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2007年7月15日 (日)

劇団、本谷有希子「ファイナルファンタジースーパーノーフラット」:立つのはチラシばかりなり

作・演出:本谷有希子
会場:吉祥寺シアター
2007年6月4日~24日

前作の、学校を舞台にした芝居がエラク評判だったので、どんなもんかと観に行った。平日の昼間なのに、結構幅広い年齢層で客席は満員。一体どういう人間が見に来ているのかと思っちゃう。
--なんつーと「お前自身はどうなんだ」と言われそうだが、仕事が早く終わる日だと思ってチケット取ったら実はそうじゃなくて、泣く泣く仕事を抜けて来たのだよ。文句あっか!

舞台はさびれた遊園地。そこに引きこもるヲタク青年のトシロー。死んでしまった彼の理想の女の子「ゆく」ソックリになりきろうとする女たち。そしてその指導役のシマコ。
見方を変えると昔問題になった新興宗教団体みたいに見えなくもない。

作者は二次元の娘っ子にしか萌えないヲタ男を皮肉っているようでもあるし、そのヲタ男に無条件に尽くす病んだ女たちを批判しているようにも見える。
ただ、見ていてどうにも分からないのはシマコがどうしてトシローに尽くしてやっているのか。理由が全く不明。罪悪感かしらん? ここが分からんので劇全体が何やらボヤーッとした印象になってしまった。

終わって「芝居を見たっ、もうお腹いっぱい」という気になったが、人物の対話が中心なんであまり視覚的な面の意外さはなかった。もうちょっと、女たちが「ゆく」の練習している所なんか見せてくれるとよかったかも。

それから、ヲタク少年が他人との距離を取れない(物理的な意味での)のが描かれていて、笑ってしまった。本当にああいう子がいるんだよねー(^-^;


クラシックのコンサートなんかでも相当に厚いチラシの束を貰う事があるが、ここで貰ったのは本当に分厚くてもはや垂直に立つほどだった! 本当に驚いた。昔、ボーナスをいっぱい貰う奴は月給袋が垂直に立つなんてギャグがあったのを思い出した。銀行振り込みが常識で、しかも不景気な現在ではあり得ないことだが。

で、開演前に隣席の友人の上に二階席からチラシが降ってきた。それも結構厚手の紙のチラシだ。紙で手を切ることもあるから、こりゃ凶器だね。観劇の際はご注意。

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