「ニキフォル 知られざる天才画家の肖像」:遠くから眺めているのが吉かと
監督:クシシュトフ・クラウゼ
出演:クリスティーナ・フェルドマン
ポーランド2004年
アウトサイダー・アートとはそもそも正式の美術教育を受けていない人による作品を指すらしいが、このニキフォルという画家は正しくそれにピッタリとあてはまるだろう。
1960年代のポーランド、美しい保養地に出没して観光客相手に自分の絵を売りつける老人として彼は登場する。その時既に彼の絵は認められ、美術館で個展が開かれるようになっても、である。
物語は晩年に彼に成り行きで関わり色々と世話をするようになった年下の画家との交流が中心となる。
元々、言語障害のある頑固爺さんでコミュニケーションは取りづらく、他人のことなぞお構いなし。画家も「美術学校なんて行ってムダムダムダ」とか「お前には才能がない」なんて言われちゃって、変なじーさんがウロチョロするもんだから家族ともうまく行かなくなってしまう。
ニキフォルはなんと老女優クリスティーナ・フェルドマンが演じている。全くシワクチャのじーさんという感じで違和感なし。画家役のロマン・ガナルチックと、この二人の演技で全てを見せていると言っても過言でもない。
だが、画家の伝記としては……物足りない。なんだか感動的なエピソードで終わり、みたいだ。映画を観る前と後で、彼の作品に対する見方が変わるわけでもないし、興味が深まったわけでもない。
ロビーに彼の絵が展示してあったが、個人的には「あんまり興味持てないな」で終わってしまった。
それから、やっぱりこういう頑固じーさんは側にいたらイヤかな、と。美術館で作品眺めてた方がいいです。(^o^;
主観点:6点
客観点:7点
【関連リンク】
色々詳しい情報や画像が出ています。
《海から始まる!?》
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