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2007年5月 7日 (月)

「いじめと現代社会」

著者:内藤朝雄
双風舎2007年

正直言って、かなり期待外れだった。本当は同じ著者の『いじめと社会理論』の方を読むべきだったと思う。でも、電車の中で読むには難しいかなーと考えて、こちらにしてしまった。

色々な媒体での対談や論文やエッセイを集めたもので、そういう意味では統一性はない。
特に「図書新聞」に連載していた短めの論文(エッセイ?)群は、なんだかアジテーション文読まされているようで、全く納得できなかった。
「タカ派の議員たちを次の選挙で落としまくらなければ、日本の将来はない」ったって、やっぱりそういう議員は当選するし、『国家の品格』はベストセラーとして売れ続けるわけだ。どーすんのよ。
現在の天皇に対する過度なほどの熱い思い入れもよく理解できなかった。そんなに思い入れられたって、あちらさんだって困るだろう。ひねくれ者たる私にはどうしてそこまで完全な他者に期待してしまえるのかよく分からない。

それから対談で本田由紀が、あたかも専門高校では閉鎖的ではなくいじめもない人間関係が作れるようなことを述べているが、現状の専門高校では普通高校と変わらぬ閉塞的な状況にあり、いじめもしっかり存在する事例がある。それから普通高校に変な職業コースを作って失敗した話も聞いたことがあるぞ。実態を把握して言っているのだろうか?

まあ、いつか余裕が出来たら『いじめと社会理論』を読むことにしたい。

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