だったが、感動はしなかった」というのがあった。
それはこちらのブログの「BCJのマタイ受難曲」にあるように、そういう人は、大人数の合唱や大編成のオーケストラでドーンと重厚に演奏されるパターンに慣れているのかも知れない。だが、そもそも感動のあり方がモダンとは決定的に異なっているのである。ドーンと来る感動が足りない、と言ってもないものねだりなのだ。それほどに「近代」と「前近代」の溝は深い。

【関連リンク】
「リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」」
先に紹介したリンク先で「リュートのおじさん」(笑)こと今村泰典がステージで時間を気にしていた理由がわかる。

「Tany&wife's blog from 新浦安」
オペラシティでは満員御礼だったが、なんと所沢では2割の入り……。さすが埼玉!
文 化 果 つ る 地 である。

ところで、名古屋公演でカウンターテナーのロビン君が曲の出だしを間違えたというのを、ミクシィの日記で一件だけ見かけたのだが、これは本当だろうか? プロにあるまじき失態である。事実なら、他の場所でも書かれていそうなもんだが……。

【追加】
名古屋公演の詳細な感想がこちらの「庭は夏の日ざかり」に出ました。

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2006年4月16日 (日)

「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」:ニンジン、嫌いだよー

監督:ニック・パーク、スティーヴ・ボックス
出演:ウォレス&グルミット
米国・イギリス2005年

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主観点:8点
客観点:7点

注-上記の記事がキレイにみえるかどうかは自己責任でお願いします。

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2006年4月15日 (土)

「バロック音楽をあなたに」:有田先生に陳謝

演奏:有田正広、有田千代子
会場:松明堂音楽ホール
2006年4月9日

有田正広(フラウト・トラヴェルソ)千代子(チェンバロ)夫妻だけの演奏会である。念の為に書いておくと、フラウト・トラヴェルソというのはバロック期のフルートのこと。モダン楽器と違って、外見が完全に簡素な木管楽器で「デカい横笛」という感じだ。

仕事が忙しくて、完全に超寝不足状態。実は、こんなで行っても仕方ないから取りやめようかと一瞬考えたほどだ。しかし、折角チケット買ってあるんだしと気を取り直して出陣する事にした。

松明堂は定員80人ほどの極めて小さなホール。眠気虫来襲に備えて、念の為端の壁際に座る。
演目はクープラン、バッハ、などからプレ古典派までのフルートと通奏低音の曲が中心。中にはルイエという全く知らない作曲家も入っていた。
トラヴェルソのソロというのはコンサートに行った記憶がなくて初めてだったが、大きなホールで聴くのとは全く違って、小さな場所で身近に聴いてみると、極めて暖かみのある音色で心地よかった。

しかし、事前に心配していた通り、冒頭から巨大な眠気虫がグワシッと噛みついて来て、私は前半のプログラムの三分の二ぐらいは眠りの世界に引っ張り込まれていたように思う。
後半はやや回復したものの、眠気虫は油断するとすぐ攻撃してくるのであった……。

有田先生、すいませんm(_ _)m 次回はちゃんとした状態で聴きに行きます。

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2006年4月 9日 (日)

年度末と年度初めは忙しい

年度の変わり目で猛烈に忙しくなって全く更新できなかった。
疲れた( -o-) sigh...

もう時間が経ち過ぎて今さら書けないという記事をあげとこう。

○「転換期の作法」「NoBorder」東京都現代美術館
他のブログでも書かれているようなのと大体同じ感想である。
あ、でも「日本画」の方は吉田有紀という人の作品(黒色をバックに紅い輪っかや黄色の軌跡みたいのが描かれている巨大なヤツ)も良かったな。
常設展が充実してたらしいが、とても時間が足りなくて回れなかった。

○「白バラの祈り」
極めて簡潔な話。ほとんどディスカッション・ドラマと言っていい。それだけに言葉というものの強さを感じさせた。(やはりお国柄か?)
ただ、ドイツ人には自明の話でもそうでない人間には背景が分からず、学生たちが無謀にしか見えないのがイタい。
そういや、最近でもどっかの国でチラシ配って逮捕された事件が……(>O<)コワイヨー

○スコラカントールム第15回定期演奏会
そもそもはアマチュアの合唱団だが、ソリストや楽器の方はプロの演奏者を招いて定期演奏会を行なっている。
今回はバッハのモテット、カンタータ、そして「マニフィカト」--と極めて高水準な演奏を聴かせてくれた。ソプラノのソリストがちょっとバッハ向けの人でなかったのが難。(歌唱が弱いと曲のテキスト自体の説得力までも弱くなってしまうのが不思議だ)
特にアンコールでやった「ロ短調ミサ」が素晴らしかった。
これで二千円ナリとは超お得値。来年の定期も行くぞー。

○「トーキングヘッズ 26 アヴァンギャルド1928」
既に発売してます。特集にはほとんど書けませんでした。卒業・入学・就職のお祝いなどに是非一冊!


×「シリアナ」
前売券買ったのに行かないうちに終了してしまった。(T_T)

×「クラッシュ」「ナイトウォッチ」
行きたいが、行かないうちに終わってしまいそう。レンタルビデオ待ちか。
しかし、レンタル屋に行くヒマもない。「ハガレン」の劇場版もまだ見てねーよっ。

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