「ハリウッドランド」:オーディション・美人の日本娘役求む
監督:アレン・コールター
出演:エイドリアン・ブロディ、ベン・アフレック
米国2006年
懐かしの「スーパーマン」、私は映画版を全く見たことないのでスーパーマンといえばこの映画に出てくるジョージ・リーブスになるわけだ。そして、彼が自殺したなんてことは全く知らなかった。
これまた実際の事件を元にしたフィクション。主人公の探偵以外は実在の人物だという。自殺に疑いを持つリーブスの母親から依頼され……じゃなくて自分から売り込みにいって仕事を請け負った、しがない探偵が真実を探る。背後に控えるは虚飾に満ちたハリウッド、さて何が出てくるか。
こうなると期待するのは
*「ハリウッド・バビロン」風スキャンダルのオンパレード
*テレビ俳優として人気が出すぎて役者としてギャップに悩む
*1950年代の米国社会暗黒面
--あたりなのであるが、そのいずれについても期待はずれであった。ガックリ(+_+)
もちろん、テレビのイメージが強すぎて『地上より永遠に』の出演場面をカットされてしまうなんて話も出てくるのだが、いずれもエピソードの羅列で終わってしまい、さらに探偵の私生活やら別の浮気調査の事件も出てきたりして、全体的にとっ散らかった印象だ。
そもそもこの手のハードボイルド物というのは事件単体で見れば単純な話なのだが、複雑な人間関係や社会状況によって覆い隠されているのを、探偵がやみくもにそこら中をつついて藪の中から真相を転がり出させる、というものである。
だからといって、この映画の「真相」はいくらなんでも「泰山鳴動してネズミ一匹も出ず」。ジッと見てきて結末がこれではたまらんよ。
作り手としては懸命に生きてきた男の悲哀みたいなもんを描きたかったのだろうが、こうもとっ散らかっていてはその域まで達しない。
ということで、題材は良かったが脚本と演出がダメという結論であった。
役者は「なにっ、E・ブロディがハードボイルドの探偵だって?冗談抜かせ!」という事前イメージだったが、アルコール依存で離婚して妻子とは別居、恋人には浮気され--というネオ・ハードボイルド系の情けない探偵という設定だったので、まあ合格点としよう。ただ、他の役者が50年代風なのに、彼だけなぜか現代っぽいのはなんとかならんかね。
久しぶりに見たベン・アフレックはやたらとお肉がついちゃって大丈夫か?という印象だったが、実物を真似て体重増やしたのだと解釈したい。
B・ホスキンスはもう彼なら片目をつぶっててもできる役。問題なし。
ここで一番の役者はダイアン・レインというべきだろう。金も地位もあるが、若さも美しさも失った女の老醜とシワをここまでさらけ出してしまうとはスゴイの一言である。おなじチューネン女として正視に耐えないちゅーか、よくやったというか、とにかく見上げた女優魂だー \(^o^)/
あ、ついでに台詞なしの「日本娘」全然かわいくないのはどーしたもんよ。もっと美人の娘を出してくれよう。
主観点:5点
客観点:5点
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