「FRIFOT フリーフォート・ジャパン・ツァー 2007」:ヨーロッパの「土着」性を実感
スウェーデン伝統音楽~中世のバラッドから現代まで
会場:北とぴあ つつじホール
2007年11月11日
これも北とぴあ国際音楽祭参加公演である。
実はこのグループ、一度も聞いたことがない……曲はもちろんだが、音楽祭のチラシで見るまでは名前すら知らなかった。スウェーデンの音楽事情についても完璧に無知。
しかし、面白そうなので期待して行ってみた。
フリーフォートとは「自由な足」という意味の、女一名男二名のトリオ。普段はそれぞれグループを持ったりして独自の音楽活動をしているという。
レーナ・ヴィッレマルクとペール・グッドムンドソンがそれぞれフィドル&ヴォーカルを基本的に担当。アレ・メッレルはマンドーラ(最初、ブズーキかと思ってしまった。リズム&低音担当)、各種縦笛横笛に加え、さらにはハモニカを二つ重ねて吹いちゃったりしてマルチプレーヤーなんである。もちろんヴォーカルも。
大昔の民謡から最近のフォークソングまで(なんと『武田の子守歌』まで)演奏したが、アカペラのコーラスにしてもフィドルの二重奏にしても、とにかくその強烈な不協和音に驚いた。心地よさではなく、ノイズが脳天直撃という印象である。
アイリッシュ・トラッドなんかだと、フィドル合戦を聞かされると猛烈に踊りたくなるのだが、そういう爽快感はない。あくまでも足が地に着いていて、シンプル&ヘヴィなのであった。
それにしても、レーナの「牛追い唱法」も強烈だったが、牛の角笛が本当に角がそのまま「笛」になってて(当たり前といえば当たり前だが)これまたパンチある音なのにも驚いた。
ただ、メンバーの一人は普段「民族音楽博物館に勤務」というだけあって、現代的なロックやポップスの要素はあまり入っていない。あくまでもアコースティックで伝統に則った演奏なのだろう。
先日買った『ストリング・シスターズ』で、やはりスウェーデンの女性歌手のコブシ回しに驚嘆したが、若手はもっと色々なアプローチをしているのだと推測。
それにしても土着のヨーロッパ世界というのも様々な形で色々あるんだのうと感心した。
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