目白バ・ロック音楽祭だよ!ドッコイ その1
*「慈愛の“聖人”ソナタの世界」
「カトリックのバッハ」アウフシュタイナー、魂を揺さぶる“癒し”の音楽
演奏:グナール・レツボール&リクレアツィオン・ダルカディア
会場:聖母病院チャペル
2006年6月3日
*「颯爽とラ・フォリア!~イタリアン・トリオ・ソナタの世界」
巨匠レオンハルト絶賛の「イチオシ」アンサンブルによる「楽園の愉しみ」
演奏:リクレアツィオン・ダルカディア
会場:目白聖公会
2006年6月9日
目白バ・ロック音楽祭なる催しが6月2日から25日にかけて行なわれている。東京では古楽系の音楽祭は北とぴあ音楽祭以来絶えてしまっているので、これはウレシイ限りである。
去年は気になっていたが全く行けなかったので、今回は積極的に行ってみる事にした。
とても全部は日程的に無理なので選んだ基準は「日本で聴くのが可能なアーティストは避ける」ということであった。結果、つのだたかしやカペラは敢えてパスした。
「慈愛の“聖人”ソナタの世界」というのはまた凄いタイトルだが、私は日本人の若手アンサンブルのリクレアツィオン・ダルカディアのデビューコンサートに行き損ねたので、なんとしても今回は行かねばと思ったのである。
よって独奏の「レツボールって誰だっけ(^^?」という感じだったのだが、実際に見てみてアッと思った。彼は髪型といい体格といい「ヨーロッパ出身の番付急上昇中の白人力士でーす」と言っても誰も疑わないような外見だが、私は前に彼がトッパンホールで公演した時行ってるのを思い出したのだった!
完全に名前を忘れていた(-.-;)
早くもボケが始まったか(>_<)
もうイヤー(v_v)ショボショボ
目白には正式な音楽ホールはないそうで、音楽祭の会場は全て歴史的建造物で当てられている。で、この日は病院付属の教会だった。もちろん換気装置などなく、外はジャケットなしだと涼しいくらいなのに中はかなりムシムシと暑かった。
従ってガット弦のメンテナンスも大変だったようで、途中でレツボールの弦が切れるというアクシデントもあった。最後には演奏者一同、文字通り汗も飛び散る熱演となった。
演目の売りはサブタイトルにあるように「カトリックのバッハ」(?)オーストリア人の作曲家アウフシュタイナーの宗教的なソナタだ。オーストリアでもあまり知られていない人だそうだが、聴いてみた限りではバッハというよりは同じく演目に入っていたムファットやビーバーの方に似ていると思えた。
私の席は前の方だったので、音がダイレクトに押し寄せて来てちょっとビックリ。ホールとは全く違う響き方である。
この日の公演は絶賛している感想が多いようだが、私個人の感想としては「やっぱりレツボールとは相性が悪い」としか言いようがない。いや、不満ではなくホントに個人的な好みの問題です。
新宿区長が最初に出て来て挨拶したが、最後までちゃんと聴いてったのはチト感心。元々音楽好きな方なんですかね。
9日はリクレアツィオン・ダルカディアだけの公演。
音楽祭の趣旨に則って地元に利益をもたらすために、喫茶店に入ってコーヒーとケーキを注文。これがまたすごーくおいしかったぞ! しかし、マスターが時間をかけてじっくりとコーヒーを淹れてくれたため、危うく開演に間に合わないのではないかとドキドキしてしまった。
さて、会場は目白通り沿いのなんと1929年建立という由緒ある教会で収容人員100人。前日はP・ヘレヴェッヘのロ短調ミサで大ホールに行ったが、それとはまるで対極の世界である。
おまけに入口で靴を脱いで上がるのだ! 両脇に下足棚があって木の床はピカピカしているし、なんだか銭湯を思い出してしまったよ(^o^;
木製の座席は四人がけだったが(前に聖書や聖歌集が置いてある)小さくて、男性ばかり座っている所はかなりギュウ詰めでキツそうだった。なんとかしてくれー。
このグループのメンバーは個々にBCJ系(というより、鈴木兄弟系か)の公演などに出てたりすることもある。ヴァイオリン二人が女性、鍵盤とチェロが男性という組み合わせで皆さんまだまだお若い方ばかりです、ハイ。
演目はイタリアのトリオ・ソナタでおなじみコレッリ、ヴィヴァルディに加えロカテッリ、ボンポルティなどである。
コレッリは可もなく不可もなくという感じだったが、全然知らない作曲家ボンポルティが良かった。一方ロカテッリは終期バロックというか、古典派に片足突っ込んでるという感じで、曲自体が私には苦手なもんだった。
最後のヴィヴァルディの「ラ・フォリア」は昔、NHK-FMでエンリコ・ガッティの狂燥的な熱演が放送されたのを聴いたが(もちろん録音して愛聴テープとなっとります)、それに次ぐほどの素晴らしい演奏だった。「レオンハルト翁激賞」の宣伝文句もハッタリではなかったと納得、である。
実はこの週はライヴづくめで、火曜から金曜まで四日連続でコンサートに行ってて、かなりくたびれていたのだが、最後の日にこのような演奏にあたってとっても満足した。で、目白駅前をスキップして帰ったのである。
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