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2007年1月16日 (火)

「リトル・ミス・サンシャイン」:これこそ本当の妹萌え映画?

監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
出演:グレッグ・キニア、トニ・コレット
米国2006年

米国で低予算で作られながらヒットし、さらに各映画賞にノミネートされているという(一部で)注目の映画。

完全にバラバラな家族の様子が夕食の場面で描かれる。それはまさに小田嶋隆がブログで突然なぜか引用しているルー・リードの歌にあるように「名前以外に、なにひとつ共通の基盤がない」に近い。
そこにさらに母親の弟でゲイにして米国で第一人者のプルースト研究家(自称)が自殺未遂を起こしたため、同居する。
ところが、あんまり美少女とも思えぬ娘のオリーヴがなぜか美少女コンテストの予選に通ったため、一同は揃って本選の行なわれるカリフォルニアに向かう羽目になるのであった。
かくして仲もよくない家族が小さなバンで一日中顔を突き合わせていなけりゃならんのよ。

極めてシニカルなコメディである。多分セリフの一つ一つに色々と強烈な皮肉が込められているんだと思うが、残念ながら字幕ではよく分からない。特に勝ち組セミナーを開く講師である父親(ただし本人自身は負け組)の言うことには、いちいち靴を投げつけたくなる。
ただでさえ負け犬度濃厚な一家は旅が進むにつれ、負け犬決定(^o^)bな出来事に遭遇し、故障しかけたバンと同様にますますヨレヨレしてきてしまうのであった。
しかし、唯一勝ち組(じーちゃんの定義による)を目指すオリーヴのために走り続けなければならない。

最後のコンテストの場面は爆笑、さらにそれに対する家族一同の必死の対応は大爆笑(役者さんたちかなり悪のりしてやってると見た)。でも笑いながら感動の涙も出てしまうのだ。勝者にはなれなくても心にゃ錦を飾ったのよ(~ ^~)
そういう感動かつ皮肉なコメディである。それを支える役者もみなうまい。

後から思い出して笑ってしまう場面多数あり。特にツボにはまったのはオリーヴが「トランクの中!」と叫ぶトコ。ダメだ、笑わせないでくれ~。

それにしてもオリーヴたん、かあいいです(^^) 後から気付いたんだけど、失意の兄を慰める場面は、実はそれより前に兄自身が母親を慰めるために彼女にしろとすすめた行為と同じ事をしてるんですね。ニーチェを信奉し全てを憎悪しているあんちゃんでもほだされてしまうのは仕方ないです。

美少女コンテストで父親の隣に座っているバイカー風の男は、ロリコン野郎だという説があるが、あれはやっぱり他の出場者の父親だろう。妻と娘が熱中してて常連になってるのを仕方なく運転主役でくっ付いて来ているんだと見た。大体にして、ホントにロリコン男だったら最前列でヨダレ流して(^Q^;)見てるはずだと思うが。
しかし、コンテストの司会者はキモ~イ。歌といい化粧といい--カンベンです。コンテストの醜悪さに比べてオリーヴたんの健全さ(やってることは本来は「健全」ではないはずなのだが)が際立ってしまうという、対比の妙。


主観点:7点(事前に期待が高過ぎたので)
客観点:8点

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