« 少しばかりズルしても成績上げんとね | トップページ | 理想は「司書なし図書館」ってことでOK? »

2006年11月 6日 (月)

「16ブロック」:演技晴朗なれど画面含有率高し

監督: リチャード・ドナー
出演: ブルース・ウィリス、モス・デフ
米国2006年

ブルース・ウイリスがヨレヨレの老刑事を演じたのが話題のアクション映画。『ザ・センチネル』よりもよほど評判がいいので行ってみた。アクションと言っても派手なものはなくて、定番と化した黒白二人組コンビの掛け合いを楽しむのが主眼だろう。
監督は数々のエンタテインメント映画の名作を送り出してきたリチャード・ドナーである。

夜勤明けでただでさえヨレヨレしている主人公の老刑事が無理やり頼まれたのが、アフリカ系の容疑者を裁判所まで移送するという仕事。その若者がお喋りのお調子者で--てな具合だが途中で襲撃されてニューヨークの裏町を逃げ回る破目になる。

残念ながら監督に往年の演出の冴えはなく、脚本はアイデアはともかく途中の展開はかなりいい加減なもんである。ご都合主義な展開をすべて「吉兆」で片付けられては堪らない。その他、そこで戻ってくるかー?とか、なんでそこで撃っちゃわないの?とか見ている間も疑問多数だ。

見所はB・ウィリスの老けメイクと、モス・デフ(ラッパー出身だそうで)の舌足らずっぽい喋りぐらいか。退屈はしないので及第点だけど。
おっと--忘れてならないのは、デヴィッド・モースの由緒正しい悪役ぶりだ。これこそはまさに職人芸と言うべきものだろう。

最初に手錠で繋がれてしまう刑事はどっかで見た顔だけど誰だろう……とずっと考えてたが、終わり近くになって監獄ドラマ『オズ』のイタリア系(ありゃスペイン系の方だっけ?)マフィアの一人だったのをようやく思い出した。あー、スッキリ。

バリー・ホワイトがタイヤ泥棒していたというのは初めて聞いた。皆さん、色々苦労しているんですねえ。( -o-) sigh...


さて、ここしばらく立て続けに主演俳優がプロデュースに参加している作品を観てきた。『ザ・センチネル』『カポーティ』『16ミニッツ』だが、どの作品にも共通なのは、ご本人の画面含有率が高いということだろうか。いずれも90パーセント以上なのは間違いなし!


主観点:6点
客観点:6点

【関連リンク】
ウィリスの老けメイクについて
《映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~》

「船頭多くして船山に登る」「ヌラヌラと喋り続ける」というのが言い得て妙であります。
《Subterranean サブタレイニアン》

| |

« 少しばかりズルしても成績上げんとね | トップページ | 理想は「司書なし図書館」ってことでOK? »

コメント

TBありがとうございます。
リンクにも登録してもらって感謝してます~

公式サイトに行くまでは、老けメイクとは知らずB・ウィルスも、もう主演映画のオファーは来なくなるのでわ?
そんな心配もしていたので、メイクと知ってひと安心しました。

モス・デフのシャツボタンの掛け違いシーンとか、結構細かいところまで演出してましたね(笑)

今後とも、よろしくお願いします。

投稿: ituka | 2006年11月 6日 (月) 09時05分

コメントどうもです。

|そんな心配もしていたので、メイクと知ってひと安心しました。

私は「あのお腹は本物だろうか?それとも何か巻いているのか」などとシゲシゲと見てしまいました。
モロに老人という感じではなく、ビミョーな老け方が見事でした。

投稿: さわやか革命 | 2006年11月 7日 (火) 22時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「16ブロック」:演技晴朗なれど画面含有率高し:

» 16ブロック (フリーパス11本目) [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★★ アルコール依存症で、人生を捨てたニューヨーク(NYPD)のひとりの刑事ジャック・モーズリー。彼は夜間の職務を終え、疲れきった身体で署に戻ると、上司からいきなり残業要請(笑)最初は断るが、しつこく言われ渋々OK。 この刑事のキャラクターには唖然である。デスクの引き出しには酒、裁判所に証人を護送中に酒を買い飲酒運転するわで、どうしようもないダメ刑事だ。今回は役作りのために、メイクアップで浮き出た毛細血管や荒れた肌を作ってい... [続きを読む]

受信: 2006年11月 6日 (月) 09時06分

» 「16ブロック」 [the borderland ]
ブルース・ウィリスの刑事と言えば、「ダイ・ハード」ですが、この作品でも、巻き込まれ系の刑事ジャックを演じてます。しかし、20年近くも立てば、すっかりやる気をなくし、腹もぼてっとし、酒浸りの姿が似合うんだな。「ダイ・ハード4」は大丈夫か(^^; 嵐の中、車で走ってるとバス停に、①瀕死のばあさん②親友③自分好みの女性、がいました。車には後1人しか乗せられません。さぁ、あなたなら、誰を乗せる? 護送する証人エディ(モス・デフ)がジャックに話した心理ゲームです。ジャックの答えを知りたい方は劇場へ。 ... [続きを読む]

受信: 2006年11月12日 (日) 23時24分

« 少しばかりズルしても成績上げんとね | トップページ | 理想は「司書なし図書館」ってことでOK? »