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2007年2月25日 (日)

ヤン・ファーブル「わたしは血」:久々の大失敗……

中世妖精物語
演出・振付・舞台美術・テキスト:ヤン・ファーブル
会場:彩の国さいたま芸術劇場大ホール
2007年2月16日-18日

小劇場ブーム盛んなりし頃は芝居通いを頻繁にしてて、よくうっかり間違いをすることは珍しくなかった。チケットを間違える(あるいは家に忘れる)、会場を間違える(シアターアップルとシアタートップスとか)、日時を間違える、さらには演目を間違える!--などなど。
以前にも曜日は同じだが一週間前に行ってしまった事があったのだが、芝居にあまり行かなくなってしまった今日この頃、久々にやってしまいました(>_<)
なんと、土曜と日曜間違えて行っちゃったのであったよ、トホホ。

恐る恐る劇場の係員に聞いてみると、当日券と取り替えてくれるとのこと。そして、ここでさらに衝撃だったのは取り替えて貰った座席の方が、最初の席よりも見やすい場所だったということだ!(ゲゲーン)

まあ、とにかくヤン・ファーブルである。アートの方では作品を目にしているが、普段ダンスなど見ないのにどうして見に行く気になったのかは、自分でも分からないけどとにかく、行ってしまったのである。
開場が非常に遅れ、開演10分前ぐらいにようやく入場する。ステージでは既にダンサーがクネクネと踊っている。赤いヒモパンをはいただけの小太りのオヂサン。頭に写本を乗せた貴婦人が周囲を歩き続ける。両サイドでは、数人が「中世」風の職人の動作をしている。

やがて、ヤン・ファーブルの「血」について語るテクストやヒルデガルド・フォン・ビンゲンの写本のラテン語が飛び交う中、銀色の鎧をまとった騎士集団が現われたかと思うと、いつの間にか脱ぎ捨てて花嫁衣裳のドレスを着てたりして、最後は集団裸の男女乱舞乱交パフォーマンスとなるのであった。

で、これが面白いかというと……(=_=;)
詰まらないとは思わないが、私には面白いとも思えなかった。

例えば、十数人の女性ダンサー達が白いドレスを着てそれぞれ寝台に見立てたテーブルの上に横たわる。で、やがて彼女たちはパンツの股間に処女喪失を現わす血のりをくっつけて、丁寧に観客席の方にそれを見せてギャーと叫び始めて走り回る。
やがて牛のように発情した全裸男が出現して女達に突進すると、白いドレスの裾をマントに見立てた闘牛もどきが始まる。倒された女は裸になって床に横たわる。
そんなこんなドタバタのうちに、最後はドレスの女達がステージの前に一列に並んで、ドレスをまくり上げてパンツの血のりを見せてギャハハハと笑うのであった。

確かにバカバカしくて私も笑ったが、「だから?」って感じ。なんだかあまりにも分かりやす過ぎて、挑発の域にも衝撃の域にも達しているようには思えなかった。
いや、「衝撃」と言えば小学校低学年くらいの女の子が両親と共に見に来ていたこと(しかもかなり前の列で)。映画だったら18歳未満ご遠慮下さいレベルですよっ(;^^)

あと、私の座席は比較的前の方だったんで、奥行きのあるステージをフル活用して繰り広げられてたパフォーマンスがほとんど見えなかったのが悪かったのかも知れない。
なにせ前の方にいるダンサーの身体の陰に重なってしまって、奥でなにが行なわれているかよく分からないのだ。

というわけで、ひさしぶりに行ったダンス公演だったが、私には色々ガックリな事が多かった。
後でネットの感想を見てみると、絶賛多数ですねー。これまたビックリ。まあ、私には理解の埒外な世界ってことでしょうか。

【関連リンク】
「パフォーマンス/ダンスには、運動に比重を置いたものと、コンセプトに傾いたものがある」……なるほど、ナットクです。
《小劇場系》

「こんなのに対抗できるのは公開解剖とか方程式ショーくらい」……公開解剖は分かりますが「方程式ショー」ってなんですかっ。な、なんかいかがわしそう~(@_@)
《緇井鶏子》

数少ない批判的な感想の一つ。
《wander-dist.》

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コメント

 私も最近、日にちを1日まちがえて、行き損ねることがあって、「なにボケたことしいてんねん>自分」とガクゼンとしたのですが、安心しました。(何が!) しかし、演劇や舞台はチケットの単価が高いから、いたいですね。当日券と取り替えてくれるよかったですねえ。
 けど、なんかおどろおどろしいダンスだったようで……(^_^;)

投稿: しの | 2007年2月26日 (月) 00時02分

知り合いで、劇場は同じだけど日時も演目も違うチケットを持って行ってしまった人もいます。本人も係員も気付かずに中に入れてしまったそうな。
皆さん、結構やってますよ(^○^)

内容の方は言葉だけで説明するとオドロな感じですが、実際はあっけらかんとした様子で脱いだり走り回ったりしてるので、そんな事はないです。舞台装置もメタリックさを基調としてて、現代アートっぽいし。
それよりも、小学生の女の子が「お父さん、あの女の人たちなんでパンツに血を付けてキャーキャー言ってるの」て質問したらどーすんだろう、なんてことばかり心配してました。

投稿: さわやか革命 | 2007年2月27日 (火) 00時30分

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