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2007年1月13日 (土)

見張られてるのはどっちだ?--外部だけでなく内側も監視するカメラ

ダンナを妻が殺害、その後死体を切断して新宿・渋谷に捨てた事件。新聞やテレビのワイドショーを騒がせたが、私が気になったのは事件そのものよりも真相発覚にマンションの監視カメラが役に立ったということである。
「勤務先に出勤問い合わせ…偽装工作」

帰宅していないはずの12月12日早朝、自宅マンションの防犯ビデオに祐輔さんが映っていたことをつかんだ。

朝日新聞の1月11日の夕刊によると、同僚が夫婦の自宅マンションの防犯ビデオの映像を調べたところ被害者が早朝に帰宅しているのが映っていたが、その後出勤する姿は映っていなかった、という。

私のいるマンションにも防犯用の監視カメラがある。出入口と一階ロビーの廊下とエレベーターだ。昨年、増設する案が出て住民の投票で可決されたこともあった。
本来の設置の目的は外部の不審者の出入りを確認するためのものである。増設案が出された時もそれが明記されていた。
しかし、この事件では結果的に監視されていたのは外部の人間ではなくてマンションの住人であった。もちろん、映っていたのは被害者で、それによって事件が解決されたのはメデタかったのであるが、本来「不審者」の挙動を監視するはずが、結果的に内部住民の行動をチェックする役割を果たしていたのは否定できない。

つまり内部の人間が外部の人間を監視するつもりで導入したはずのカメラが、実は自分自身をも監視していたということである。監視していたはずが監視されていた……。その点においては「不審者」も「住人」も同じで変わりはない。
ビデオ上の映像は単なる情報であり、そこに選別の機能は働かない。外部の不審者による犯罪も内部の住民のプライバシーも全くの等価なのだ。

さらに気になるのは、このビデオを同僚が調べたということだ。ビデオは警備会社が管理するのだと思うが、頼めば第三者に見せてくれるのだろうか。
そうなると、配偶者の浮気を疑う住人が自分の不在時のビデオを見せてくれと頼んで来るかも知れない。

そのうちマンション各階の廊下や各部屋の玄関ドア前にも監視カメラが設置されるようになるのだろうか(実際、そういう場所で犯罪が起こっている)。
その時、いつも見守られていて安心……ということだけではないのは確かなようである。

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