「働きすぎる若者たち」:期待外れの一言
「自分探し」の果てに
著者:阿部真大
NHK出版(生活人新書)2007年
本のソデの所に書かれた紹介文で「「あり地獄」とも称されるケアワーカーの実態調査を通して」と書かれていたので、てっきり介護・福祉の分野の若者の厳しい労働の実情が取材されている本かと思ったら全然違った。
もちろん、「集団ケア」から「ユニットケア」へという流れについては、門外漢には興味深いことだったが、それ以外の若いモンの実態話はあんまり出て来ない。
それよりもむしろ「若き社会学者がロストジェネレーション(25~35歳)の労働問題の構造と本質をえぐり出」しているかどうかはワカランが、少なくともそういう推察や分析が主な感じである。
ケアワーカーの仕事は過酷で低賃金だが、今さら給料が上がるわけはないので、その仕事にのめり込まずに趣味や愉しみなどの方面でなんとか自己実現してやり過ごそう。そのためには中高年の皆さんはボランティアに行ってくれ。
--こういうことですか?
でも、低賃金じゃ結婚もできんじゃないの。どーすんの?
例にあげられているヤンキーの皆さんはまだ集団的開放的だからいいけど、ヲタク系趣味の人とか芸術系指向の人にもそれであてはめちゃっていいのか。
ラスト一行「この本がその一歩になればと願っている。」
--なんだ、言いっぱなしということか。ガックリである。
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