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2006年7月 3日 (月)

「ナイロビの蜂」:久々の骨太社会派映画(夫婦愛付き)

監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ
イギリス2005年

宣伝は完全に夫婦愛を押し出した女性客向けとなっていたが、ル・カレが原作者だからして当然社会派サスペンスなんである。いくら社会派ものは客が入らないと言っても、これでは詐欺と言われても仕方ないかも。
しかも監督がブラジル人の『シティ・オブ・ゴッド』を作ったF・メイレレスであるからして、エンターテインメントの範疇からははみ出している。画像のトーンや構図もかなり異端な感じ。こんな映像を、論理的な展開が必至である社会派ものに乗っけてしまうのは神業に近いかも。

英国の外交官がラディカルな市民運動に没頭する学生と結婚。どう考えても水と油みたいに思えるが却って正反対のところがよかったのか? ケニアに赴任してからもボランティア活動や本国への運動を続ける妻が謎の失踪&死を遂げる。

やがて製薬業界がからんだ(グローバルな、国を股にかけて利益を追求する)陰謀が徐々に明らかになってくる。ここに描かれているのはまさに「持てる者が持たざる者を搾取する」という構図である。善意の名の下に行なわれる恐るべき、救いがたいシステムが冷徹に洗い出される。
ウツだ……(>_<)

緑豊かなゴルフ場を遠景から捉えるカメラが反対側へと回されると、そこはゴチャゴチャしたバラックが広がる。この作品中で最も衝撃的な映像であろう。そこに映されているのはまさしく「事実」に他ならない。あまりに冷酷なんで泣けてくる。
もちろんあくまでも外部(西欧)から見た視線なのだが。

こんな内容なのにケニア政府が協力しているのにはビックリ。
あと、妻が裕福な家の出で、色々人脈があるなら、最初からそのルートを使って政府を動かせば良かったんじゃないの?と思ってしまったのは難。
レイフ・ファインズは賞レースには絡まなかったが、のほほんとした園芸好きの男を好演である。


主観点:8点
客観点:8点

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