「16ブロック」:演技晴朗なれど画面含有率高し
監督: リチャード・ドナー
出演: ブルース・ウィリス、モス・デフ
米国2006年
ブルース・ウイリスがヨレヨレの老刑事を演じたのが話題のアクション映画。『ザ・センチネル』よりもよほど評判がいいので行ってみた。アクションと言っても派手なものはなくて、定番と化した黒白二人組コンビの掛け合いを楽しむのが主眼だろう。
監督は数々のエンタテインメント映画の名作を送り出してきたリチャード・ドナーである。
夜勤明けでただでさえヨレヨレしている主人公の老刑事が無理やり頼まれたのが、アフリカ系の容疑者を裁判所まで移送するという仕事。その若者がお喋りのお調子者で--てな具合だが途中で襲撃されてニューヨークの裏町を逃げ回る破目になる。
残念ながら監督に往年の演出の冴えはなく、脚本はアイデアはともかく途中の展開はかなりいい加減なもんである。ご都合主義な展開をすべて「吉兆」で片付けられては堪らない。その他、そこで戻ってくるかー?とか、なんでそこで撃っちゃわないの?とか見ている間も疑問多数だ。
見所はB・ウィリスの老けメイクと、モス・デフ(ラッパー出身だそうで)の舌足らずっぽい喋りぐらいか。退屈はしないので及第点だけど。
おっと--忘れてならないのは、デヴィッド・モースの由緒正しい悪役ぶりだ。これこそはまさに職人芸と言うべきものだろう。
最初に手錠で繋がれてしまう刑事はどっかで見た顔だけど誰だろう……とずっと考えてたが、終わり近くになって監獄ドラマ『オズ』のイタリア系(ありゃスペイン系の方だっけ?)マフィアの一人だったのをようやく思い出した。あー、スッキリ。
バリー・ホワイトがタイヤ泥棒していたというのは初めて聞いた。皆さん、色々苦労しているんですねえ。( -o-) sigh...
さて、ここしばらく立て続けに主演俳優がプロデュースに参加している作品を観てきた。『ザ・センチネル』『カポーティ』『16ミニッツ』だが、どの作品にも共通なのは、ご本人の画面含有率が高いということだろうか。いずれも90パーセント以上なのは間違いなし!
主観点:6点
客観点:6点
【関連リンク】
ウィリスの老けメイクについて
《映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~》
「船頭多くして船山に登る」「ヌラヌラと喋り続ける」というのが言い得て妙であります。
《Subterranean サブタレイニアン》
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コメント
TBありがとうございます。
リンクにも登録してもらって感謝してます~
公式サイトに行くまでは、老けメイクとは知らずB・ウィルスも、もう主演映画のオファーは来なくなるのでわ?
そんな心配もしていたので、メイクと知ってひと安心しました。
モス・デフのシャツボタンの掛け違いシーンとか、結構細かいところまで演出してましたね(笑)
今後とも、よろしくお願いします。
投稿: ituka | 2006年11月 6日 (月) 09時05分
コメントどうもです。
|そんな心配もしていたので、メイクと知ってひと安心しました。
私は「あのお腹は本物だろうか?それとも何か巻いているのか」などとシゲシゲと見てしまいました。
モロに老人という感じではなく、ビミョーな老け方が見事でした。
投稿: さわやか革命 | 2006年11月 7日 (火) 22時57分