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2006年12月24日 (日)

今年のクリスマス・アルバムはこれだっ

ここ××年ばかりクリスマスとは何の縁もない生活を送っている。買い物行っても、映画館でも人が多くてイヤだし、家でジッとしているのが一番てな感じなんであーる。

せめて音楽だけでもクリスマス気分、ということで今回買ったのは--

ジョエル・コーエン指揮ボストン・カメラータ『地中海のクリスマス』
(Warner Classics)

である。日本でも先日ライブを聴いたアンサンブル・エクレジアや、新盤が話題のアントネッロみたいにジャンルを横断して宗教音楽まで演奏しちゃう流れが目立つが、こちらはさらにすごい。
なにせ、イベリア半島はもとよりイタリア、南フランス、バルカン半島、エジプト、モロッコ--時代も12世紀から19世紀までに渡る。もちろん言語も様々、内容もキリスト教のみならずユダヤ系アラブ系も。ということで、アラビア音楽のアンサンブルと共演している。
曲は古い写本から復元したり、現地のコミュニティで採集したものなど。一つの曲の中に異なる宗教文化の要素が混在してるのもあって面白い。イエスの誕生の物語がユダヤのアブラハムの誕生の歌に変わってたり、馬小屋に贈り物を持って行くのが羊飼いでなくて貧しいジプシーになっている曲など。
また、ヘロデ王に殺された子どもたちを嘆く歌の激越な悲嘆はド迫力を感じた。

ジョエル・コーエンは来日した時のレクチャーで、中世ヨーロッパの音楽は後世の西欧音楽よりも中近東など同時代の他地域の音楽の方に類似している、と述べていた。このアルバムもその実践例ということだろう。

雑多で異教味タップリのあまり、聴いてて目が回る~(@_@)
とはいえ、やはりこれは録音よりもライブで聴いて見てみたいもの。それも立派なホールでなくて、極小なホールか教会みたいな場所でだ。

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