「メタルマクベス」:意外にも真っ当
劇団新感線
原作:W・シェイクスピア
脚色:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:内野聖陽、松たか子
会場:青山劇場
2006年5月16日-6月18日
新感線のチケット獲得についてはここ数年、ほとんどプレオーダーも含めて敗退していた。が、しかし!今回は奇跡的にゲットできたのである(!o!) 自分でも信じられねえ~。こりゃ、今年は当たり年か。当たるったって食あたりだったりしたらしょうもないが。
今回公演の演目は『マクベス』を売れっ子宮藤官九郎が脚色、さらにマクベス夫妻を内野聖陽、松たか子を演じるという豪華配役である--と言っても、私はこの二人が演技しているところ自体ナマどころかテレビでも見たことないんだけど(^^ゞ
さらにロックオペラ仕立てでバックにはバンド付き、というテンコ盛り状態。
本筋のストーリーは二百年後の荒廃した未来に移し、さらに1980年代日本のヘビメタバンド「マクベス」の栄光&没落話がリンクする。で、三人の魔女はそのバンドのおっかけだった「元・少女」という次第。
という設定に反して、実際見てみると結構真っ当な『マクベス』だったにはビックリ。この原作の問題な所は強気・勝気で亭主の尻をひっぱたく悪女のマクベス夫人が後半、気弱になって幽霊を恐れる--という不自然さである。かつて川村毅は彼女を「極道の妻」に設定して納得させたが(確かに強気でかつ迷信深い)、こちらでは夫婦をDQNなカップルとして設定。なるほど、これはこれで得心が行く。
ということで、かなりまともなマクベス芝居を観てしまったという気分であった。
このスタッフ・配役ならもっとブチ壊してくれるのを期待してたんだけど--というのは欲張り過ぎか。
もっとも、ラストシーンは今イチ意味不明であったが。(ヘビメタネタなのか?)
王役の上条恒彦は余裕の貫禄で、グレートです \(^o^)/
助演の若手二人もよかった。二人とも余分な肉が全然ついてなくてほとんど骨と皮ぐらいの細身なんで、内野聖陽が「贅肉がどうも気になる」などと比較されてしまうのはカワイソウであろう。(^^; (一緒に見た友人や、ネットの掲示板でそういう意見あり)
一方、逆木圭一郎はなんかあまり為所のない役で、出すために仕方なく作った役、みたいな感じ。もうちょっとキャラクターを生かして欲しかった。
それと、セリフが約50%聞き取れないのはマイッタ(=_=;) 特にバンドの音とかぶさると壊滅的。
隣の座席に明らかに芝居自体初めて、という様子の高校生の女の子がいた。結構チケット高いのに高校生じゃ大変だろう、一体誰のファンなのであろうか?と思ったが、おばさんモードで「ねえねえ誰のファンなの」などと聞くわけにもいかず、疑問のみが残ったのであった。
しかし、6時開演で途中25分休憩入って10時近く終了。ただでさえ長いシェイクスピア芝居が歌やら過去の因縁話やらでさらに長くなった。
疲れたよ(x_x)
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コメント
今日始めてたどり着いた貴ブログですが、
とても面白く拝見しているところです。
ところで、
>夫婦をDQNな
のDQNの意味を教えてください。
投稿: tamon | 2008年2月 3日 (日) 11時14分