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2007年9月10日 (月)

「崩壊感覚」&所蔵作品展:J・オピーのぬるいニッポンにひたる

Houkai2
会場:東京国立近代美術館
2007年8月18日~10月21日

今の近美はちょうど企画展をやってない時期だったので、人が少なくてヨカッタ。
お目当ては現代アートをテーマ別に企画展示する小スペースでやっている「崩壊感覚」--といっても、「崩壊」という概念は人それぞれだから企画者の感性に左右される部分が大きいだろう。
キーワードは廃墟・戦争・時間・地震……といったところか。

中でも素晴らしかったのはマックス・エルンストの「つかの間の静寂」。あー、やっぱりエルンストいいですなー。なんつーか、しみじみしみじみと荒涼感みたいなものが心に染み入ってくるのよ。
人が少ないので、しばしの間「ワハハハ(^○^)エルンストは吾輩のものだ」状態を堪能。見張りのオニーサンがいなかったら家に持って帰りたいくらい。古めかしい木の額ブチもまたステキッ(#^-^#)

他に目についたのは剣持和夫という人の巨大な無題の作品。「廃墟」を作り上げて写真を撮った上から絵具で重ねたとのこと。巨大さと、絵のタッチなどからキーファーを想起させる。ただ、キーファーみたいな禍々しさはない。

オペラシティで見た陶作品の聖書(荒木高子)がここにもあった。廃棄された車や電話ボックス(?)が草に覆いつくされた様子を撮った斎藤さだむの写真作品も注目。

関東大震災の被災地を描いたスケッチ(池田遥邨)と宮本隆司が神戸の震災地を撮った写真は一つのスペースで数作品展示されていて、その静かな迫力に圧倒された。しかし「崩壊」というテーマで、地震を描いた作品というのもなんだかあまりにもベタな印象があるのもまた事実である。

収蔵品展は以前見たのも結構あって、ささっと見て回った。
「騎龍観音」にはまた見て笑ってしまった。だーって、龍の眼がなにげにカワユイんだもーん。
現代美術のコーナーにあった舟越直木の石膏?の白い頭部像が面白かった。目鼻がなくてゴツゴツしたミイラ男みたいでちと不気味。父親や兄とはまた一味も二味も違う芸風である。
それから眼につきにくい所にジュリアン・オピーの日本を題材にしたインスタレーションがあった。北斎のパロディみたいで、変テコで笑えた。「日本八景」というからには八つなければならんと思うが……数が足りないような(?_?) どうせなら全部見せてくれい。

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