「おれちん」:みんなで行こう「美しい国」へ
現代的唯我独尊のかたち
著者:小倉紀蔵
朝日新書2006年
×月×日
『おれちん』を読む。どうやら、これはコイズミ前首相に代表される新たなる日本人のタイプ(他にはホリエモン、ナカタが該当)を論じた本らしい。
「おれさま」と「ぼくちん」を半分ずつ合体させたのが、「おれちん」であり、その正体は「自己中心的で威張っていて、しかも自閉的」なのだそうだ。
×日×日
『おれちん』を読み進める。
これは「おれちん」批判の書かと思っていたら、どうも違うようだ。むしろ、あなたも「おれちん」である事を認めた方がいいという啓蒙書のようである。
「世の中=家の外=ネットの外」に「居場所」を持てない全能感と無能感の塊が、「世の中=家の中=ネットの中」に大量に浮遊する。
おおっ(!o!)これが「おれちん」というのならば、正にタコツボ化したブログでどうでもよい細かくて下らない事を書き綴っているブロガーはみんな当てはまってしまうではないか。
も、もしかして私も……(大汗)
×日×日
さらに読み進む。
どうもこれは最初の印象とは裏腹に「おれちん」勝利宣言の本だったようだ。
そうだ!下らなくて古くさいアイデンティティにこだわる「わたし」なぞ、もはや完全に消滅した。「おれちん」バンザイ \(^o^)/
×日×日
遂に読了する。
なんということだ。事ここに至ってこんな展開になるとは……。
結末まで行って、唖然ボー然憮然。
やられた、やられたよ_| ̄|○ もうダメだ。泣いちゃうよ。
| 固定リンク | 0
コメント