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2006年8月19日 (土)

「アフリカ・リミックス」:一つの色には塗れない大陸図

多様化するアフリカの現代美術
会場:森美術館
2006年5月27日~8月31日

広大にして複雑なるアフリカ大陸から25カ国84名140作品を紹介する美術展。まさに今のアフリカ(と、一つにくくれないのだが)のアートを総覧できる。

で、印象はというと……
暗い。
重い。
苦しい。
ウツだ。

双頭の神の如く、一方では恵みをもたらすと同時に抑圧の権化として重くのしかかる西欧文明。その影響下で逃れたくても逃れられない無言の叫びが、膨大な作品群から聞こえてくるようである。(もちろん、その状況はアジアや南米などでも同じなわけだが)いや、見応えはあったんだけどね。(~_~;)

あまりに数が多いので個々の作品を覚え切れなかったが、面白く感じたのをあげてみる。
ポスターなどにも使用されているシンディ・シャーマン風のアフリカ版セルフ・ポートレイト。民族・人種を問わず自分でやってみたくなるみたいだ。
いかにもアフリカっぽいユーモラスで小さな彫像数体--だがよくよく見るとそれぞれドラッグやってたりする。イメージのギャップがシニカルな笑いを引き起こす。

一番気に入ったのは、パルプSFに登場するような宇宙船やらモンスターやら銃を太めの針金で作り上げたもの。恐らくはわざと稚拙に書いたメモやスケッチも貼ってある。グローバルに(?)流通している、しかし安っぽいイメージをあえてローカリズムの極致というか、モノも金もないド田舎に暮らす個人の妄想を通して再現したような感じで、しかも少しポップなのだ。地味な作品で気に留める人も少ないだろうけど、ハナマル印を付けたい。

全体に数が多く映像作品もかなりあるので、じっくり見るには3時間ぐらい必要かも知れない。

見終ってから展望台を一巡り。晴れた日で見通しもよく房総半島まで見えて、気分もスッキリハッキリした。そして、下を見下ろして「ワーハハハ(^○^)、貧乏人どもがケシ粒のように見えるわい」とヒルズの住人の気分になってみた。
まもなく開館予定の国立新美術館も間近にみえた。波打つ薄い水色のガラスの外観がなんとなくビミョー。「美しい」とか「ステキ」というより「変!」な感じ。デザインは黒川紀章らしい。


【関連リンク】
「弐代目・青い日記帳」
「Paseo de los museos」
客の素朴な反応が笑えました。(^^)

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» 「アフリカ・リミックス展」 [弐代目・青い日記帳]
森美術館で開催中の 「アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術」展に行って来ました。 森美術館の前回の展覧会「東京‐ベルリン/ベルリン‐東京展」が 散漫としていてイマイチなものだった為、今回もどうかな〜と心配しつつ 高速エレベーターに乗り森タワー53階へ。 黄色、緑、赤。アフリカの国々の国旗に多く使われている3色を ポスター、チラシそして展示室キャプションなど効果的に用いていました。 (世界の国旗―アフリカ―) ずばり、結論から言ちゃいますと。 ... [続きを読む]

受信: 2006年8月23日 (水) 20時05分

» 「アート DE すりる!」Vol.2 [CHEAP THRILL]
「アフリカ・リミックス」 7月15日7時42分 六本木ヒルズに行き 「アフリカ・リミックス」を観に行く。 なんと美術館が53階にあるのだ。 中も近未来風で 美術館というより 松本零士の漫画の世界のようだ。 そんな中で観たアフリカのアートは 意外にもモダンで都会的な作品が多かった。 絵画、写真、オブジェ以外に 映像アートも結構あった。 これはアートそのものがもつ印象よりも 六本木ヒルズのオシャレな美術館という特殊な空間の影響が大きい。 「アフリカ・リ... [続きを読む]

受信: 2006年8月25日 (金) 18時58分

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