「鈴木雅明 オルガンリサイタル」:轟音に脳ミソ漂うバッハかな
内容:J.S.バッハ/ドイツ・オルガン・ミサ
会場:所沢ミューズ・アークホール
2006年11月11日
少し前のブログで「もう二か月ぐらいはバッハを聴かなくてもいい」なんて書いたのだが、早くもまたバッハを聴きに行ってしまった。
『ドイツ・オルガン・ミサ』と言えば、なんとなく「地味」というイメージがあって最初は行かないつもりだったのだが、値段があなたS席二千円ですよ、二千円! いくらなんでも、こりゃ安過ぎだーっ。
ということであまりの安さにフラフラと所沢へ。しかし、やはり都心からは行きにくいせいか、座席は半分も埋まっていないのであった。勿体ニャ~。
全曲演奏するにはあまりにも長過ぎるので本日は抜粋とのこと。しかし、それぞれのオルガン曲の前に元となったコラールがBCJのメンバー四人によって歌われたのであった。(この形態の方が演奏会ではよく行なわれるのか? 以前FM放送で聞いた時もコラールが歌われていた)
全体的な印象としては、バッハが「どうだ、吾輩の作曲と演奏の手腕を見よ!文句あっか」といった感じの、オルガンでありとあらゆる曲調をやってみました的なショーケース風の曲集であった。
例えばBWV680では極めてテンポの早い豪快な曲になっているが、一転次に演奏されたBWV682はなにやら極めて異質な響きである。
個人的には曲に隠された宗教的な意味はあまり考えず(というかそもそも分からないので)、純粋に様々なオルガンの響きとオルガン奏者としての鈴木雅明の腕前を堪能したコンサートだった。合唱も地道だったがよかった。
やはり、パイプオルガンというのは生で聴かないとダメで、録音ではよく分からない所がある。大体にして家ではあんなに音量を大きくして聴く事自体不可能だし。
特に冒頭と最後に置かれたプレリュードとフーガはすごかった。正しく爆音と言ってもいいぐらいで、この爆音の海に私の脳ミソはドップリと気持ちよく浸かって、さらにはいずこかへとプカプカと漂っていくような気がした。こんな気分は録音ではとても味わえないだろう。
ただ、正味一時間半の演奏に休憩無しというのはちょっとキビシかった。後半は少し集中力が切れてしまったよ。
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