「ヘンダーソン夫人の贈り物」 :J・デンチのはありません(念為)
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ジュディ・デンチ、ボブ・ホスキンス
イギリス2005年
S・フリアーズと言えば英国インディーズ系勃興期に『マイ・ビューティフル・ランドレット』や『プリック・アップ』で注目されて、この2本は私も公開当時に見た。その後は見たり見なかったり……。
この作品も最初見るつもりはなかったのだが、評判が良さそうだったので急きょ行ってみることにした。
戦前の英国、金持ちのオバ様がダンナに先立たれちゃって、さてヒマな時間を何しようと考えて思い立ったのが劇場経営。つぶれた劇場を買いとって改装、さらに支配人も雇って……と、これは実話を元にしているそうな。
しかも、客を引き寄せるためになんと英国初のヌードレビューを敢行! 大入りとなったのであーる。
しかし、話として根本の所は、金持ちのばーさんがヌードを興行したそうな--ということだけなので、ストーリーは起伏に欠ける。踊り子の中の一人のエピソードが登場するが、これはなんとか盛り上げようとくっつけた話のように不自然に感じた。
一方レビュー場面は楽しかった。それから豪華な衣装や小道具も注目か。
基本は、未亡人役のジュディ・デンチと支配人のボブ・ホスキンスの、泣く子もボケ老人も黙る超ベテラン俳優の掛け合い演技が見どころというとこだろう。
ホスキンスは製作に加わっているが、終始J・デンチを立てて受けの演技に徹している。とはいえ、服を脱ぎ捨ててモロ出し場面ありの全てをさらけ出す熱演だ~。あ、ただしデンチの方のは出て来ませんので、ご安心を(念の為)。
まあ、この二人の組み合わせじゃ向かう所敵なしですねえ……。
フリアーズは色んなタイプの作品を撮っているけれど、一貫して良きにつけ悪しきにつけ「英国なるもの」を描くのがテーマであるように思えた。
だーって、次作はほぼリアルタイムな王室を題材にした『クイーン』ですよ。こっちの方が楽しみかなー。こちらもオスカー主演女優賞ノミネートだし。
ゲイの歌手役の人はずっと誰かに似ているなーと思って見ていたが、なんと宮本亜門にクリソツだった。
主観点:6点
客観点:6点
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