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2007年1月27日 (土)

「あるいは裏切りという名の犬」:止めてくれるな妻よ娘よ、背中のパリ警視庁の看板が泣いている

監督:オリヴィエ・マルシャル
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー
フランス2004年

コテコテコテ……
今なおドトーのように押し寄せる香港ノワール・パワー、そして物量作戦でこれでもかと来るハリウッド製アクション。これらに対し、けっ!ナンボのもんじゃいと伝家の宝刀を持ち出してきたのが、これ。コテコテのフレンチ・ノワールである。
どれほどかというと、叩くとコテコテコテと音がするくらい。

舞台はパリ警視庁、次期長官の座に最短距離にいる二人の男。一人は部下の信望厚いレオ、もう一人は権力欲の塊なドニ。未解決の現金強奪事件をめぐるこの二人の対立が悲劇を招くのであった。
対照的な二人、友情、裏切り、愛憎、義理……。
既にここまででノワール味テンコ盛り。この手の話が好きな人間には文句なく気分に浸れるだろう。
主役はフランス二大名優激突! 日本だと菅原文太とと高倉健みたいなもんか(違う……?)。脇のいかにもなフレンチ顔の役者達もよい。

ただ、私が見ていてどうも納得いかないのは、ドニの人物像である。レオの方の失態は巻き込まれた形でどうにも仕方なかったのだが、ドニの方はすべて彼の状況判断--いやそれ以前の思考ゼロの場当たり的行動のためである。それがなかったらそもそも死人は出なかったろうに。
実務能力がないのに権力指向だけは強い--こういうヤツが職場にいたりすると最悪である。しかし、少なくとも私の周囲を見る限り、実際に管理職になっている人間のほとんどはこの手のヤツなのだ。(しかもこの部分は実話に基づいているという(-_-;))
まあ、こういう現実の世知辛い部分を連想させるのは、ノワール物としてどうよという気がしたし、二人の中心人物の片方に全く共感できるとこがないのは今ひとつ詰まらなかった。

それから宣伝やチラシで「昔は親友だった」とか「レオの妻を昔奪い合った」とかあるが、実際のストーリーにはそんな事はほとんど出てこない。ドニがレオの妻にチョッカイ出そうとする場面があるが、亭主がいない間に美人の奥さんにちょっと手を出してみようと思いました、ぐらいの解釈でも可能だ。
本編にない余計な事を宣伝するなと言いたいぞ(`´メ) プンプン

さて、この作品はハリウッドでリメイクが決定らしいが、レオをデ・ニーロがやってドニの方をジョージ・クルーニーをやるという。そうすると、昔気質のベテラン警官を権力指向バリバリの若手が背後から陥れる、みたいな話になりそうだ。


主観点:6点
客観点:7点(コテコテのハードボイルド&ノワール・ファン推奨)

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