「ロイヤル・ファミリーのための音楽」:秘密諜報員ヘンデル
第5回ヘンデル・フェスティヴァル・ジャパン「英国王室とヘンデル」企画1
会場:目白聖公会 (→こういうキレイなステンドグラスが両脇の窓に並んでいる)
2007年12月8日
年末といえば ヘ ン デ ル ! って、なぜだ?
ともかくもこの年末もまたHFJが始まったのである。
企画1は三澤寿喜先生のレクチャーコンサート。企画2でエンリコ・オノフリをどどーんと指揮に呼んで、ヘンデルが王室から正式委託されて作った大曲二つを演奏するもんで、今回は王室がらみでそれ以外の小曲を四人で演奏という趣向だった。
すなわち、個人的にヘンデルが親しかった王女たちのために作った練習曲の類い。そして、自発的に自腹で王室ヨイショのために作ったお祝い用オペラである。
三澤先生の解説によると、ストーリーは他愛ないがそのアリアの技巧はチョ~素晴らしいとのこと。(あ、先生は別に「チョー」なんて言ってないですよ^^;)
ソプラノ担当の広瀬奈緒は以前この公演でも聞いていた。果敢かつ華麗にアリアを歌こなしていたとは思いますが、それとは別にヘンデルって押しの強さが必要なような……。そう、「私が歌ってんだから文句あっか?」みたいに強面というか厚顔というかそういう部分は足りなかった感じ。今後に期待である。
いつものオーボエだけでなくリコーダーも吹いて活躍していたのは、おなじみ三宮氏。リコーダー演奏してるのを見たのは初めてかも知れない。
聴いてて不思議だったのは、ヘンデルというのはオペラの歌曲と器楽曲なんかのイメージが非常に乖離していること。どの作曲家だってそうだろう、という意見もあるだろうが、でもパーセルとか「こりゃ、別人か?」なんてことは思わないはずだ。
今回もチェンバロ独奏の組曲を聴いていると、クープランほどではないけど怜悧な印象。とてもあの怒濤のような、俗っぽさすれすれのアリアや合唱曲と同じ作者とは思えねえ~。
会場は目白バ・ロック音楽祭で使われてた教会。靴を脱いで入ると、木の床がなんかポカポカしている。~(^o^)~ 気持ちエエー。も、もしかして床暖房? こりゃ、この教会借りるのは寒い時期の方がいいんではないかい。
残響も少なからず多からず。特にチェンバロ独奏の音がクリアで心地よかった。でも、ご近所の子どもの声や、バイクの音が聞こえてくるのが難ですな。
さて、パンフの解説を読むとこんなくだりが出て来た。
「ヘンデルが楽長職に就任しながら、即座に休暇をとり、ロンドンに行くことができたのは、外交官、もっと言えば諜報員としての役割も期待されたためであったろう。」
ち、諜報員(!o!)ガーン
たちまち、私の脳内には妄想がモクモクと湧き上がり、脳ミソのヒダの隅々まで占拠したのであった--。
そう、秘密諜報員として王侯貴族に接近、女も男もカストラートも手玉に取り、ハノーファー宮廷に逐一情報を報告するヘンデルの姿が!
「あなたの名は?」「私の名はハンドル。ジョージ・フリデリク・ハンドルだ」
チャラッチャチャチャッチャーン♪(バロック・トランペットによるおなじみのテーマ曲の冒頭部分が流れる)
い、いかん(>ω<) どーしてこうなるかね。
パンフの解説に余計なこと書かんで欲しいぞ。すぐ妄想爆発しちゃう。
【関連リンク】
《演奏会定点観測》
詳しい曲目など分かります。
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