「支倉常長 伊達政宗がヨーロッパに遣わした一人の侍の旅」:ショームのド迫力に驚く
オルガンレクチャーコンサートシリーズ2007
出演:皆川達夫、大森博史、鈴木雅明&BCJ
会場:サントリーホール
2007年9月24日
昨年は天正少年使節団を扱ったレクチャーコンサートシリーズ、今回は支倉常長である。
こちらは太平洋からメキシコへ。さらに大西洋を渡ってスペイン、ローマへと渡って行ったのである。非常に長~い船旅&陸路、大変だー。
その背後には日本国内やヨーロッパでの政治・経済・宗教が絡み合ったパワーゲームが渦巻いていたのであった。
その後のキリシタン弾圧など国内政治事情の変転で旅の詳細な記録は消失してしまったそうな。
そんな旅の中で奏でられ、彼が遭遇した(と推定される)音楽の数々を紹介。解説はもちろん皆川先生。先生の暴走を引き止める係はもちろん鈴木(兄)氏である。
冒頭は、少年使節が秀吉の前で演奏したに違いないと先生が断固主張するジョスカンの「千々の悲しみ」に始まり、宗教曲だけでなく野々下さんのシャンソン独唱やフィリピン民謡やお琴の「六段」まで飛び出すバラエティに富んだものであった。
一番良かったのはマドリッドでの常長の洗礼式で演奏されたと推定されるビクトリアの「ラウダテ・ドミヌム」。こんなのをステンドグラス輝き響きの良い立派な教会で聴いたら、不信心な私でも思わずナンマンダブナンマンダブ(-人-)と手を合わせたくなるぐらいの素晴らしさ。特に途中から合唱に通奏低音がそーっと入ってくる所がいい。
あとフレスコバルディのオルガン演奏には3万人が押し寄せ、さらに掌を上に向けて弾けた(?)という話にはビックリ。
楽器は今回は弦は通奏低音のみ。代わりに三宮氏の率いるショームバンドが活躍。あんなにたくさんのショームを見たのは初めてだった。それだけに音もデカイぞ。それから島田氏のトランペット部隊も登場したが、配られた冊子には管楽器の曲が一切記載されてないのはなぜ? 急遽入れたのかしらん。
さて、当然のことながら今回も皆川先生の恐るべき破壊力を持つオヤヂギャグがいつ出るかいつ出るかと待ち構えていたのだが、結局最後までなくて拍子抜け(-o-;) 「先生、ガット弦がブチ切れるのでやめてください」とか言われたのかな。
その代わりかどうか?講談調の語りで一人芝居をやった場面があった。も、もしかして先生「次は落語調で行くかな、ふふふっ」と策を練ってたりして(>y<;)
ところで新装なったサントリーホール、トイレはキレイ&豪華になってましたよ、ハイ。
【関連リンク】
「少年使節」の時に引き続き、詳細な内容紹介と感想が読めます。
《ミューズの森、美術館そぞろ歩きノート》
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コメント
確かに、今回の皆川先生にはやや肩透かしを喰らったなという感じです(何を期待しているのやら)。
強いて言えば、”少年使節の御前演奏=「千々の悲しみ」”説の信憑性が58.5%に下がったことくらいかと思いますが、もしかしたらこれもギャグではなかった可能性も1.5%くらいはありそうです・・・
投稿: hokuto77 | 2007年10月 8日 (月) 21時19分
皆川先生には、ギャグの小ネタで波状攻撃してくるのか、それともデカイ一発をドドーンと来るのかと思ってドキドキしていたんですが、残念無念?でありました。
|信憑性が58.5%に下がったことくらいかと思いますが、もしかしたらこれもギャグではなかった可能性も
えっ、あれはギャグなんぞではなくて、先生の長年の研究と推論に基づいて厳密にはじき出された推定値に決まっているのではありませんか(爆)
投稿: さわやか革命 | 2007年10月10日 (水) 00時03分