バッハ・コレギウム・ジャパン第75回定期演奏会:神戸に向かって号泣
ライプツィヒ時代1725年のカンタータ 6
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2007年2月12日
*最初タイトルを「74回」なんて書いちゃいました。すいません<(_ _)>
今回のBCJ定期はなんとコルネット&トロンボーン・アンサンブルのコンチェルト・パラティーノがゲスト出演。さらにあのヴィオロンチェロ・ダ・スパラも登場、山岡重治を初めとするリコーダー隊やトランペット隊が出れば、オーボエ隊は四人登板、さらに独唱陣は外国勢ベストメンバーということで、まさに豪華オールスターキャスト総出演。まるで盆暮れ正月がいっぺんに来たほどなのであーる。
ヤッタネ! ヾ(^^#)ゝヾ(^^#)ゝ ←嬉しさのあまり踊る図
ところで、チラシに「リュート 今村泰典」とあったのはなに……? 間違いですか。校正ミスですか(?_?)
オープニング演奏にコンチェルト・パラティーノ(+今井オルガン&若松ヴァイオリン)が登場してブオナメンテなどを演奏。特に最後の曲は柔らか~い音色でウットリ聴いてしまう。
コルネット&トロンボーンて、音そのものからして大好きなのだー。でも生で聴ける機会は極めて少ない。
なんでも神戸の方じゃ彼らの単独コンサート(しかも寺神戸&テュルク&鈴木(息子)付き!)をやるっていうぢゃないですかっ。どーして東京方面でもやってくんないのよ。号泣しちゃうよ。
さてカンタータの方は、本日5曲演奏。
最初のカンタータ28番では2曲目のコラールにコンチェルト・パラティーノ登板。古いポリフォニー様式で作曲されているとのことで、こういう合唱を聞くと恍惚とした気分になってしまう。最後の68番の終曲も同様なポリフォニー豊かな合唱でCPの音色と声のまざり具合が素晴らしかった。
二番目の183番よりスパラが登場。演奏するは、王子様風クルリン巻き毛のD・バディアロフである。で、2曲目のテノールのアリアは歌詞の内容が「迫害されても頑張るもん」という前向きな決意表明なのにもかかわらず、共に独奏されるスパラは妙に渋くて哀愁味たっぷりな音なので、なんとなーく聴いてて寂しくなってしまうという点で印象深い曲。またもやバッハの得意技(?)か、テキストと実際の音の感じが異なるというものだった。
他の曲ではオーボエ隊四人(ダモーレ+ダ・カッチャの響きがなんともはや)が大活躍していた。
それ以外に良かったのは、85番のソプラノ独唱によるコラール。C・サンプソンのあくまでもストレートで美しい声と清澄な響きのオーボエと通奏低音の取り合わせが心地よかった。
それから68番のソプラノ・アリアで歌が終わった後のオーボエ+ヴァイオリン+スパラの後奏も印象的であった。
今回は四人の独唱者みんな調子がよかったようで、聴いてる方も大満足。特にテュルク氏はイケイケ絶好調な感じだった。
さて、コンチェルト・パラティーノのことをついでに書いておこう。パンフに書いてある通り元祖(本家?)はポローニャ市のおかかえ合奏隊である。なんでも250年の長きに渡って存続したらしい。その主要な仕事は宮廷のバルコニーから毎夕演奏することだったという。
もしタイムマシンがあったなら是非行って聴いてみたいのは、一にバッハのオルガン生演奏、二にこの元祖CPの定例演奏である。石畳の都市に朗々と響き渡るコルネットとトロンボーン……想像するだにまたもやウット~リだ。
私が古楽に大いに惹かれるようになったのはこのコルネットの音色による所が大きい。一体、今の楽器の何によってこの音の代わりにすることが出来ようか。そんなものは存在しない。となれば方向は一つだろう。
が、コルネットは新興人気楽器?のヴァイオリンに駆逐されてしまったらしい。両者の音域は同じそうだが、他ならぬCPが、録音したディスクではヴァイオリンで演奏していたパートを、コンサートでは自分達で演奏しているのを聞いた事がある(昔NHK-FMで放送)。やはりヴァイオリンに比べ微妙なニュアンスの表現についてはかなり劣る。使われなくなってしまったのも仕方ないと妙に納得してしまった。
参考までに、彼らの録音で気に入っているのは--
Venetian Music for Double Music(ACCENT)
甥っ子の方のファン・ネーフェルが主宰するアンサンブル・クレンデと一緒にやったもの。弦楽器は無しで、ウィラールトとG・ガブリエリの曲を演奏。合唱と対等に絡み合う声楽曲も素晴らしいが、途中にはさみ込まれた楽器だけの合奏曲がまたよい。
ただ、この時期のACCENTって買った盤がどれも録音が今イチなのは気のせいか。
Palestrina/Bach:Missa Sine Nomine(EMI CLASSICS)
こちらはバッハの他に、その先輩筋のドイツの作曲家の曲を取り上げている。タイトル曲はパレストリーナのミサをバッハが編曲したもの。
Francesco Cavalli:Vespro Della Beata Vergine(harmonia mundi)
夕べの祈りというとモンテヴェルディが有名だが、これは後輩筋のカヴァッリの作品。やはり演奏だけのパートも素晴らしい。他の演奏者、歌手の顔ぶれもなにげに豪華だ。
【関連リンク】
バディアロフ氏が出を間違えた話があり。私は全然気付きませんでした(下を向いてパンフをゴソゴソしていたので)。見かけによらずウッカリ者なのか。
「小一時間」さんの「【定期公演】BCJカンタータシリーズ【今年度ラスト】」
神戸公演の様子が分かります。休憩時間に出演者がそこら辺をウロウロしてるんですなー。
《kasumyonのカエル日記》より「【神戸松蔭BCJ】コンチェルトパラティーノの皆さま~」
【追記】
コンチェルト・パラティーノの略号をCCなんて書いてて気付いてませんでした(・・ゞ 最近、どうも老人脳で……。
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コメント
こんばんは.
TBありがとうございます.
2/17のコンチェルトパラティーノ特別公演にも伺いました.
よろしければまたおたずねください.
そうそう,リュートの今村さんの件,私も気になったので伺ってみましたら,チラシを作成した直後に先方スケジュールの都合でキャンセルとなったのだそうです.
他のリューテニストの・・とはなさらなかったのですか?とおききしたら『ハイ,リュート自体を取りやめるという判断になりました』とのことでした.
投稿: kasumyon | 2007年2月18日 (日) 23時50分
おお、今村情報ありがとうございます。
もし今村センセが参加してたら盆暮れ正月どころかクリスマス・イースターもいっぺんに来たぐらいに嬉しかったんですが……。
曲目は決まってたんですから、通奏低音にリュートを加えるかどうかということだったんですかね。
いずれにしても残念であります。
投稿: さわやか革命 | 2007年2月20日 (火) 07時21分