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2007年2月27日 (火)

「たまには、時事ネタ」

著者:斎藤美奈子
中央公論新社2007年

「婦人公論」誌に連載していた6年間の時事コラムを単行本化したもの。で、これは期せずしてコイズミ政権期と重なったらしい。ま、コイズミ時代総決算本としても読むのも可ということか。

読んで思ったのは時事ものは難しいということ。五年ぐらい前だと「ああ、そんなこともあったかねえ」(既に忘却の彼方)という感じだし、二、三年前だとさらに中途半端でビミョーなところである。
下手すると「今はこうなってんのに、あの時あんなこと言っちゃって、ププ」なんて事になりかねない。
さすがにこの本にはそんな部分はないが、著者も気を使って注釈を新たに付け加えたりしている。

その注釈で、ハタと膝を打った指摘があったのが少年法についての記事の部分。少年犯罪が増加しているように見えるのは報道の量が飛躍的に増えているためもある--というのは、『犯罪不安社会』でも指摘されていることだが、その一例としてワイドショーでは事件報道にかなり力を入れている。その原因は何かというと芸能プロダクションのガードが堅くなったためというのだ。(抗議が来たり訴訟騒ぎになったりとか--)

なるほど確かにっ! ケーブルTVで朝日ニュースターでやってる「TVウワサの真相」という番組(あの「噂真」のTV版)を見ているのだが、芸能ゴシップ特集の時にはタレント名のところに放送禁止ピー音がかなり入りまくっていた。政治家のあれやこれやについては実名で何事もなく放送しているというのにだ。(と、書いたら別の番組でのY政治家詫び入れ事件が報道されてしまいましたな)
芸能プロダクションは政治家なぞよりコワイのである。タレントのゴシップの放送なんか出来ないよねー。犯罪ネタならやり放題だ。


話を戻すと、この本は山口マオのイラストが朴訥としててカワユイ。本屋に行ったらこれの宣伝のポップがあって、表紙カバーのTVを見ている猫(帯が付いていると隠れて見えない)が「感動したっ」と言ってて笑ってしまった。

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