「ローズ・イン・タイドランド」:妄想する少女はお好き?
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド
イギリス・カナダ2005年
テリー・ギリアムが小説『タイドランド』を映画化(原作の感想はこちらをどうぞ)。
公開を期待していたのだが、実は予告を見てからかなり見ようという気がそがれてしまった。なぜかと言うと、主人公の女の子が予想していたのよりかなりカワイクてキレイだったからだ。私の脳内ではもっと構われていなくて薄汚れている子どもだったんだが。
だけど、結局他の夏休み映画はあまり見たいのがないので行ってみた。
原作はダーク・ファンタジー--というよりマジック・リアリズム、とかアメリカン・ゴシックといった形容が合うもの。
だが、映画はそれよりもさらに現実寄りに描かれている。妄想する少女ジェライザ=ローズを客観的に見ている印象。少女の「王子さま」であるディケンズの描き方もそんな感じだな。
えー、つまり監督は少女の妄想自体より、妄想する少女の方に興味の比重があったってことだろう。
そのためか、中盤はヒロインの一人芝居を延々と眺めさせられている気分でかなり辛かった。人形の声はてっきり別の役者の声を当てるのかと思ってたら、それもローズだったんで余計に一人芝居ぽい。
映像としては文句はないが、やっぱりギリアムの演出のテンポは個人的にうまく合わない、という事を再確認して、作品の出来とは関係なく点数が下がってしまった。
デル役の人はどこかで見たと思ったら『歌追い人』の主人公だったのね。大柄な女優さんはやっぱりこういう役が回ってくるのか。
ところで新宿武蔵野館は同じフロアに3つの映画館があるのだが、隣の部屋がやたらと若い女性で行列が出来てごった返していた。レディース・デイにしてもこれはスゴイ。何の映画かと思ったら『ゆれる』であった。な、なるほどね……。
夜の回までお立ち見だよ。見に行く予定の人はご注意あれ。
主観点:6点(主役の女の子で1点増し)
客観点:7点
【関連リンク】
こちらの感想もどうぞ
「No Movies, No Life!!」《大人のためのギリアム・ワールド》
「おたくにチャイハナ」《映画『ローズ・イン・タイドランド』》
「BLOG IN PREPARATION」《「ローズ・イン・タイドランド」 この醜悪な世界をすり抜ける少女》
こういう解釈もありか?
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