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2006年6月18日 (日)

レッド・プリースト二連発:これが史上最も忠実な「四季」だ?!

*「バロック・ファンタジア」
会場:津田ホール
2006年6月6日

*「カーニヴァル・オブ・シーズンズ」
会場:東京文化会館小ホール
2006年6月7日

レッド・プリーストはリコーダー、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロの四人組。主にバロック時代の曲を編曲して破格の解釈をして演奏するので話題になったグループだ。
本業?ではちゃんとしたアンサンブルなどでソリストをやってたりする人たちらしい。

「バロック・ファンタジア」は前半にヘンデル、バッハ、ルネサンス時代英国の小曲などを独自の解釈とアクションで演奏。後半は売りのヴィヴァルディの『四季』を通しで。
「カーニヴァル・オブ・シーズンズ」は『四季』では扱われていない季節の行事(クリスマスなど)を扱った曲を季節ごとに交えて、前半は春・夏、後半は秋・冬という凝ったプログラムで演奏した。

いずれも芸術家というよりは芸人根性バクハツ!という感じだった。特にリーダーでリコーダーのピアーズ・アダムスは二本のリコーダーを一緒に口に加えて「一人同時合奏」したり、射殺された鹿を演じて寝っ転がったまま吹いたりという大活躍。一方でJ.v.アイクの独奏曲ではソプラノ・リコーダーの超絶技巧を聞かせてくれたりして大したもんである。

『四季』は冒頭のヴァイオリンによる犬の吠え声の完全な模倣に始まり、「春」の「牧歌的な踊り」がホントに盆踊り風な調子に聞こえてきたり、「秋」の狩りの場面で乗馬風のアクションを付けてみたり、「冬」の中盤のラルゴ(炉端で満ち足りた気分)に至っては完全に南洋風リズムになっているのである。こりゃ、『四季』の表現の最も忠実な演奏と言えるかも知れない。

ただ、こういう手法は『四季』のような標題音楽やルネサンス・中世期の音楽なら有効かも知れないが、バロックの多くの曲に適用するのは難しいかも知れないと感じたのも事実だ。
コレルリの協奏曲なんか弦の重なり具合が美しくて聞かせどころなんで、編成違えて単純化されると魅力半減だし、ヴィターリの「シャコンヌ」なんかは単に曲の各部分を誇張しただけの絵解きみたいな感じに聞こえた。
かといってルネサンス期あたりに限ってしまうと、タブラトゥーラなんかとあまり変わらなくなっちゃうし難しいところだ。

とはいえ、楽しませてくれた四人の芸術家&芸人根性に拍手( ^^)// パチパチである。

ところで、「カーニヴァル~」で上野の文化会館に行ったら「チケット譲って下さい」という人が多数立ってて仰天した。「ええっ、昨夜の津田ホールが好評だったからか?」と思ったら、なんと大ホールでやってたイタリアの歌劇場のオペラの方だった。
いやはや、同じイタリアものでも違いますねえ。

しかし、上野の方が客層も色々で客も演奏者もノリが良かったのはなぜじゃ(?_?) 招聘元が同じだから宣伝も全く同じ扱いなのに。

P・アダムスの話を聞いて(いや、英語だからよく分かりませんでしたが(^^ゞパンフの解説にも書いてあったんで)「ヴィヴァルディは同じ協奏曲を400書いただけだ」という意味の有名な言説はストラヴィンスキーのものだと知った。
バロック・ファンにとってはストラヴィンスキー逝ってよし!ですか。(「よし!」と思われる方は、モニターの前で「よいとも~」と一斉にご唱和下さい)

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